東日本大震災から5年の節目を迎えた2016年3月11日、森ビルは、六本木ヒルズ自治会との共催で「六本木ヒルズ総合震災訓練」を実施し、六本木ヒルズの住民やオフィスワーカー、近隣小学校の生徒など約900名が参加しました。
今年で13回目を迎える本震災訓練では、「街ぐるみの防災体制の整備」と「自助と共助の育成」を目的に、被災時を想定した起震車体験や心肺蘇生・AED操作、消火器を使った消火活動、応急手当などを実施。また、麻布消防署の協力のもと、傷病者の効果的な救出活動、救助要領等の大規模デモンストレーションも行いました。

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救急搬送訓練

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心肺蘇生・AED訓練

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応急処置訓練

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消防隊員によるデモンストレーション

東日本大震災以後、5年間の取り組み

森ビルは、1995年に発生した阪神・淡路大震災を契機に、「逃げ出す街から逃げ込める街へ」のコンセプトを掲げ、大規模再開発の特性を活かした災害に強い安全・安心な街づくりに取り組んでいます。そのため、東日本大震災の発災以前より、周辺地域への貢献も果たす防災拠点となるべく、ハード、ソフトの両面から様々な対策を推進してまいりましたが、東日本大震災の教訓をうけ、安全・安心に対する取り組みをさらに強化しています。

地震直後建物被災度推測システム「e-Daps(Earthquake Damage PresumptionSystem)」
地震による建物の被害状況を即座に一時判定できる地震直後建物被災度推測システム「e-Daps(Earthquake Damage PresumptionSystem)」を独自開発し、六本木ヒルズや虎ノ門ヒルズなど、主要なビルに導入。目視判断が難しい構造の安全性に対し、実測データに基づいた根拠ある判断が可能となり、優先順位をつけた初動対応を実現しました。

アークヒルズ 仙石山森タワーにビジネス継続可能な非常用自家発電設備を導入
「アークヒルズ 仙石山森タワー」(2012年8月竣工)では、東日本大震災後の設計変更により、停電時に都市(中圧)ガスによる自家発電で電力を供給し、入居企業の通常業務を継続可能とする非常用発電システムを導入しました。

帰宅困難者向けに独自の災害時情報提供システムを開発
東日本大震災の教訓から、施設で受入れる帰宅困難者へのタイムリーかつ適切な情報提供の手段として、エリア放送(フルセグ・ワンセグ)を活用した独自の災害時情報配信システムを構築しました。放送は六本木ヒルズエリア内においてのみ配信されるため、その時そのエリアにいる人達にとって有効な情報を提供することができます。

災害時の通信手段の多重化:一般業務無線を活用した独自無線システムの構築
一般業務用無線を活用した独自のデジタル無線システムを構築。2014年以降、帰宅困難者受入れを想定している当社大規模集客施設に順次導入しています。一般業務無線は、通信利用の増大が懸念される大規模災害時にも輻輳(ふくそう)しにくい通信手段として有効です。各施設内での情報伝達や、震災対策本部(六本木ヒルズ)と各施設を繋ぐ情報伝達手段として活用します。

大規模施設における帰宅困難者受入体制の整備
森ビルでは、大規模施設で約1万人の帰宅困難者受入に向けた体制を整備しています。また、六本木ヒルズ(2012年3月)、虎ノ門ヒルズ(2014年6月)においては、東京都港区と「災害発生時における帰宅困難者の受入れ等に関する協力協定」を締結し、官民連携のもと、周辺地域の防災拠点としての貢献も果たす災害に強い安全・安心な街づくりに努めています。

 

東日本大震災の記憶を風化させないため、森ビルは今後とも安全・安心な街づくりを推進し、世界一安全な都市・東京の実現に向けて、様々な取り組みを展開してまいります。