森美術館にて4月4日(日)より「万華鏡の視覚」展が開幕しました。
普段私たちが信じている「現実」とは何でしょうか。
今回森美術館が開催する「万華鏡の視覚:ティッセン・ボルネミッサ現代美術財団コレクションより」展は、視覚のみならず、聴覚や触覚、空間把握能力など、人間のさまざまな感覚を刺激する作品を通して、私たちが日常の暮らしの中で従うことがあたりまえになっている組織のシステムや伝統的な慣習、ものごとを一面的かつ惰性的にとらえがちな認識そのものに疑問を投げかける展覧会です。

ケリス・ウィン・エヴァンス「ジークフリート・マルクス著
『天文写真術・写真現像の諸段階』」1987年
撮影:渡邉 修

カールステン・フラー「Y」2003年
撮影:渡邉 修
会場には視覚だけでなく、聴覚や触覚など、人間のさまざまな感覚をあらゆる方向から刺激する、23組の作家の作品約40点を展示しています。これらの作品はすべて、フランチェスカ・フォン・ハプスブルク氏が2002年に創設したティッセン・ボルネミッサ現代美術財団の所蔵作品です。同財団は、作家に制作を特別に依頼したコミッションワークや巨大なインスタレーションなど、フランチェスカとアーティストとの確かな信頼関係を基盤にしたコレクションで知られています。
感覚の実験装置とも言える、ダイナミックな作品に触れるとき、私たちが普遍的だと信じて疑わない「常識」は覆されます。
皆様も森美術館で、現代美術のもつ醍醐味とともに、アーティストの視点を通して見た世界と多様な「現実」をご体感ください。