森ビルが主導し、民間による日本初の大規模市街地再開発事業として1986年に誕生した「アークヒルズ」が、3月31日に開業30周年を迎えます。

「職住近接」「都市と自然との共生」「文化発信」など、当社の都市づくりの理念を「ヴァーティカル・ガーデンシティ(立体緑園都市)」によって具現化したアークヒルズは、まさに森ビルの都市づくりの原点であり、“ヒルズ”の原点でもあります。その都市づくりは、後に誕生した六本木ヒルズ、表参道ヒルズ、上海環球金融中心、虎ノ門ヒルズなど、当社の大規模複合再開発に受け継がれています。

オフィス、住宅、コンサートホール、ホテル、放送局、オープンスペース、庭園など、多彩な都市機能を融合させたコンパクトシティ「アークヒルズ」の誕生は、この年の「新語・流行語大賞(新語部門・表現賞)」も受賞するなど、当時、国際化・情報化時代に対応する「24時間型複合都市」として社会に大きなインパクトを与えました。

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屋上も積極的に緑化され
都心とは思えない豊かな緑も魅力のアークヒルズ

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毎週土曜日朝に開催されるヒルズマルシェは
地域のコミュニティの場として定着

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都心のお花見スポットとして多くの人を
楽しませてくれる桜並木は30年で大きく成長

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緑を活用したキッズコミュニティも充実
 

 

アークヒルズで実現した都市づくりにおける様々な革新と挑戦

■ビジネスシティとして創出した新たな価値:30年間で東京を代表するビジネスエリアに成長
約900坪の大規模なフロアプレート、高い耐震性やセキュリティ、情報化時代に対応した設備など、日本のハイグレードオフィスの先駆けとなったアーク森ビル(オフィス棟)は、当時、日本進出をし始めた外資系金融機関が数多く入居し、東京を代表する国際金融センターの顔となりました。
以降、その時代を代表する企業や時代を切り拓く企業が拠点を構え、近年は成長著しいベンチャー企業やインキュベーション機能を持つ企業が集積しつつあります。
アークヒルズを含む周辺エリア一帯の大規模オフィスビルのストックは、この30年間で約2倍※に増加。アークヒルズ開業を機に、東京を代表するビジネスエリアのひとつへと成長しました。
※当社調べ。大街区エリアの大規模オフィスビルストックは1986年614,300㎡に対し、2015年1,248200㎡

■職住近接のライフスタイルを提案した国際水準のレジデンス
住宅棟「アークタワーズ」は、ハイグレードな住環境、サービスアパートメント、24時間バイリンガル対応のサービスを提供するなど、職住近接のライフスタイルを世の中に提案し、国際水準の賃貸マンションブームの先駆に。アークヒルズを含む周辺エリアはハイグレード住宅供給エリアに成長、当時約600戸程度だったストックが、2015年度調査では約5倍の3,000戸まで拡大※しています。※当社調べ

■都市緑化・屋上緑化によって「都市と自然との共生」を実現
屋上緑化の考え方自体が一般的ではなく、法整備もなかった1986年から「都市と自然との共生」を掲げ、敷地一帯を積極的に緑化。開発当時は1.15ha(緑比率23.3%)だった緑被面積が、現在では約2倍となる2.16ha(緑比率43.53%)※へと拡大。現在も、サントリーホールの屋上をはじめ四季を感じることのできる4つの庭園や敷地の外周に配した約150本の桜並木など、「都市の生態系」を育んでいます。※2014年調査

■「サントリーホール」を核に育まれた都市の文化:エリアの重要な磁力へ
アークヒルズの文化・芸術の象徴として「世界一美しい響き」を基本コンセプトに、東京初のコンサート専用ホールとして誕生したサントリーホール。日本を代表するコンサートホールとして国内外から高い評価を得るだけでなく、コンサートを楽しむ文化そのものを根づかせました。
また、開業25周年(2011年)を機に、サントリーホールと森ビルが主催となり「アークヒルズ音楽週間」をスタート。今では周辺エリアの美術館やホテル、大使館、オフィスビルなどと連携した街の音楽祭に成長しました。サントリーホールは、このエリアを代表する文化的な磁力となっています。

■タウンマネジメントからエリアマネジメントへ
地元住民や店舗・企業と形成する「自治会」、社会人のための教育機関「アカデミーヒルズ」、豊かな緑を舞台に活動する「ヒルズガーデニングクラブ」など、アークヒルズには国際的で多様なコミュニティが数多く育まれてきました。2009年に開始した「ヒルズマルシェ」も、地域住民と生産者を繋ぐ新たな交流機会の場として定着しています。

今春、未来のイノベーションを生み出す原動力となることを目指し3つの施設、(1)世界で最も影響力のあるテクノロジーメディア「WIRED」によるリサーチ・実験の場「WIRED Lab.」、(2)本格的な工作機器によりアイデアをカタチにできる会員制工房「TechShop」、(3)今の日本を代表する独立系ベンチャーキャピタルが集うワークプレイス「KaleidoWorks」を開設します。
ここに集う、発想や志を持った人々が、アークヒルズという街を舞台に互いに交流することで、アイデアがビジネスになるサイクル(=エコシステム)が形成されることを目指します。

また、周辺エリアの住宅の供給に伴い近年増加傾向にあるファミリー層をターゲットに、新たなコミュニティ活動「アークヒルズ キッズコミュニティBASE」もスタートします。

 

開業から30年、周辺には「アークヒルズ」を冠したプロジェクトが複数誕生、アークヒルズが育んできた歴史や資産を継承しながら都市再生に取り組んでまいりました。同時に、当社が培ってきたタウンマネジメントのノウハウはエリアマネジメントへ進化、周辺事業者とも連携しながら、国際的かつ総合的な街づくりを推進しています。
今後も引き続き、アークヒルズ、六本木ヒルズ、虎ノ門ヒルズ、それぞれのエリアがもつ地域特性を活かしながら、都市を育み、繋がることで、東京の国際競争力を牽引する国際新都心を形成してまいります。