歌川国芳(1797〜1861)は、幕末の江戸・日本橋に生まれ、画想の豊かさ、斬新なデザイン力、奇想天外なアイデアと確かなデッサン力で、浮世絵の枠にとどまらない広汎な魅力を持つ作品を多数生み出した浮世絵師です。
人気小説を錦絵にした「通俗水滸伝」シリーズの英雄・豪傑たちをダイナミックに描いた武者絵で脚光を浴び、役者絵、美人画をはじめ、西洋画法を取り入れた風景画、猫や金魚が楽しげに動きまわるウイットとユーモアに富んだ戯画など、さまざまな分野で個性的な作品を残しており、その作品は、浮世絵ファンはもとより現代のデザイン関係者や若い世代にも注目され、国際的にも高い評価を得ています。
国芳の本領はなんと言っても、限りなく広がるイマジネーションの世界にあります。物語の夢と冒険とロマンの世界を具現化する手腕においては、他に並ぶ者のいない卓越した才能を示し、まさに江戸のグラフィックデザイナーとも称すことができるでしょう。

国芳の没後150年を記念し開催される本展は、国芳の代表作はもちろん、新発見の優品や初公開の傑作の数々を含む約420点により構成し、国芳の多様な画業を振り返り、新たにその全貌を明らかにしようとする、史上最大規模の国芳展です。
奇想天外なアイデアや溢れる想像力で江戸時代の人々を楽しませてきた国芳の傑作を六本木ヒルズで堪能できる稀有な機会をどうぞお見逃しなく。

開催概要
会期:2011年12月17日(土)~2012年2月12日(日)
   【前期】2011年12月17日(土)~2012年1月17日(火)
   【後期】2012年1月19日(木)~2月12日(日)
休館日:2012年1月18日(水)※作品展示替えの為
場所:森アーツセンターギャラリー

没後150年 歌川国芳展公式サイト

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通俗水滸伝豪傑百八人之壹人 浪裡白跳張順(前期展示)

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きん魚づくし ぼんぼん(後期展示)

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龍宮玉取姫之図(前期展示)

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みかけハこハゐがとんだいゝ人だ(通期展示)