森ビル株式会社

認識と方針

認識

産業革命によるエネルギー消費構造の転換や経済活動の増加などにより、二酸化炭素(CO2)をはじめとした大気中の温室効果ガスの濃度が上昇し、地球温暖化の原因となっています。この気候変動は、異常気象や海水面の上昇などを引き起こし、人類や地球上の動植物に影響をもたらしつつあります。また、森ビルグループの事業活動においても、様々なリスクとなる可能性があります。そのような課題認識のもと、森ビルは地球温暖化を抑制して、当社の事業活動における気候変動リスクの低減はもとより、人類や地球上の動植物が生態系を維持できる環境を守り持続可能な社会を形成していくため、エネルギー消費を抑え温室効果ガスの排出を削減し、街づくり・街の運営において脱炭素に取り組んでいくことが、当社の社会的使命と考えています。

方針

当社グループは、多彩な都市機能を立体的に複合させたコンパクトシティにエネルギー効率の高い各種システムを採用し、環境効率性に優れた都市を実現します。街をトータルかつ高品質にマネジメントすることにより、都市の脱炭素化を図っていきます。具体的には、新築時の環境配慮型の最新技術の導入、エネルギーの面的利用推進、既存ビルの機能更新に伴う省エネ改修、さらに運用面ではテナントとの協働を行い、脱炭素化へ向けた取り組みを強化、継続していきます。

目標と達成状況

森ビルグループは、国(省エネ法)の努力目標や、都(条例)の義務基準の達成を目指した従来からの省エネ運用に加えて、昨今の世界や日本における脱炭素の流れを受け、当社グループの事業活動に伴う温室効果ガス排出量をスコープ1※1および2※2については2030年度に50%削減(2019年度比)、スコープ3※3については2030年度に30%削減(2019年度比)とし、2050年度までにネットゼロ、2030年度までに再生可能エネルギー電力比率を100%とするグローバル基準に則した目標を2022年5月に策定しました。
なお、具体的な達成状況は「KPIと実績データ」の項目に掲載しております。

森ビルグループ2019年度CO2排出量
森ビルグループ2019年度CO2排出量
  • 1 スコープ1:事業者自らによる温室効果ガスの直接排出(都市ガスなど燃料の燃焼)。
  • 2 スコープ2:他社から供給された電気、熱の使用に伴う間接排出。
  • 3 スコープ3:スコープ1,2以外の間接排出(事業者の活動に関連する他社の排出)。

体制(ガバナンス、リスク管理)

ガバナンス

森ビルは、サステナビリティに関する取り組みの推進は業務執行にかかわる重要事項と考えており、当社代表取締役社長が委員長を務める「サステナビリティ委員会」と、その下部委員会として「環境推進委員会」および「社会・人権推進委員会」を設置しています。

「サステナビリティ委員会」は、気候変動や人権、サプライチェーンマネジメントなどサステナビリティに関する重要事項の審議および下部委員会の監督・モニタリングを行います。また、取締役会は定期的に「サステナビリティ委員会」から報告を受け、重要事項については取締役会で審議するなど、管理・監督を行っています。

「環境推進委員会」は、環境推進部担当取締役が委員長を務め、四半期に1度、気候変動をはじめとする様々な環境問題への対応に関する横断的な取り組みの推進・管理を行うとともに、定期的に「サステナビリティ委員会」へ報告しています。

なお、気候変動にかかわるリスクと機会への対応方針の策定や温室効果ガス(GHG)排出量の目標策定などの重要事項は「サステナビリティ委員会」で審議され、「環境推進委員会」はそれらの重要事項の報告・付議や承認された方針・計画の実行(リスクと機会の特定・評価・管理を含む)を行います。

リスク管理

森ビルグループでは、気候変動リスクを含む国内外の全社的なリスク管理にかかわる課題・対応策を審議、承認する会議体として、リスク管理委員会を設置しています。委員会は原則年1回開催され、組織・制度に係る重要な方針および活動計画の決定、リスク管理の評価・分析と対応方針の承認、モニタリング方針および計画の承認などを行っています。

