森ビル株式会社

コンプライアンスに関する取り決め

森ビルは「安全・安心で豊かな都市を創り、都市を育むこと」を事業としており、その実現のために法令など社会規範を遵守することは、不可欠かつ大前提であると考えています。当社では、このような考え方に立脚して、コンプライアンス基本方針においてコンプライアンス推進のための基本事項を定めるとともに、その基本方針に沿ってコンプライアンス規程、コンプライアンス行動規範、コンプライアンス行動規範ガイドラインなどを定めています。

また、当社では、贈収賄およびその疑いのある行為や不適切な利益の授受・供与を防止することを目的に「森ビルグループ贈収賄防止方針」を定めています。さらにコンプライアンス行動規範において、政治資金規正法による制限の遵守、取引先との間での不当な接待贈答や金銭の授受を行わないことなど、贈収賄に関する具体的な行動基準を明示しています。これらの「森ビルグループ贈収賄防止方針」およびコンプライアンス行動規範に基づいた取り組みを通じて、あらゆる形態の腐敗防止に取り組んでいます。

コンプライアンス体制

当社は、コンプライアンスを統括する責任者として、代表取締役から任命を受けた取締役であるチーフ・コンプライアンス・オフィサーを設置しています。チーフ・コンプライアンス・オフィサーは、取締役会で決定されたコンプライアンスの基本事項に則って、当社のコンプライアンスの推進を統括する責任と権限を有しています。

また、当社では、コンプライアンスを推進するためにコンプライアンス委員会を設け、年に2回以上、会議を開催しています。コンプライアンス委員会においては、コンプライアンスに関する規程の策定、改廃、役職員の研修・啓発計画の策定について審議するとともに、重大な違反事実が発生した場合には改善策や再発防止策について審議します。

チーフ・コンプライアンス・オフィサーは、コンプライアンスの推進状況について取締役会、監査役会、コンプライアンス委員会に適宜報告を行います。
なお、コンプライアンスに関する規程の改廃については、取締役会の承認をもって決定しています。

コンプライアンス推進体制図(2022年6月1日時点)
コンプライアンス推進体制図(2022年6月1日時点)

内部通報制度

当社では、内部通報制度を整備し、コンプライアンス違反(汚職・賄賂などの腐敗や人権侵害にかかるものを含みます。以下同じ)を発見した場合の相談・通報先として、社内(法務コンプライアンス部コンプライアンスグループ)と社外の弁護士事務所に窓口を設置しています。これらの窓口は当社の従業員だけでなく、取締役、執行役員、監査役、顧問、派遣従業員、退職者、取引関係者およびグループ会社の従業員なども利用することができるほか、匿名での相談・通報も受け付けています。また、当社では、この内部通報制度を利用したことを理由として、会社が通報者に対して不利益な取り扱いをすることを禁止しています。

相談・通報およびその後の対応手順

当社では、コンプライアンス違反や、その恐れのある重大な行為を発見した者は、上司または相談・通報窓口に報告・通報することをコンプライアンス規程において義務付けています。
相談・通報窓口に相談・通報があった場合、法務コンプライアンス部コンプライアンスグループが事実関係の調査を行い、チーフ・コンプライアンス・オフィサーに報告します。チーフ・コンプライアンス・オフィサーは必要に応じて、取締役会、監査役会、コンプライアンス委員会に報告を行います。
相談・通報窓口は、役員が関与するコンプライアンス違反に関する通報を受けた場合、監査役会に報告します。
コンプライアンス委員会は、重大な違反行為にかかる善後策および再発防止策について審議を行い、またチーフ・コンプライアンス・オフィサーは、必要と判断した部署に対して改善を指示します。

コンプライアンス教育

当社では、毎年全従業員向けに、情報セキュリティと併せてコンプライアンス(個人情報保護にかかるものを含みます)に関するe-learningを実施し、インサイダー取引の禁止やビジネス慣習の範囲を超える接待・贈答の禁止など、コンプライアンス行動規範などに定める内容を含めたコンプライアンスに関する啓発を継続して実施しています。
また、イントラネット上での記事配信などの方法を活用して、コンプライアンスの基本的な理解や、内部通報制度の活用の促進を図るための情報発信を行っています。

コンプライアンス研修

当社では、新卒採用従業員、キャリア採用従業員の入社時にコンプライアンス研修を実施し、コンプライアンス推進体制や内部通報制度について説明するとともに、法令などの遵守、政治・行政との健全かつ透明な関係の構築、政治家や公務員などへの賄賂の禁止、反社会的勢力との関係断絶、不当または不正な手段による利益追求の禁止など、腐敗防止に関する内容を包括的に定めたコンプライアンス行動規範を含むコンプライアンスに関する規程類を配付し、コンプライアンス意識の醸成を図っています。

また、入社時研修のほか、入社10年目まで、管理職向け、経営層向けなどの階層別の研修を実施しています。取り上げる内容は研修対象に応じ、コンプライアンスの基本的な考え方、他社の不祥事の事例を用いたケーススタディ、「不当または不正な手段による利益追求の禁止」「取引先などとの間での一般社会的な常識の範囲を超えた会食・贈答などの禁止」などコンプライアンス行動規範を踏まえた内容などを考慮して構成しています。

利益相反取引への取り組み

コンプライアンス行動規範において、競争会社や取引先のために働かず、また競争会社や取引先と金銭上の関係を持たないこと、および会社の業務に基づかないで会社と取引を行うなど会社の利害と相反する可能性のある行為を行う場合は法令・会社の規程などの定めに従い承認などを得ることを定めています。
会社と取締役との利益相反取引については、会社法および取締役会規程に基づき、取締役会で承認を得ることとしています。取締役による競業取引についても同様に、会社法および取締役会規程に基づき、取締役会で承認を得ることとしています。

