森ビル株式会社

リスクマネジメントの基本的な考え方

森ビルグループの各事業に相当程度の影響(損失)を与えうる全ての事象をリスクと定義し、それらを把握・評価および対応の優先順位を明確化し経営レベルで組織的に管理することを目的として「リスク管理規程」などにてリスク管理体制を制定しています。

リスクマネジメント体制

リスク管理委員会の運営

森ビルグループでは、国内外の全社的なリスク管理にかかわる課題・対応策を審議、承認する会議体として、リスク管理委員会を設置しています。委員会は原則年1回開催され、組織・制度に係る重要な方針および活動計画の決定、リスク管理の評価・分析と対応方針の承認、モニタリング方針および計画の承認などを行っています。
リスク管理規程に基づき、個々のリスクについて主管組織とその権限・責任を定め、当該部門の長がリスク管理責任者として対応方針・マニュアル整備などの任にあたっています。
リスク管理委員会のもとにリスク管理委員会事務局を設置し、同委員会のモニタリング、個別リスク主管組織のリスク管理活動支援などの役割を担っています。

リスクマネジメント体制図

リスクマネジメント体制図

事業活動に伴う主なリスク

継続的なリスクマネジメント活動および各種の事業活動を通じて、森ビルグループが認識している主なリスクおよびその対策として以下が挙げられます。

不動産市況動向などに係るリスク

不動産市況が停滞あるいは下落した場合、オフィスビルや賃貸住宅用不動産の空室率が上昇または賃料水準の低下が考えられるほか、大規模な中長期開発プロジェクトの進行遅延または中断による賃貸事業への悪影響が考えられます。当該リスクへの対策として、景気動向・不動産市況などのモニタリングや物件特性などに応じた営業力強化などによりリスク低減を図ります。

各種法制および税制などの変更(主に不動産や金融関連)に係るリスク

将来における法令、規則、政策、解釈などの変更により、当社グループの義務および費用負担の増加並びに所有資産に係る権利制限などが発生し、経営成績や財政状態などに影響を及ぼす可能性があります。当該リスクへの対策として、これら各種法令や不動産関連税制などに係る改正情報、通達などの早期把握や対応に努めています。

海外事業に潜在するリスク

事業を展開している中国、インドネシアなどにおいて予期せぬ経済情勢や政治体制の変化により、不動産市況悪化やプロジェクトへの悪影響を及ぼす可能性などがあるほか、為替変動などにより円換算後の保有資産などの価値が影響を受ける可能性があります。当該リスクへの対策として、適宜情報を収集のうえ、当該事業の見直しなどの対応に努めています。

有利子負債および金利上昇のリスク

当社グループは主に金利スワップ契約により有利子負債の金利変動リスク対応に努めていますが、金利水準の急激な上昇により、経営成績や財政状態などに影響を及ぼす可能性があります。当該リスクへの対策として、金利動向や金融機関の融資姿勢についてモニタリングしながら複数金融機関からの借入や社債発行などにより、資金調達の円滑化と多様化に努めています。

自然災害、人災などによるリスク

地震、風水害、疫病などの自然災害や、事故、火災、戦争、テロその他人災が発生した場合、保有資産の毀損などにより経営成績や財政状態などに影響を与える可能性があります。当該リスクへの対策として、BCP(事業継続計画)を策定し、どのような場合でも事業継続または早期復旧できるように準備しています。

新型コロナウイルス感染症などによるリスク

新型コロナウイルス感染症などの影響により、当社グループの関連施設の臨時休館・営業時間の短縮がなされるなど、不動産の運営、管理などが妨げられ、不動産の収益性が低下し、経営成績や財政状態などに影響を及ぼす可能性があります。政府などからの要請に応じるとともに、当社グループ独自のルールを策定するなど感染拡大防止に努めています。

サイバーセキュリティに係るリスク

森ビルの情報システムおよびビルシステムには、サイバー攻撃などによりシステム停止・破壊、個人情報や機密情報の窃取・破壊などのサイバーセキュリティ上のリスクが存在します。専門家の助言も踏まえ対策を講じてはいるものの、これらリスクの発生可能性を完全に排除することは困難です。災害などによる通信ネットワークやクラウドサービス障害、ハードウエアやソフトウエアの欠陥によるシステム障害、第三者による不正アクセスなどによるセキュリティ事案が発生した場合、当社グループの社会的信用、ブランドイメージ低下に加え、当社グループの経営成績や財政状態などに影響を及ぼすおそれがあります。当社グループでは、当該リスクへの対応策として、関連諸法令の遵守に加え、サイバーセキュリティに関連する社内規程を定め、サイバーセキュリティ意識向上のための定期的な訓練、教育を実施しています。