リスク管理規程に基づき、個々のリスクについて主管組織とその権限・責任を定め、当該部門の長がリスク管理責任者として対応方針・マニュアル整備などの任に当たっています。
リスク管理委員会のもとにリスク管理委員会事務局を設置し、同委員会のモニタリング、個別リスク主管組織のリスク管理活動支援などの役割を担っています。

イニシアティブへの参画

気候関連財務情報開示タスクフォース「TCFD」提言への賛同

TCFD

森ビルグループは、企業などが気候変動のリスクと機会を認識し経営戦略に織り込むこと、およびそれを開示することを推奨する気候関連財務情報開示タスクフォース「TCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)」の提言に賛同しています。

SBTi認定の取得(Scope1,2,3の中長期目標)

SBTi

当社グループは、温室効果ガス排出量の削減目標を、2030年度までにScope1+2を50%削減、Scope3を30%削減と設定(2019年度比)しました。2030年度の中期目標については、パリ協定※1と整合し、科学的根拠に基づいた目標であるとして、2022年にSBTイニシアティブ※2により1.5℃水準の認定を取得しました。

  • 1 パリ協定:2015年にCOP21で採決された「世界の平均気温上昇を、産業革命前と比較して2℃より十分低く抑え、1.5℃に抑える努力をする」国際的な枠組み。
  • 2 SBTイニシアティブ:国連グローバル・コンパクト(UNGC)、世界自然保護基金(WWF)、CDP、世界資源研究所(WRI)による国際的イニシアティブ。

CDPへの定期報告(Scope1,2,3)

CDP

SBTの取り組みのなかで当社グループが所有・管理する全ての物件のCO2排出量の集計を行っていますが、毎年定量的なCO2排出量を集計し、当WEBサイトで開示するとともにCDPへの報告を行っています。
2023年は、気候変動分野において最高評価である「Aリスト企業」に認定されました。

また、2023年度「サプライヤー・エンゲージメント評価」(Supplier Engagement Rating Introduction)においても、最高評価にあたる「サプライヤー・エンゲージメント・リーダー」に選定されました。

RE100への加盟

RE100

当社グループは、事業活動で消費する電力を100%再生可能エネルギーで調達することを目標とする国際的なイニシアティブ「RE100」に加盟しています。2030年までの達成を目標としています。

JCLPへの加盟

JCLP

当社グループは、気候危機の回避へ速やかな脱炭素社会への移行を実現し、1.5℃目標の達成を目指す、日本の企業グループであるJCLP(日本気候リーダーズ・パートナーシップ)に加盟しています。

JCIへの加盟

JCI

当社グループは、「脱炭素化をめざす世界の最前線に日本から参加する」宣言のもと、気候変動対策に積極的に取り組む日本国内の企業や自治体、NGOなどの情報発信や意見交換を強化するためのゆるやかなネットワークである「気候変動イニシアティブ(Japan Climate Initiative)」に加盟しています。

TCFD提言に基づく気候関連の情報開示

戦略

シナリオ分析

気候変動により引き起こされる異常気象や、気候変動対策への社会要請の高まりなどが、将来的に当社に及ぼすリスクと機会を把握するとともに、現状の気候変動対策の有効性を検証し、必要に応じて将来の戦略策定に活かすことを目的としました。当社事業との関連性が高いと想定される主要なリスク・機会項目を特定し、移行シナリオ(2℃未満)および現行シナリオ(4℃)の複数のシナリオに基づく影響分析を行い、リスク・機会が発生した際の財務影響を評価しました。

