【Hills' Eyes on Business ヒルズビジネス新潮流】は、“アイディアが生まれる街”六本木ヒルズをはじめとするヒルズが発信するライフスタイル誌「ヒルズライフ」で連載中。日本を牽引する新鮮なアイディアを持つ企業がヒルズに集まり、ヒルズからビジネスのトレンドが生まれていることを紹介しています。
当web版では「ヒルズライフ」と連動し、【Hills' Eyes on Business ヒルズビジネス新潮流】のサイドストーリーとして皆様にお届けします。

膨大なデータに支えられる日常生活

コンビニエンスストアのATMで現金をおろす。街でレストランに入り食事をする。私たちにとって当たり前に思える日々の暮らしは、実は膨大なデータに支えられていることをご存知だろうか。たとえばATMにキャッシュカードを入れるといつでも現金をおろすことができるのは、その機械の過去の出金データほか様々な複合的要素をデータ化して分析し、必要資金量の予測が行われているから。私たちの快適な生活は、そうした「知られざる」分析によって成り立っている。
今年7月、六本木ヒルズ森タワー11階に移転したSAS Institute Japan株式会社は、そうした「知られざる」分析において、圧倒的な強さを誇る企業だ。同社は、「見える化」から「予見力」へ ― つまり、今ビジネスで何が起きているかを可視化するだけでなく、そのデータをもとに、今後の傾向を予測し、その予測にもとづいた最適な対処法を提示することで企業の戦略を支える「ビジネス・アナリティクス」のリーディング・カンパニーだ。
データはそこにあるだけでは十分な意味をなさない。そのデータから次の戦略を立案し、未来の成長に生かす。つまり未来を「予見」することが、重要となる。33年前に創業して以来、同社は連続した成長を続けており、世界の約45,000サイトが同社のソフトウェアを導入している。日本支社は1985年に設立、国内でも1,500社 2,300サイトの導入実績を誇る。

クライアントとのタッチポイントを増やす

B to B企業である同社が六本木ヒルズへの入居を決めたのは、「お客様(クライアント)とのタッチポイントを増やすため」。以前のオフィスに比べ交通の便がよく、お客様から「行きたい」と言っていただけるようになった。また、新しいオフィスでは壁・柱のない広いフロアプレートによる自由なレイアウトを生かして、フロアの1/3をお客様のためのスペースにした。
会議室の数を増やし、さらに予約がなくてもいつでもお客様をご案内できるよう、オープンなミーティングスペースも用意。お客様に気軽に立ち寄っていただくための空間だ。また、オフィスだけではなく、住宅や商業施設、文化施設などを有し、様々な人が集まる六本木ヒルズでは、お客様である法人企業にとどまらず、より広く一般の方々に同社のサービスを知ってもらう機会もあるのではと期待を寄せる。

091030_3.jpg

気軽に打合せのできるエリアを用意

091030_2.jpg

窓際に広がる快適なお客様用スペース

 

人とのつながりを重んじる

お客様と並んで、同社が大切にしているもの。それが「社員」だ。吉田仁志代表取締役社長含め、人とのつながりを大切にしているという同社。
本社である米国ノースカロライナ州のオフィスは、12年連続で米フォーチュン誌が発表する「最も働きがいのある会社ベスト100 (100 Best Companies to Work For)」に選ばれた。本社では膨大なキャンパス(敷地)の中に、保育園やフィットネスセンターなどが完備され、地域貢献にも大きな役割を果たしている。
一方で、日本支社では、六本木ヒルズというひとつの「街」の中で、映画館や美術館、レストランなどの様々な設備・サービスにより、本社にも劣らない充実した環境が提供できているという。また、移転前から記者会見等で利用していたアカデミーヒルズもぐっと身近になり、使い勝手がよくなった。
さらに、六本木ヒルズには、居住者やオフィステナント、商業テナントなどから構成される自治会があり、春祭りや夏祭りといった四季折々のイベントを開催したり、震災訓練やクリーンアップなどの活動を行っているが、地域社会への貢献を目指し、六本木ヒルズの新たな一員として、そうした「ヒルズのコミュニティ」にも積極的に関わっていきたいという。

091030_1.jpg
SASの歴史が紹介されているエントランススペース
091030_4.jpg
六本木ヒルズ自治会が主催する夏祭り

 

新しい発想を生むための情報や刺激

同社が提供するのは、クライアントが抱える複雑な経営課題解決のためのビジネス・ソリューション。つまり、クライアントに対し、様々な視点からのアイディアと解決策をソフトウェアの形で提供する仕事だ。そうした活動の中では、「自由にアイディアを膨らませることのできる環境」が重要になる。移転後、日々様々な情報や刺激が入ってくる六本木ヒルズにおいては「新しい発想やアイディアを生み出す意識が自然と強くなる」との声が社員間で聞こえてくるという。
経済環境が激変し、先の見えない今の時代。未来を勝ち抜く企業であるために、「予見力」は、必要不可欠な力になっていく。新たなオフィス、そして六本木ヒルズという環境を活用することで、そこからより質の高い「予見力」をお客様に提案するためのアイディアが日々生み出されていくことだろう。今後も同社のますますの発展が期待される。

 

SAS Institute Japan株式会社:http://www.sas.com/jp
メンターダイヤモンドTop Mentor 吉田仁志社長記事