東日本大震災以降、政府、東京電力の一連の動きを受け、森ビルでもテナントの皆様の協力を仰ぎながら様々な節電対応を行ってまいりました。
この度、政府が夏期期間における最大電力使用量抑制に向けた数値目標を一律15%に決定したことをうけ、森ビルが管理・運営する約80棟の施設において、電力対策自主行動計画を策定しました。

1)震災直後の対応

3月12日~:景観・装飾照明、商業施設営業時間の短縮を実施
3月14日~:その他共用部分の節電実施(PDF)
3月14日:「省電力対策」策定、各ビルにて順次実施
3月15日:六本木ヒルズ電力施設より東京電力への供給を決定、東京電力へ打診、18日より供給開始
4月中旬以降:夏季に向け社内節電対策会議を組織

2)夏期の節電対策に向けての電力対策自主行動計画

森ビルが管理・運営する約80棟の施設において、今夏に向けた東京電力管内の大規模停電回避を図るため、
・500Kw以上の大口需要家において17%(法的義務15%+努力目標2%)
・500Kw未満の小口需要家において15%以上の節電を目標
とする電力対策自主行動計画を策定することといたしました。
また、特定電気事業所により独自にエネルギーを行っているため法的制限のかからない六本木ヒルズにおいても、15%の節電を目標(ホテルは10%)とし、節電による削減分を東京電力へ常に融通できるよう準備しておくことといたしました。

■ 500kW以上(法的義務あり)
 目標削減率:17%(法的義務15%+努力目標2%)
 対象ビル数:23棟
 昨年度最大使用電力:約44,000kW
 削減する電力:約7,480kW

■ 500kW未満
 目標削減率:15%以上
 棟数:59棟
 昨年度最大使用電力:約8,500kW
 削減する電力:約1,275kW以上

■ 六本木ヒルズ ※特定電気事業所により独自にエネルギー供給を行っているため法的制限なし
 目標削減率:15%(ホテル施設は10%)
 棟数:7棟
 昨年度最大使用電力:約21,000kW
 削減する電力:約3,150kW ⇒ 削減電力を東京電力へ供給

3)使用電力削減のための具体的方策

オフィスビルや商業ビルでは、エネルギー使用量のうち6~8割が入居テナント様の利用分にあたります。このため森ビルでは、MORI WORKING LABやその他の自社執務室内で自ら実行してきた節電対策を、ノウハウとしてテナントの皆様に共有すると同時に、ビル毎に節電対策項目およびその削減率を洗い出し、具体的な取り組み項目として節電のご協力を働きかけています。

左)エレベーターホールの一部減灯、右)水景設備の停止

左)エスカレータの一部停止、右)専有部の半灯

共用部での取組み

(1)照明設備に関する対策
 ・基準階共用部(廊下)照明の減灯
 ・階段附室照明の減灯
 ・共用部分(基準階、階段、駐車場以外)の更なる減灯
 ・バックヤード照明の更なる減灯・消灯
 ・駐車場照明の更なる減灯
 ・景観・装飾照明の間引き・休止
 ・店舗看板・サイン照明の間引き・休止

(2)熱源・空調・換気設備に関する対策
 ・空調調機送風機動力の低減
 ・熱源機器、ターボ冷凍機、ポンプ等の運転抑制
 ・不要換気ファンの停止
 ・駐車場排気ファン停止
 ・共用部空調設定温度の緩和

(3)エレベーター等動力に関する対策
 ・エレベーター運転台数の削減
 ・エスカレータ運転台数の削減
 ・水景設備の一部休止

専有部での取組み

(1)テナント(オフィス・商業施設)に協力を要請する対策
 ・照明の半灯
 ・窓際照明の昼光利用による消灯
 ・お昼休み時間帯の全消灯
 ・サーバールームを含む個別空調設定温度の緩和
 ・長時間離席時のOA機器電源OFFまたはスタンバイモードの徹底

4)外部からも注目を集める当社の節電取組

電力の大消費者である大規模事業所における省エネチューニング等の運用改善分野で、先進的な経験を持つ専門家、実際に効果をあげた企業の事例として、東京都環境局が主催するセミナーでも当社の環境推進室が講演を行うなど、当社が持つノウハウを共有しています。
セミナー資料(PDF)

森ビルが提案する節電対策

  1. オフィスレイアウトの工夫が消費電力43%削減に貢献「MORI WORKING LAB」
  2. 森ビルの節電対応
  3. 「消費エネルギーの見える化」で省エネ・節電対策
  4. 街づくりにおける省エネのトップランナーとして:六本木エネルギーサービスほか