森ビル株式会社

コンセプト

建設地は、上海市浦東新区の中でも、アジアの国際金融センターと目されている陸家嘴金融貿易中心区に位置し世界有数の高さを誇る金茂大厦に隣接する街区30,000m²。同地区の中心を走る幅100mの基幹道路、世紀大道に面し、100,000m²の中央緑地公園を望む最高の立地です。
同地域では、すでに多くの超高層ビルが立ち並び、国内外の主要銀行をはじめ証券取引所、各種商品取引所、商社などが集積したビジネスエリアとして日に日に整備が進んでいます。またホテル、高級住宅の他アメニティ施設も次々と建築され、魅力的な街へと確実に変貌しつつあります。
また浦東地区の交通インフラも急速に整備が進んでいます。国際的なハブ空港である浦東国際空港が順調にスタートし、空港と都心部を結ぶリニアモーターカーも運転を開始しました。また浦西地区との交通アクセスも強化されています。
ここに、世界最高水準の国際金融センター機能を中心に世界一の高さとなる展望台、世界中から人々が集う商業施設やフォーラム施設、最高級ホテルなどを擁し、上海におけるビジネス、文化、エンターテイメントの一大拠点となることを目指します。
建築デザインには、超高層建築で世界的に評価の高いニューヨークの設計事務所コーン・ぺダーセン・フォックスアソシエイツ(KPF)を起用し、斬新でシンボリックなデザインを採用しました。

開発経緯

1990年に上海・浦東地区の改革開放が宣言された後は、従来からの上海の市街地であった浦西(ほせい)地区の対岸にあたる浦東地区において、全く新しい都市づくりが始められました。森ビルでは1993年に初めて上海における事業展開の検討を開始し、その浦東地区の開発計画に注目。この地に新しい金融センターにふさわしいオフィスビルを建設することを計画しました。
当時専務だった故森稔が、初めて中国を訪れたのは1992年。上海は北京よりも活気にあふれていて、街全体が沸きかえっていました。
まず1995年に上海での初めてのプロジェクトとなる上海森茂国際大厦(現HSBCタワー)の建設を開始し、1998年に竣工しました。テナントとしては日本の金融機関・商社を中心に、欧米系金融機関も多数入居しました。特に上海の外資系金融機関としてトップの地位にあるHSBC(香港上海銀行グループ)がここに中国本部を構えたことで、日本企業だけでなく欧米企業にも広くその名が知られることとなりました。
一方、上海環球金融中心については当初1997年に着工しましたが、その頃発生したアジア経済危機を背景に、地下の杭工事を完了したところで一旦工事を中断。その後国際的な金融機関の求める最新のスペックに対応すべく設計の見直しを行ない2003年に工事を再開。これまでの開発、運営ノウハウを生かし、上海環球金融中心が誕生いたしました。

1990年の浦東地区
1990年の浦東地区
2008年の浦東地区
2008年の浦東地区
1990年の陸家嘴中心緑地
1990年の陸家嘴中心緑地
2007年の陸家嘴中心緑地
2007年の陸家嘴中心緑地
  • 開発経緯年表
  • 1994年:土地使用権譲渡契約締結
  • 1995年:中国法人上海環球金融中心有限公司設立
  • 1996年:方案設計「上海環球金融中心設計方案批複」受領
  • 1997年:拡大初歩設計「上海環球金融中心拡大初歩設計批複」受領
  • 1997年:鋼管打設工事開始
  • 1998年:鋼管杭(2,000本)および構真柱(199本)打設完了
  • 2003年:再起工式
  • 2008年:竣工