森ビル株式会社

コンセプト

歴史や文化を育んだ地、港区愛宕山。寺院が守り続けてきた“杜(もり)”を舞台に、職住近接の思想を具現する都市空間が、愛宕グリーンヒルズです。敷地には、オフィス、住宅、ライフサービス、レストラン、カフェを有機的に配置。その他にも青松寺、文化博物館など、文化的建造物と深き森がバランスよく共生する環境があります。
愛宕山の自然、伝統、文化と融合するオフィスと住宅のツインタワーは荘厳な気配を漂わせる青松寺の伽藍を挟むかたちで配置され、現代の山門のようにそびえています。蓮の花を模したシンボリックな外観は、世界的な建築家シーザー・ペリ氏が手掛けました。
古きものと新しきものの美意識を共存させたこの都市は、東京の新しい景観を創造します。

愛宕グリーンヒルズ鳥瞰
愛宕グリーンヒルズ鳥瞰
ツインタワーと青松寺
ツインタワーと青松寺

2003年には、不動産業界において国際的に最も権威があるとされている「ULI Awards for Excellence」において国内プロジェクト初の栄誉に輝いています。

  • 「ULI Awards for Excellence」受賞の主な理由
  • 敷地を一体化して建物を集約、超高層化することで、大きなオープンスペースを創出し、環境面でも優れた「垂直緑園都市」を実現
  • 伝統ある寺院と最先端の超高層ビルが融合しデザイン性に優れた都市資産として整備
  • 都市計画公園に指定された愛宕山の既存樹木を保全し、周辺のオープンスペースとともに空地の50%を緑化し都市緑化を推進
  • 最新の耐震技術に加え、24時間バイリンガルのフロントサービス、居住者のためのスパや慈恵大学病院と連携した健康相談室を備え、安全で快適な都市居住環境を提供
  • オフィス・住宅ともに高稼働率かつ都内最高水準の賃料を維持する安定した運営

開発経緯

2001年に完成した愛宕グリーンヒルズは、アークヒルズの開発理念を受け継ぎ、建物を高層化することでオープンスペースを生み出し、都市の中で「職住近接」を実現させた複合開発であり、六本木ヒルズに至るステップとしても位置づけられたプロジェクトです。
愛宕グリーンヒルズの開発地域である愛宕山は、桜などの豊かな緑に恵まれ、江戸時代から眺望を愉しむ名所として親しまれてきました。山頂には放送発祥の地であるNHK放送博物館や、愛宕神社があり、500年以上の歴史をもつ由緒ある青松寺をはじめとして、清岸院、傅叟院といった寺院があり、文化的・歴史的にも都市の中では貴重な場所として魅力的な都心市街地の形成に資するポテンシャルを持った地域です。

愛宕グリーンヒルズ開発前の様子
愛宕グリーンヒルズ開発前の様子
愛宕グリーンヒルズ開発後の様子
愛宕グリーンヒルズ開発後の様子

約19年前、周辺の個々の建替えが行われることにより由緒ある寺院のたたずまいや愛宕山が隠れてしまうことを危惧した青松寺から、森ビルが相談を受けたことが、このプロジェクトの始まりです。結果的には約70軒以上の権利者の敷地を統合し、青松寺、傅叟院、清岸院、日本放送協会(NHK)、光文社他3者と森ビルとの共同事業にて進めることとなり、1998年に愛宕地区再開発地区計画として都市計画決定を受けました。
「愛宕山の既存の地形と緑を保全し、都心の貴重な景観資源として活用するとともに、定住人口を回復し防災上安全で、快適なまちづくりをめざす」ことを開発の基本コンセプトとし、愛宕山や寺院に対する歴史的景観との融合が課題となりました。
開発街区は、愛宕MORIタワー・プラザ・清岸院・光文社を含む主に業務機能を集約して再配置されたA地区、愛宕フォレストタワー・傅叟院・愛宕山エレベーターを含む主に居住機能を集約して再配置されたB地区、再構築される青松寺をC街区、既存のNHK放送博物館をD街区として4つの地区に位置づけています。
建物の配置計画としては、愛宕MORIタワー、愛宕フォレストタワーは、隣棟間隔を大きく開放して配置し、敷地の約半分のオープンスペースを確保し愛宕山の緑を修復しています。シーザー・ペリ氏のデザインした2本のタワーは、景観上も圧迫感を緩和し、愛宕山を示すランドマークとなっています。

  • 開発経緯年表
  • 1996年:港区「愛宕山周辺街づくり基本方針策定調査」
  • 1998年:都市計画決定告示
  • 1999年:着工
  • 2001年:竣工