なお、これまで移行シナリオは2℃未満を採用していましたが、2023年度より1.5℃のシナリオを採用し、対象範囲を全社的にしたうえでレジリエンスを再確認しました。

分析対象と前提条件

  • 地域:全社的
  • 範囲:サプライチェーン全体
  • 期間:現在から2050年

主な採用シナリオ

  • 1.5℃シナリオ:IEA※1 NZE※2(WEO※32022および2023)、NGFS※4 Net Zero 2050
  • 4℃シナリオ:IPCC※5 RCP8.5(AR6 WG1 SPM※6)、IEA STEPS※7(WEO2020および2021)
  • 1 IEA:International Energy Agency(国際エネルギー機関)
  • 2 NZE:Net-Zero Emissions by 2050 Scenario
  • 3 WEO:World Energy Outlook
  • 4 NGFS:気候変動リスクに係る金融当局ネットワーク
  • 5 IPCC:Intergovernmental Panel on Climate Change(気候変動に関する政府間パネル)
  • 6 AR6 WG1 SPM:第6次評価報告書 第1作業部会報告書 政策決定者向け要約
  • 7 STEPS:Stated Policy Scenario

分析手順

  1. TCFDの整理する気候関連リスク・機会についてディスカッションを重ね、森ビルの事業に大きな影響を与え得る要因を特定
  2. 1で特定したリスク・機会について、採用シナリオの将来予測に基づき、1.5℃および4℃シナリオ下での状況を整理・把握
  3. 2の将来予測に基づき、当社における財務影響を算出。なお、情報不足などにより定量的な算出が困難である場合には、定性的な分析を実施
  4. 3の結果への対応策を検討

リスク・機会と財務インパクト

特定したリスク・機会と財務インパクト

リスク・機会 財務インパクト 影響度※1 影響が最大化する時期※2 対応策※3
1.5℃ 4℃




政策

法規制
省エネビル基準(ZEBなど)の規制強化 ZEB・環境建築物規制などの対応のための建設コスト・修繕コスト増加 極小 中~
長期
1
カーボンプライシング(炭素税、排出量取引制度)の進行 自社の排出量への炭素税課税による操業コストの増加 中~
長期
3
4
サプライヤーへの炭素税の導入により、排出原単位の大きい原材料(鉄鋼、セメントなど)の価格が上昇し、建設コストが増加 小~中 中~
長期
6
技術 低炭素技術の開発と普及 新規技術への切り替えによる設備投資の増加 極小 中~
長期
1
市場 再エネ電力価格高騰 再エネ電力の調達コスト増加 中期 4
環境意識の高まりから省エネ性を重視しない物件選びの減少 環境性能の低い物件の需要の減少 小~中 中期 1
2
3
4
評判 気候変動対策に関するESG投資家の期待増 気候変動対策の不足・遅れによる投資家からの信頼低下と投資撤退(資金調達難) 極小~中 中~
長期
1
2
3
4





急性 自然災害・異常気象の激甚化(大雨、洪水、台風、水不足など) 洪水の激甚化・頻発化による被害額・営業停止損失額の増加 長期 5
慢性 平均気温上昇に伴い屋内での空調コストなどの増加を想定 気温上昇に伴う空調など水道光熱費の増加 長期 3
猛暑日などの異常気象の慢性化 猛暑日の増加に起因した工期の長期化による建設コストの増加 極小 長期 6

製品

サービス
環境性能の高い物件(環境認証ビル、高効率エネルギーなど)の需要拡大 サステナブル志向のテナント増による賃料上昇による売上の増加 小~中 中期 1
2
3
4
  • 1 影響度は財務影響を算定し極小~大の評価で分類している
  • 2 短期:現在~2025年、中期:~2030年、長期:~2050年
  • 3 対応策は下表を参照

特定したリスク・機会への対応策

対応策 概要
1 ZEB導入
  • 今後のビルはZEB・ZEH水準の性能を目指す
  • 全ての既存ビルはZEB化を目指した改修の検討
2 企業姿勢の表明
  • TCFD提言賛同、SBTi認定、RE100加盟
3 運営施設の低炭素化
  • 既存建築物において省エネ技術、高効率設備および再エネ導入で低炭素化を推進
4 再エネ導入目標の達成
  • 再エネの導入目標達成に向け安定的かつ安価な調達を実施
5 物件の防災力の強化
  • 最新のハザードマップや、物件や立地特性に基づく災害を想定した設計とする
  • 最新の基準(災害の想定)に従って改修工事の検討
  • 防災訓練の実施
6 工事における環境配慮の強化
  • 建設工事の低炭素化を推進
  • CO2排出量の少ない鉄鋼やセメント選定の検討
  • 建設工事の見積時にCO2排出量の提出と削減に向けた取り組み提案の提出を義務化
  • 工期短縮に向けた施工業者とのさらなる連携強化