コンプライアンス研修の実施回数・受講者数

  2021年度 2022年度
コンプライアンス研修の実施回数・受講者数
(e-learningを含む)
4回・1,871人
(延べ人数)
5回・1,895人
(延べ人数)

贈収賄防止に関する取り決め

当社は、公正な取引社会の実現を目的として国際的に重要な課題となっている贈収賄防止に関する基本的な考え方と対応方針について、社長を含む取締役会の承認を経たうえで「森ビルグループ贈収賄防止方針」(以下、本方針)を定めています。

当社グループは、国内外の法令、企業行動規範、本方針およびその他の贈収賄防止に関連する社内規程に基づき、贈収賄およびその疑いのある行為ならびに不適切な利益の授受・供与の防止に取り組んでまいります。

当社グループの事業に関する取引先の皆様におかれましては、本方針についてご理解・ご協力を賜りますようお願いいたします。

森ビルグループ贈収賄防止方針

  1. 贈収賄防止のコミットメント
    森ビルグループの役員、従業員、派遣社員およびその他業務に従事するすべての者(以下、「役職員等」といいます。)は、直接・間接または国内外を問わず、公務員(公務員に準ずる者を含みます。以下同じ。)に対する贈賄(不正な商取引の機会および利益の獲得を目的として、金銭その他有形・無形の利益について、申し入れ・約束・提供をする行為をいいます。)をはじめとするあらゆる贈収賄に一切関与せず、贈収賄防止に関する各国の法令を遵守します。なお、贈賄には、ファシリテーションペイメント(通常の行政サービスにかかる手続の円滑化を目的とした公務員への少額の支払のことをいいます。)も含まれます。
  2. 贈収賄防止体制の整備と有効性確保に向けた取組み
    森ビルグループは、役職員等による贈収賄を防止し、贈収賄に関する各国の法令を遵守するため以下のとおり体制を整備し、適切に運用するとともに、定期的に有効性を評価し、見直します。
    • (1)リスクアセスメント
    • 贈収賄に関するリスクアセスメントを実施することにより、事業内容を踏まえたリスク領域およびリスク内容を把握・分析し、各リスクの程度に応じて適切に対応します。
    • リスクアセスメントを通じて把握したリスク領域、リスク内容およびリスク対応については、定期的に見直しを行います。
    • (2)デューデリジェンスの実施
    • 取引が新規のものであるか既存のものであるかを問わず、取引先および取引先との取引に介在する第三者に関し、必要に応じて、贈収賄リスクに関する調査を行い、取引関係を適正に管理します。また、必要に応じて、取引先および取引先との取引に介在する第三者に贈収賄防止をご確約いただきます。
    • M&Aを実施する際には、事前に対象会社の贈収賄リスクについて評価を行い、評価結果に応じて適切に対応します。また、M&A実施後は、対象会社について内部統制の整備等を実施し、贈収賄防止の徹底を図ります。
    • (3)会計記録の管理
    • 全ての取引および資産の処分について、会計記録を正確に作成し、保管します。
    • (4)教育・研修
    • 役職員等に対して本方針を周知徹底し、贈収賄防止に関する教育・研修を実施します。
    • (5)懲戒
    • 役職員等が本方針、贈収賄に関する社内規程または贈収賄に関する各国の法令に違反した場合には、当該役職員等の役職を問わず、定められた手続に則った懲戒処分を行います。
    • (6)モニタリング体制の整備
    • 贈収賄防止体制とその運用について、所管部門により有効性に関するモニタリングを適時に実施し、継続的に改善します。
    • (7)組織体制の整備
    • 贈収賄防止を含むコンプライアンスを統括する責任と権限を有する統括責任者(以下、「チーフ・コンプライアンス・オフィサー」といいます。)を設置します。
    • チーフ・コンプライアンス・オフィサーは、コンプライアンスの推進状況を取締役会、監査役会およびコンプライアンス委員会に適時に報告します。
    • 関係部門および森ビルグループ会社の現地拠点にコンプライアンス責任者・担当者等を配置し、関係部門および森ビルグループ会社の現地拠点においてコンプライアンス体制を構築・運用させます。また、チーフ・コンプライアンス・オフィサーは、その活動を支援するとともに、関係部門および森ビルグループ会社の現地拠点から適宜コンプライアンスの推進状況および問題が生じた場合にはその問題について報告を受けます。
    • (8)内部通報制度の整備
    • 贈収賄を含むコンプライアンス違反について匿名で通報できる内部通報窓口を社内外に設置し、違反行為の早期発見と是正に努めるとともに、これらの通報等の内容を適切に記録し保管します。
    • (9)有事対応
    • 贈収賄およびその疑いがある行為を把握した場合には、必要な調査を迅速に行い、適切に対応します。また、これらの調査等の内容を記録し保管します。
    • 不正行為が発生した場合には、その原因を分析し、コンプライアンス体制の改善を含む適切な是正措置を講じるとともに、不正行為および調査結果からの教訓を教育・研修内容に反映させる等、再発防止に向けた取組みを行います。
    • (10)継続的な改善
    • 贈収賄防止に関連する取組みの継続的な改善を行います。

腐敗防止に関する取り決め

反社会的勢力との関係断絶のための取り組みとして、コンプライアンス行動規範ガイドラインにおいて反社会的勢力と一切関係を持たないこと、不当な要求に応じないこと、また反社会的勢力を利用しないこと、いかなる取引も行わないことを定めています。
また、賃貸物件の入居者、売買物件の購入者、新規の発注先、および業務委託先について、反社会的勢力に該当しないかどうかをチェックするための手順を定めるとともに、反社会的勢力に該当する疑いが生じた場合の対応フローについて定めています。