森ビル株式会社

安全の取り組み

地震発生時も生活・事業を継続するためにハード・ソフト両面で対策

「麻布台ヒルズ」では、安全・安心を支えるハード面強化にも力を入れており、万が一の災害時には、「逃げ込める街」となるべく、様々な取り組みを行います。
3棟の高層タワーには、適切な制振装置を導入することで、東日本大震災や阪神・淡路大震災レベルの地震が起きた場合でも、安心して事業継続が可能な耐震性能を備えています。構造部材には、高強度の鋼材やコンクリートをバランスよく採用するとともに、建物のコア部などに制振装置を積極的に配置し、地震時の揺れを効率的に低減できる高い耐震性を実現。加えて、風揺れの影響を特に受けやすい建物頂部には、大型制振装置「アクティブマスダンパー」を設置することで、地震以外の揺れにおいても低減に努めています。

また、「森JPタワー」の地下にはコージェネレーションシステム(CGS)と地域冷暖房施設を導入。各街区にも非常用発電機を設置し、災害に強い中圧ガスを使用することで、災害時においても街全体で必要な電力と熱を100%安定的に供給します。

さらに、災害などにより、周辺エリアで帰宅困難者が発生したときに約3,600人が一時滞在できる、約6,000m²の受入スペースを確保しています。森ビルは、「六本木ヒルズ」や「虎ノ門ヒルズ」において東京都港区と「災害発生時における帰宅困難者の受け入れ等に関する協力協定」を締結しており、「麻布台ヒルズ」でも官民連携のもと、周辺地域の防災拠点として貢献していきます。

電力供給能力のイメージ

環境の取り組み

圧倒的な緑に囲まれ、都市と自然が調和した環境

「麻布台ヒルズ」では、コンセプトである「Modern Urban Village」を実現するため、まずはじめに、人の流れや人が集まる場所を考え、街の中心に広場を据えて、シームレスなランドスケープを計画。その後、3棟の超高層タワーを配置しました。これは、まず建物を配置し、空いたスペースを緑化するという、従来の手法とは全く逆のアプローチです。
高低差のある地形を生かして、低層部の屋上を含む敷地全体を緑化することで、都心の既成市街地でありながら、約6,000m²の中央広場を含む約24,000m²の緑地を確保。緑と水がつながるランドスケープを整備し、自然あふれる憩いの場を創出しています。

約6,000m²の広さを誇る緑豊かな中央広場
約6,000m²の広さを誇る緑豊かな中央広場

街を挙げて環境負荷の低減を実現

街で使われる電気はすべて再生可能エネルギー

「麻布台ヒルズ」全体で、国際的なイニシアチブRE100に対応する、CO2排出ゼロの再生可能エネルギー電力を利用します。これにより、竣工時からオフィスや店舗、住宅、イベント施設など、街区で利用するあらゆる電力が再生可能エネルギー電力となります。例えば、来街者用の駐車場に設置している急速充電器で充電した電気自動車はCO2フリーでの走行が可能といえます。
さらに、入居テナントには、再エネ電力のトラッキング情報を記載した再生可能エネルギー証拠書類を、当社独自の「エネルギーWEBシステム」を通じて自動的に頒布するシステムも導入します。

エネルギーの面的利用による効率的なエネルギー供給

「麻布台ヒルズ」全体にエネルギーを供給する高効率エネルギーセンター(虎ノ門エネルギーネットワーク株式会社)を、「森JPタワー」に設置。エネルギーの使用傾向が異なるオフィスや住宅、ホテルなどの用途を複合させることで、街全体でエネルギーをネットワーク化。さらにエネルギーセンターにAIを導入することで、複合用途のコンパクトシティならではの、効率的なエネルギー供給を実現します。

麻布台ヒルズのエネルギー供給の仕組み
麻布台ヒルズのエネルギー供給の仕組み

下水熱を地域冷暖房に活用

未利用かつ再生可能なエネルギーである下水熱を、「麻布台ヒルズ」全体における冷暖房の熱源の一部として活用します。気温に比べ「夏は冷たく、冬は暖かい」温度特性を持つ下水の熱を回収し、利用することで、年間70tほどのCO2排出量の削減に貢献します。