今後、再エネ導入およびさらなる低炭素化、脱炭素化に向けた対応策を早期に実行することで、当社は、機会の最大化とリスクの低減を進め、レジリエンスの強化に努めてまいります。

中長期目標達成に向けた取り組み

目標の達成や情報開示に向けた推進体制を構築し、スコープ1および2においては、これまでの低炭素化から新たな施策も加え脱炭素化を、スコープ3については、サプライチェーン各社と協力しながら、建設時の排出量把握および削減などを、具体的なアクションプランを策定し、取り組んでまいります。

脱炭素アクションプランの策定

脱炭素社会の実現に向けて掲げた目標の達成に向け、具体的なアクションプランを策定しました。
今後は本アクションプランをもとに、森ビルグループの事業活動に伴う温室効果ガス排出量の削減に努めてまいります。

脱炭素化に向けた主な取り組み

再生可能エネルギー導入の取り組み

再生可能エネルギー電力の導入

森ビルは2019年8月より、六本木ヒルズ森タワーで希望するテナントに対し、「非化石価値取引市場」を活用した再生可能エネルギー電力の供給を業界初の取り組みとして実施し、2020年からは虎ノ門ヒルズ ビジネスタワーにおいても同様の取り組みを開始しました。独自のエネルギープラントと、これを運営する小売電気事業者を有していることから実現可能となったものですが、現在では物件全体(共用部、専有部(ただし住戸除く)すべて)に再生可能エネルギー電力の供給を行っています。「麻布台ヒルズ(住宅専有部含む全街区)」および「虎ノ門ヒルズ ステーションタワー」「虎ノ門ヒルズ 江戸見坂テラス」「グラスロック」では、同様の仕組みを利用し、竣工時より街全体に「RE100」に対応する再生可能エネルギーの電力を100%供給しました。系統受電している物件においても、小売電気事業者からの受給電力を再エネ由来に順次切り替えております。また再エネ化した物件においては、当社独自の「エネルギーWEBシステム」を通じて入居テナントにトラッキング情報を記載した再エネ証拠書類を自動的に頒布する仕組みも導入しています。
当社は、専有部、共用部含め、物件を100%再エネ化しているため、入居するオフィステナント、商業テナント(麻布台ヒルズにおいては住居の専有部)が使用する電力も再エネ電力となり、入居テナントの脱炭素化にも貢献します。

非化石証書を活用した再エネ電力の供給(当社グループのエネルギープラント)の仕組み
非化石証書を活用した再エネ電力の供給(森ビルグループのエネルギープラント)の仕組み
麻布台ヒルズ再エネ電力供給および再エネ証書頒布システムの概念図
麻布台ヒルズ再エネ電力供給および再エネ証書頒布システムの概念図

再生可能エネルギー導入物件一覧(2024年4月時点)

  • 麻布台ヒルズ(街区全体)
  • 虎ノ門ヒルズ ステーションタワー
  • 虎ノ門ヒルズ 森タワー
  • 虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー
  • 虎ノ門ヒルズ 江戸見坂テラス
  • グラスロック
  • 六本木ヒルズ森タワー
  • 六本木ヒルズゲートタワー
  • 六本木ヒルズノースタワー
  • アーク森ビル
  • アークヒルズ 仙石山森タワー
  • アークヒルズ サウスタワー
  • 愛宕グリーンヒルズMORIタワー
  • オランダヒルズ森タワー
  • けやき坂コンプレックス
  • グランド ハイアット 東京
  • 新虎通りCORE
  • 赤坂溜池タワー
  • 後楽森ビル
  • 平河町森タワー
  • けやき坂テラス
  • 虎ノ門35森ビル
  • 巴町アネックス2号館
  • 赤坂2丁目アネックス
  • 西麻布アネックス
  • 住宅については共用部のみが対象(専有部(居室)は入居者による個別契約のため)

