【Hills' Eyes on Business ヒルズビジネス新潮流】は、“アイディアが生まれる街”六本木ヒルズをはじめとするヒルズが発信するライフスタイル誌「ヒルズライフ」で連載中。日本を牽 引する新鮮なアイディアを持つ企業がヒルズに集まり、ヒルズからビジネスのトレンドが生まれていることを紹介しています。
当web版では「ヒルズライフ」と連動し、【Hills' Eyes on Business ヒルズビジネス新潮流】のサイドストーリーとして皆様にお届けします。

法律事務所のオフィスとしてのアークヒルズとは

日本の四大法律事務所に数えられ、国内最大の500名近い弁護士数を擁する西村あさひ法律事務所。赤坂・アークヒルズのアーク森ビルにオフィスを構えてもう20年が経つ。
同事務所でパートナー弁護士を務める岩倉氏が最大の魅力として挙げたのはアクセスのよさだ。
このアークヒルズと裁判所や検察庁、各官庁とはいずれもタクシーで1、2メーターで移動可能。アークヒルズが完成した当初と比べると、地下鉄の駅もでき、クライアントでもある金融機関、企業等も大手町から赤坂、六本木エリアに居を移す所が増えてきている。
この環境が法律事務所にとって大きな利点となっているのは間違いない。
さらに、厳格な守秘義務が課される法律事務所に求められるのは、徹底した情報管理が可能なセキュリティ環境である。
同事務所はアーク森ビルの8フロアを利用しているが、専有部内には上下のフロアをつなぐ内部階段を設置するほか、事務所内でも機密資料が保管されるエリアには専属スタッフのみ出入りできるよう制限がかけられるなど、資料、情報の流出を防ぐ細心の配慮が施されている。
アーク森ビル自体も全館セキュリティ管理が徹底されており、その点も20年の入居という実績につながっているのかもしれない。

コミュニケーションの潤滑油は“ドーナツ”?

堅固なセキュリティが確保される一方でインナーコミュニケーションの活性化にも力を入れているのが同事務所の特徴である。
弁護士、所員によるテニス、ゴルフ、スキー、野球、フットサル、マジック、合唱部などのクラブ活動が盛んであるだけでなく、例えば年に数回オフィスで「ドーナツデー」というものがある。部署横断で有志が企画し、1,000個ものドーナツが振舞われるものだが、毎回あっという間になくなるほどの盛況を見せる。
新たな弁護士や所員が入所したタイミングなどで企画され、普段なかなか顔をあわせる機会が少ない弁護士・所員同士の交流が生まれるなど、所内交流の潤滑油となっているユニークな催しである。
また、各弁護士は個々に執務室を持ち、それぞれの秘書はその外に席を置くのが同事務所の構成だが、常に状況が更新される中で双方のコミュニケーションの風通しのよさは業務の生命線となる。そのため秘書エリアの什器類は背が低く保たれており、適度に機密が守られながら顔が見え、コミュニケーションが取りやすい環境が意図してつくりこまれている。

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オフィス内の図書室には
3万冊を超える法律関係の書籍が揃う
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盛況を見せるドーナツデー

 

成熟した緑と音楽に包まれたビジネス環境

アークヒルズは来年25周年を迎える。その成熟の歩みを共にした西村あさひ法律事務所の弁護士、所員達は、今のアークヒルズをどのように感じているのだろうか。
執務環境に欠かせない要素として岩倉弁護士が評価したのは、意外にもアークヒルズの緑だった。
25年の歳月を経て育まれた緑は、ここが赤坂、六本木とは思えない程の成熟を見せ、その積極的な緑化に対する評価は高く、複数の賞を受賞している。
また、アークヒルズにはオフィス以外にも住宅や世界的なコンサートホール「サントリーホール」、各種店舗等を擁し、職、住、遊、憩などのさまざまな用途があるが、特に住む場所となっていることが全体に和らいだ雰囲気を醸成させているのかもしれない。
中央のカラヤン広場では、お弁当を広げ、安らぐ人々も多く、週末には産地直送の野菜を集めた市「ヒルズマルシェ」が開かれ賑わいを見せる。
オフィスでありながら、豊かな緑や音楽に包まれ、人々が憩い、賑わう景色が共存するアークヒルズ。
日本最大の法律事務所がオフィスを構える環境としては異色に写るかもしれないが、一方でこうした総合的な環境がビジネスの活力となっている面があることも確かだろう。

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成熟した緑に包まれたアークヒルズ

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世界的な音楽ホール「サントリーホール」

西村あさひ法律事務所:http://www.jurists.co.jp/ja/
アークヒルズの最新情報:http://www.arkhills.com/
ヒルズマルシェ:http://www.hills-marche.com/

ヒルズライフ2010年11月号では、同社のパートナー弁護士 岩倉正和氏が、昨今のM&A急増の背景等について語られています。ぜひそちらもご覧下さい。