街全体で雨水や雑排水を再利用

敷地内に降った雨水は貯留・処理し、外構部への散水などに再利用します。さらに緑地整備により、十分に雨水を浸透できる計画としています。また、レジデンスの雑排水を再利用処理し、「森JPタワー」の便器の洗浄水として利用するなど、棟をまたいで水を有効利用します。
水栓やシャワーには節水型の器具を積極的に採用することで、街区全体で国際環境性能認証「LEED」の基準値の40%の水資源利用削減を達成しています。

街のパートナーと協働して資源循環を促進

廃棄物の総量削減に向けて、テナント・分別ごとの廃棄物量を可視化するWEBシステムを構築します。また、飲料メーカーと一体となり、プラスチックの水平リサイクルのモデルとなる「ボトルtoボトル」を街全体で実現します。施設内のウォーターサーバーの設置や、サーキュラーエコノミーを見据えた取り組みも計画しています。

国際環境性能認証「LEED」「WELL」の予備認証を取得

「麻布台ヒルズ」全体では、「LEED」のエリア開発を対象とした「ND」カテゴリにおいて最高ランクのプラチナ予備認証を取得。「多様な都市機能を有する複合開発」「広場を中心にしたウォーカブルな街」「再生可能エネルギーによる電力の供給」が高く評価されました。「麻布台ヒルズ」による「ND」カテゴリーのプラチナランクの取得は、都内初の事例となります。
「森JPタワー」のオフィス・商業施設部分では、新築テナントビル対象の建物単位の認証「BD+C(CS)」で最高ランクのプラチナ予備認証を取得。「エネルギーの面的活用」、躯体建設段階の「環境負荷の見える化や低減」、竣工後の「テナント専有部でのデマンドレスポンス制御など、入居テナントと協働して省エネに取り組む仕組み」などが高く評価されました。
「中央広場を中心とした緑化」「高い室内空気質環境」はウェルネスの取り組みとしても評価され、「森JPタワー」のオフィス・商業施設部分においては、環境性能に加え、健康性や快適性を評価する国際認証「WELL Core」の最高ランクのプラチナ認証を日本で初めて取得(2024年)しています。LEED ND、LEED BD+Cに加えて、WELL認証でも最高位のプラチナランクを取得しているのは世界初の事例です。

文化の取り組み

現代アートからエンターテイメントまで、多様な文化を世界に発信

「Green&Wellness」をテーマとする「麻布台ヒルズ」では、「街全体がミュージアム」をコンセプトに掲げています。総施設面積約9,300m²(約2,820坪)のミュージアムとギャラリーを中核として、オフィスや住宅、ホテルのロビーや広場など、街のあらゆる場所にパブリックアートを設置し、芸術・文化が一体となった街を創出します。

麻布台ヒルズ ギャラリー
麻布台ヒルズ ギャラリー
森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボボーダレス
森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボボーダレス

パブリックアート

都心に生まれる圧倒的な緑に包まれた広大な空間。その公共空間や生活環境にあるパブリックアートには、空間の壮大なスケール感とヒューマンスケールを融合し、人間と宇宙の繋がりを感じられ、「麻布台ヒルズ」で生成される自然界のエネルギーを可視化するような作品を森美術館のキュレーションにより選定しました。

オラファー・エリアソン(デンマーク)《相互に繋がりあう瞬間が協和する周期》2023年
展示場所:森JPタワー
オラファー・エリアソン(デンマーク)《相互に繋がりあう瞬間が協和する周期》2023年
参考作品
展示場所:中央広場
参考作品:奈良美智《森の子》2017年
展示風景:N's YARD(栃木)
撮影:森本美絵
参考作品
展示場所:中央広場
参考作品:曽根裕《Wood Log (long version)》2017年
参考画像
展示場所:中央広場
参考画像
撮影:木奥惠三
Courtesy:茨城県北芸術祭 KENPOKU ART 2016