再生可能エネルギー発電所などの安定的な確保

将来における再エネ電力の安定的な確保を見据え、電力会社や再エネ開発事業者など幅広い事業者と連携・提携し、様々な手法を用いて太陽光や風力などの再エネ発電所の取得や再エネ発電所由来の電力調達を図っていきます。

再生可能エネルギー発電所(2024年4月時点)

森ビルグループは、自ら用いる電力および物件を通じてテナントに供給する電力について再エネ化を進めています。そのための再エネ電力・環境価値の取得について、他社や市場から調達するだけでなく、一部自らアセットを所有することで、長期安定的な需給の形を目指しています。このように、需要家自らが再エネ発電所を増やしていく動きは、「追加性」のある取り組みとして、脱炭素化に向けて非常に重要な社会的意義があるといわれています。当社は、地域の理解を得て、また地域や社会課題の解決も図りながら、各地で太陽光発電所や風力発電所などを開発し、当社の脱炭素化およびサステナブルな社会の実現に貢献していきます。

太陽光発電所:森ビル筑西市桑山営農型太陽光発電所

荒廃リスクのあった農地で、農業の維持継続と太陽光発電の両立を図っている発電所です。発電した電力はオフサイトPPAの形で虎ノ門ヒルズ 森タワーに供給されています。災害時などには地域に一部電力が開放されるほか、農作物の収穫体験などを通じ、地域と都心をつなぐ施策も実施していきます。

森ビル筑西市桑山営農型太陽光発電所
森ビル筑西市桑山営農型太陽光発電所
  • 場所:茨城県筑西市桑山
  • 敷地面積:約1.9ha
  • パネル容量:約2.2MW
  • 連系容量:約1.7MW
  • 運転開始:2024年2月13日

エネルギーの面的利用の取り組み

エネルギー密度が高く様々な用途が集積される都心の開発において、地域レベルでエネルギーをネットワーク化し面的利用を推進することで、エネルギー効率の向上と災害時のエネルギーセキュリティ向上を同時に実現しています。

アークヒルズ熱供給

アークヒルズ周辺では、森ビルが管理するエリアに留まらず、近隣の開発と連携し、継続的に熱供給のエネルギーネットワークを拡大し、エリア全体でのさらなる効率化を図っています。

アークヒルズ熱供給 連携範囲
アークヒルズ熱供給 連携範囲

六本木エネルギーサービス

六本木ヒルズでは六本木ヒルズ森タワーの地下に設置されたエネルギーセンター(六本木エネルギーサービス株式会社)からのエネルギー面的利用を行っています。大規模ガスコージェネレーションシステムにより電気を製造し、発電時の排熱により蒸気を発生させ、冷暖房に利用しています。多様な用途が混在する六本木ヒルズでは、1日を通じて電気・熱の需要があり、エネルギー需要が平準化されることから、高いエネルギー効率が実現されます。また、2015年から2017年にかけ、テナント需要の変化への対応や設備更新を主な目的とし、ガスタービン発電機からガスエンジン発電機への全面リニューアルを行い、現在約76%の高いエネルギー効率を実現しています。

虎ノ門エネルギーネットワーク

麻布台ヒルズエリア、虎ノ門ヒルズエリアには、エネルギーを街に供給する高効率エネルギーセンター(虎ノ門エネルギーネットワーク株式会社)を設置し、エネルギーの面的供給を行っています。麻布台ヒルズエリア、虎ノ門ヒルズ内にあるオフィスや住宅、ホテルなどで使用傾向が異なる複合用途を集積させることで使用するエネルギーが平準化され、正しく制御することでより高効率にエネルギーを使用することができます。さらに、エネルギーセンターではAIを導入し効率的な制御を実施するほか、エリアの下水熱などの未利用エネルギーの有効利用も図っています。

