森ビル株式会社

代表取締役社長 辻 慎吾

森ビルグループは、「都市を創り、都市を育む」という仕事を通じて、持続可能な社会の実現や地域の発展、人々の安全・健康・幸福に貢献し、世の中になくてはならない会社であり続けます。

都市はあらゆる人間活動の舞台です。
都市づくりを担う者は、そこに生きる人々の未来に責任を持たなくてはなりません。社会や地球の未来に対する責任も負っています。

私たちは、「ESG」や「SDGs」といった言葉が脚光を浴びるずっと前から、都市再開発事業という方法で、地元の皆様とともに持続可能な都市づくりに取り組んできました。「アークヒルズ」(1986年竣工)をはじめ、「六本木ヒルズ」(2003年竣工)、「虎ノ門ヒルズ」(2014年竣工)など、数々の「ヒルズ」の街そのものが、サステナビリティに対する私たちの信念とこれまでの取り組みを表しています。

アークヒルズの再開発に取り組んでいた40年前は、「都市開発は環境やコミュニティを破壊する」といわれていた時代でした。私たちはそうした概念をくつがえしました。『緑に覆われた超高層都市〜ヴァーティカル・ガーデンシティ構想~』を掲げ、開発前の街よりもはるかに豊かな緑やコミュニティを創り出し、災害に強い街に再生しました。

細分化された土地を取りまとめて再開発し、「職」「住」「遊」「学」「商」「交流」「文化」など、様々な都市機能を超高層タワーに立体的に組み込んで地表を緑化することで、再開発前の市街地と比べて緑被率は30%、エネルギー効率は40%向上すると試算されています。さらに、六本木ヒルズでは街で使われる電力を自ら発電しています。様々な用途の施設を複合させることでエネルギーの平準化と効率化を図るとともに、災害時にも生活やビジネスを継続できる街にしました。

都市は何百年も続きます。私たちは街や建物の完成を「終わり」ではなく、「始まり」と捉えています。地元の人々と創り上げた街が何十年後も輝き続けるように、私たちは責任を持って育み続けます。六本木ヒルズではタウンマネジメントの仕組みと組織を独自に創り上げ、時代の変化、テクノロジーの進化、刻々と変わる地域の課題や利用者のニーズに対応しています。この組織を軸に、様々なイベントやコミュニティ活動などを通じて、人、企業、街、そして地域社会をつないできました。

ディベロップメントとタウンマネジメントは、森ビルらしい街づくりの両輪です。それぞれが蓄えた知見やデータを共有し、フィードバックさせながら、最先端のテクノロジーを組み込み、さらに高次元の「ヒルズの未来形」を目指しています。

2023年に竣工する虎ノ門・麻布台プロジェクトは「Modern Urban Village – Green & Wellness」をコンセプトに掲げています。コロナ禍で世界中の人々が健康や幸福の大切さを痛感し、その基盤となる環境にも目を向けています。このプロジェクトは、街全体で健康と幸福をサポートする仕組みを組み込むとともに、再生可能エネルギーの電力を100%供給する街を実現し、世界的な重要課題に対する一つの解を示す都市モデルとして世界に発信していきます。さらに、このプロジェクトだけでなく、既存のヒルズも含めた広域エリアでの「都市と自然の共生」「都市の脱炭素化」「資源循環型の都市づくり」を進めていきます。

都市に対する責任、未来に対する責任は、会社はもちろんのこと、社員ひとりひとりが担うものでもあります。企業としての健全性や永続性はもとより、社員ひとりひとりが心身ともに健康で都市づくりに打ち込める環境や体制づくりに注力し、「森ビルらしい都市づくり」をさらに進化させていきます。

森ビルグループはこれまでも、そしてこれからも、都市づくりを通じて、人、社会、地球に対する責任を果たしてまいります。

代表取締役社長 辻 慎吾