森ビルは東日本大震災において観測された地震計実測データを、耐震工学の権威 東京工業大学 建築物理研究センター長 笠井和彦教授に提供し、制振・免震効果の共同研究を実施しました。この度、研究結果がまとまり、六本木ヒルズ森タワーをはじめとする各ビルにおいて、制振装置が有効に働き、地震の揺れが大幅に低減していることが実証されました。
<参考>ニュースリリース:東日本大震災時の森ビル物件の地震計実測データを解析

3月7日には、報道関係者向けに研究内容の説明会を開催するとともに、今年2月に上棟した「アークヒルズ サウスタワー」の施工現場にて、最新の技術を駆使した制振装置などを公開しました。

高い耐震性能を実現する3種類の制振装置
「アークヒルズ サウスタワー」は、1フロア面積約1,900m²(約570坪)の整形なオフィス、新たなライフスタイルを提案する約20の商業施設、超高層ビルとして都心部最大の屋上庭園などから構成されます。
現場に入ってひときわ目を引くのが、鮮やかに赤く塗られた制振装置です。竣工後は壁の中に入るため、工事中だけ見られる晴姿となります。
当プロジェクトは、東日本大震災クラスの大地震発生時に事業継続を可能にする高い制振性能を備えるだけでなく、中小地震や風揺れの際にもオフィス環境の快適性を向上させるため、3種類の制振装置を採用しています。
各フロアに2箇所入っている「アンボンドブレス」は柔らかく伸び能力のある鋼材でできており、大地震発生時のエネルギーを効果的に吸収することで構造に大きな損傷を与えることを防ぎます。また、「粘性体制震壁」と「粘弾性ダンパー」は、風揺れから大地震まで対応できる上、長周期地震動にも対応できるものになっています。
3種類の制震装置を適性にあわせた場所に配置することで、日常はもちろん、もしもの時にも安全かつ安心な環境を提供します。

「アークヒルズ サウスタワー」は、最新の技術を駆使した耐震性能や非常用発電設備を有する、BCPの需要を満たす複合オフィスビルとして、2013年8月に竣工予定です。

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アンボンドブレス

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粘性体制震壁

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粘弾性ダンパー

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完成イメージ

ニュースリリース:アークヒルズエリアに新たな複合オフィスビル上棟 「アークヒルズ サウスタワー」に名称決定