麻布台ヒルズエリア
麻布台ヒルズエリア
虎ノ門ヒルズエリア
虎ノ門ヒルズエリア
下水熱利用システム
下水熱利用システム
統合EMSイメージ図
統合EMSイメージ図

テナントとの取り組み

グリーンリース条項の新設

森ビルは、オフィスビルの賃貸借契約において、グリーンリース条項を新設し順次導入しています。テナントの皆様とともに、より一層環境に配慮した施設運営に取り組んでいきます。

温暖化対策協議会

温暖化対策協議会の様子
温暖化対策協議会の様子

一般的に、オフィスビルにおけるエネルギーの6割は専有部で使われるエネルギーで、またその内の7割は入居テナントが直接利用する照明やコンセントの使用によるものといわれています。ビルの効率的な省エネルギーにはテナントの皆様の協力が大切と考えており、テナントの皆様と協力して省エネルギーを進めるため、年に1回、各ビルで温暖化対策協議会を行い、省エネへのご協力のお願いや省エネ事例の共有などを行っています。

テナントエネルギーWEBシステム

森ビルグループは、ビルに入居するテナントごとのエネルギー使用量を「見える化」する「テナントエネルギーWEBシステム」を開発し、テナントにご利用いただいています。WEBサービスである当システムは入居する全テナントが閲覧可能で、自らのエネルギー消費の傾向や、省エネ努力の結果を数値やグラフで容易に確認することができ、具体的な省エネ・節電対策につなげることが可能です。

エネルギーWEBシステム画面イメージ
エネルギーWEBシステム画面イメージ

環境情報の配信

配信画面イメージ
配信画面イメージ

街中のモニターでビル全体のCO2排出量、時間ごとの電気使用量などの環境情報を配信することでビルの状況を共有し、テナントとともに省エネや節電に取り組んでいます。

最新の事例(虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー)

需給連携による省CO2への取り組み

ビルの電力・熱デマンドをトリガーとし、あらかじめテナントにて設定された制御内容を電力抑制時に共用部制御と連携し自動実行するシステムを構築しました。これによりビル全体の電気・熱需要抑制を実現するとともに、エネルギーセンター供給エリア全体最適化にも寄与します。なお、テナントは逐次テナントエネルギーWEBシステムにより専用部の実施状況を確認することもできます。

需給連携のしくみ
拡大して見る:需給連携のしくみ

テナントデマンドレスポンス

(1)テナント(2)ビルオーナー(3)エネルギーセンターの3者が連携し、デマンドレスポンス制御(電気、熱ピーク抑制)と通常時省エネ制御を実施し、需給連動による高度エネルギーマネジメントを行っています。デマンドレスポンス実施時のテナントインセンティブの仕組みも構築しました。

3者連携デマンドレスポンスのイメージ
3者連携デマンドレスポンスのイメージ

テナントBELSと実績値開示システム

テナント専用部分についてもBELS認証を取得しました。ビル性能を表すBELSの値とテナントの実際の使用量を比べることで、テナントの省エネ意識の向上につなげています。

テナントBELS開示イメージ
テナントBELS開示イメージ

KPIと実績データ

バウンダリ(算定対象範囲)

バウンダリ1(GHGプロトコル準拠、SBTi認定)

  2019年度
(基準年)
2020年度 2021年度 2022年度
グループ会社数※1 20社 22社 22社 22社
延べ床面積(m²)(ただし、以下●の合計) 2,727,026 2,727,026 2,781,856 2,781,856
対象施設数 77 77 78 147
国内 ●大規模複合※2 2 2 2 2
●オフィス・住宅複合 2 2 2 2
●オフィス 39 39 39 39
●商業施設 10 10 10 10
●ホテル 1 1 1 1
●集合住宅(共用部) 14 14 15 15
エネルギー供給施設 3 3 3 3
●ゴルフリゾート 2 2 2 2
●その他※3 2 2 2 2
開発用小規模物件※4 69
海外 ●大規模複合 1 1 1 1
●オフィス 1 1 1 1
  • 1 森ビルおよび森ビルの連結子会社が対象
  • 2 大規模複合の基準は、オフィス、商業施設、カンファレンス、ホテル、展望施設などの内、3用途以上かつ延べ床面積5万m²以上とした
  • 3 その他は学校用途および町会施設など
  • 4 開発用小規模物件は、将来的な開発のために一時的に所有・運用する物件

