森ビルは、「逃げ出す街から逃げ込める街へ」のコンセプトのもと、災害に強い安全・安心の街、開発地域のみならず周辺地域への貢献も果たす防災拠点を目指し、ハード、ソフトの両面にわたる様々な対策を講じています。
森ビルの安全・安心の取組みをご紹介いたします。

虎ノ門・六本木地区第一種市街地再開発事業:都市ガスの非常用発電機

今年8月に完成する「虎ノ門・六本木地区第一種市街地再開発事業」では、安全・安心な街を目指し、災害に強い都市ガスの非常用発電機を採用して事業継続性を高めています。

3月11日に発生した東日本大震災を受け、電力不足の懸念と企業の事業継続計画(BCP)への意識が高まっています。
当社が、2011年4月下旬~5月中旬に行った「東日本大震災後のオフィスニーズとBCPに関する意識調査」でも、震災前は35%だったBCP策定割合が、震災に伴い8割に倍増する見込みで、入居ビル選定基準の内容も震災前後で「非常用発電機の有無」に関しても38%→51%と大きな変化が表れています。

「虎ノ門・六本木地区第一種市街地再開発事業」では、都市機能の維持と入居企業の事業継続性を高めるため、停電時に都市ガス(中圧ガス)による自家発電で電力を供給し、入居企業の通常業務を継続可能とする非常用発電システムを導入しています。
従来の一般的なオフィスビルにおける非常用発電設備の電力供給は、避難用照明や換気、消火設備などの保安負荷のみを対象としますが、当非常用発電システムでは、オフィス執務室内のOAコンセントや照明、空調など専用部への電力供給も含め、ビル全体の想定最大使用電力の約85%を供給可能となります。
当システムは、災害に強い中圧導管による都市ガスを利用しており、さらに、重油貯蔵タンクの増強により同量の電力供給を継続、2重のバックアップにより入居企業の安定的かつ継続的な事業活動を強力にサポートします。
中圧ガス導管によるガス供給ネットワークは、阪神大震災や東日本大震災においても災害に対する強さが実証されており(※)、供給能力に高い信頼性を誇ります。
※ガス管は丈夫で伸びのある材料を使用し、接合にも特殊な溶接を用いているため地震等で折れ曲がっても損傷を受けません。

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電源供給の仕組み

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非常用発電機は地下4階に設置

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虎ノ門・六本木地区第一種市街地再開発事業(現況写真)

ニュースリリース:
 緑の生活都心「虎ノ門・六本木地区第一種市街地再開発事業」上棟
 東日本大震災後のオフィスニーズとBCPに関する意識調査
プロジェクト:虎ノ門・六本木地区
安全への取組み

安全特集
1)非常時は災害に強い都市ガスで発電。事業継続性を高める
2)帰宅困難者の受入れで港区と協定締結
3)超高層ビルの耐震設備やエネルギー供給など六本木ヒルズを支える裏側を特別公開
4)震災時の事業継続計画(BCP)における新たなソリューションとしての「震災対策フライトプラン」
5)六本木ヒルズ震災訓練に、住民やワーカーなど、開催以来最多の約900名が参加されました