森ビルでは災害時における通信手段の重要性を認識し、様々な手法で情報伝達手段を多重化してきましたが、この度、独自のデジタル無線システムを新たに構築しました。
この無線システムは、一般業務無線を使用しているため通信ネットワークの混雑が予想される大規模災害時にも輻輳(ふくそう:電話やインターネットへのアクセス集中により通話・通信ができなくなる状況)しない有効な通信手段として、当社で帰宅困難者受入れを想定している大規模集客施設に導入され、運用を開始しています。

■無線システムを導入している5施設
・六本木ヒルズ
・アークヒルズ
・表参道ヒルズ
・パレットタウン
・虎ノ門ヒルズ(2014年5月末 竣工予定)

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一般業務無線とFWA無線(Fixed Wireless Access)を併用した独自のシステム

新 たに開発した無線システムは、各施設内の災害対応拠点となる防災センターと、施設内各所で対応にあたるスタッフ間の通信手段として機能させ、来館者や帰宅 困難者の的確な誘導など、各種対応に活用します。また、建物内に複数の中継アンテナを新設し、それらをネットーワーク(LAN)と接続することで、中継ア ンテナを介して各トランシーバー間で同報発信できるよう整備したことも大きな特徴です。
さらに、震災対策本部が設置される六本木ヒルズ森タワーと 各施設は、一般業務無線と合わせ新たに免許取得したFWA無線(Fixed Wireless Access)で接続。本部と各ビルの情報伝達に活用するほか、トランシーバーを所有し活動にあたる全スタッフと一斉に交信することも可能です。

【一般業務用無線とは】
限られた周波数を共同利用する簡易無線などと違い、エリア限定で割り当てられた複数のデジタル周波数を専用利用できる無線のことで す。無線利用の増大が懸念される大災害時にも輻輳の心配がなく、固定電話や携帯電話のように通信キャリア設備に依存する必要もありません。
利用に は免許を必要としますが、通常、警察や消防、またバス会社・電力会社・ガス会社・報道機関など公共性の高い公私事業者に認可されるもので、一般民間企業に よる開設事例は殆どありません。今回、森ビルがこの無線免許を取得することができたのは、長年にわたる安全・安心な街づくりへの取り組みや、帰宅困難者受 入など行政と連携した災害対応が評価されたことによります。

森ビルの「安全・安心」