バウンダリ2(省エネ法・森ビル株式会社報告分)

  2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
延べ床面積(m²) 314,516 313,015 315,010 333,480
対象物件棟数 96 96 93 122
  • 森ビル所有物件(区分所有、共有の場合、面積は持分按分)
  • 以下のビルはビル1棟単位で各所有者より省エネ法の報告を行っております
    六本木ヒルズ、アーク森ビル、虎ノ門ヒルズ 森タワー、愛宕グリーンヒルズMORIタワー、アークヒルズ 仙石山森タワー、アークヒルズ サウスタワー、赤坂溜池タワー、後楽森ビル
  • 2022年度より新たにエネルギー量を捉えられた物件を追加しております

バウンダリ3(東京都条例・森ビル株式会社報告分)

  2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
延べ床面積(m²) 300,789 320,949 317,004 347,999
対象物件棟数 34 32 32 35
  • 森ビルの報告義務物件・範囲
  • 以下のビルはビル1棟単位で各所有者より都条例の大規模事業所の報告を行っております
    六本木ヒルズ(六本木ヒルズ森タワー・グランド ハイアット 東京・けやき坂コンプレックス)、アーク森ビル、虎ノ門ヒルズ 森タワー、愛宕グリーンヒルズMORIタワー、アークヒルズ 仙石山森タワー、アークヒルズ サウスタワー、赤坂溜池タワー、後楽森ビル、表参道ヒルズ、ハリウッドビューティプラザ、六本木ファーストビル、パレットタウンウエストモール
  • 2021年度の延べ床面積の集計に誤りがあり、数値を修正しました(2023年10月)

温室効果ガス排出量(GHGプロトコル準拠、SBTi認定)KPI・実績データ

温室効果ガス排出量(Scope1,2,3)

長期目標 中期目標 スコープ 2019年度
(t-CO2)
2020年度
(t-CO2)
2021年度
(t-CO2)
2022年度
(t-CO2)
2050年までにネットゼロ 2030年度までにScope1・2:▲50%(2019年度比) Scope1 95,167 87,495 98,369 100,603
Scope2 160,816 153,032 121,437 106,583
Scope1+2 255,983 240,527
▲6.0%
219,806
▲14.1%
207,185
▲19.1%
Scope3:▲30%(2019年度比) Scope3 427,598 391,146
▲8.5%
202,489
▲52.6%
  • 対象バウンダリ1
  • 端数処理の関係で合計と内訳の計は必ずしも一致しない場合があります

【参考】主要なエネルギー需要施設における温室効果ガス排出量(Scope1,2)

スコープ 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
Scope1(t-CO2) 17,454 17,282 17,344 16,053
Scope2(t-CO2) 229,346 213,244 182,329 151,408
対象物件数 71 71 72 72
対象延べ床面積(m²) 2,727,026 2,727,026 2,781,856 2,781,856
排出原単位(kg-CO2/m²) 90.5 85.5 71.8 60.2
  • エネルギー供給施設における非化石証書調達分は再エネ電力とみなした
  • 対象バウンダリ1(●対象)
  • 森ビルグループの主要なエネルギー需要施設のみ抜粋した温室効果ガス排出量
  • エネルギー需要施設における調達ガス、調達電気、調達熱にて温室効果ガスを計算
参考:エネルギー供給概念図

温室効果ガス排出量(Scope3内訳)

Scope3 カテゴリ 2019年度
(t-CO2)
2020年度
(t-CO2)
2021年度
(t-CO2)
2022年度
(t-CO2)
1.購入した製品の製造・サービス 141,826 81,613 65,172
2.資本財 212,183 231,801 45,206
3.燃料およびエネルギー関連活動
(スコープ1、2に含まれないもの)
41,344 42,070 41,501
4.輸送、流通(上流) 12,150 464 994
5.事業から出る廃棄物 8,835 6,351 5,610
6.出張 471 506 590
7.従業員の通勤 1,025 904 893
8.リース資産(上流)
9.輸送、流通(下流)
10.販売した製品の加工
11.販売した製品の使用 4,505 20,062 33,451
12.販売した製品の廃棄 180 637 1,079
13.リース資産(下流) 5,080 6,738 7,993
14.フランチャイズ
15.投資
合計 427,598 391,146 202,489
  • 対象バウンダリ1

スコープ1におけるGHGタイプの内訳

GHGタイプ 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
温室効果ガス排出量(Scope1) 排出量(t-CO2) 95,167 84,405 98,369 100,603
割合(%) 100 100 100 100
CO2:二酸化炭素 排出量(t-CO2) 95,167 84,405 98,104 100,363
割合(%) 100 100 99.7 99.8
CH4:メタン 排出量(t-CO2) 0 0 0 16
割合(%) 0 0 0 0.02
N2O:一酸化二窒素 排出量(t-CO2) 0 0 0 6
割合(%) 0 0 0 0.01
HFCs:ハイドロフルオロカーボン 排出量(t-CO2) 0 0 265 219
割合(%) 0 0 0.3 0.22
PFCs:パーフルオロカーボン 排出量(t-CO2) 0 0 0 0
割合(%) 0 0 0 0
SF6:六フッ化硫黄 排出量(t-CO2) 0 0 0 0
割合(%) 0 0 0 0
その他 排出量(t-CO2) 0 0 0 0
割合(%) 0 0 0 0
  • 対象バウンダリ1

第三者独立検証

森ビルグループは、LRQAリミテッドより環境関連データの一部につき保証を取得しています。

再生可能エネルギー電力 KPI・実績データ

RE100進捗状況(当社グループが外部から調達する電力(オンサイト太陽光含む)の再エネ導入率)

スコープ 目標 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2030年
(目標)
電力使用量(MWh) 2030年度までに100% 277,861 263,214
再エネ電力量(MWh) 3,676 27,575
再エネ使用率 1.3% 10.5% 100%
  • 対象バウンダリ1

需要ビル(当社グループのエネルギー供給会社から電力供給を受けるビル含む)における再エネ導入進捗状況

スコープ 目標 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2030年度
(目標)
電力使用量(MWh) 2030年度までに100% 391,259 371,537 378,781 339,311
再エネ電力量(MWh) 5,049 7,497 9,114 61,486
再エネ使用率 1.3% 2.0% 2.4% 18.1% 100%
  • 対象バウンダリ1の需要施設における需給電力量および再エネ電力量(当社グループエネルギー供給施設からの電力についても非化石証書利用分を再エネとみなした場合)

1次エネルギー消費量(省エネ法・森ビル株式会社報告分)KPI・実績データ

スコープ 目標 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
エネルギー使用量(kL) 11,651 10,271 10,229 9,204
エネルギー使用原単位(kL/m²) 年間1%削減 0.03070 0.03281 0.03247 0.02760
対前年度削減率(%) ▲6.9 1.0 ▲15.0
  • 対象バウンダリ2

温室効果ガス排出量(東京都環境確保条例・森ビル株式会社報告分)KPI・実績データ

スコープ 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
CO2原単位(kg-CO2/m²) 80.6 67.3 69.6 68.4
対前年度比率(%) ▲16.5 3.4 ▲1.7

温室効果ガス排出量(港区地球温暖化対策報告書制度)・実績データ

「港区地球温暖化対策報告書制度」に基づく既存建築物の二酸化炭素排出量およびエネルギー使用量などの報告制度の実績は、東京都港区ウェブサイトをご確認ください。