皆さんは、本当のインドをご存知ですか。
インド哲学やヨガ、アーユルヴェーダなどの、古くから伝わる文化に彩られた悠久の国インドでもなく、高いGDP成長率やIT産業の勃興に代表される新しい経済大国インドでもない、等身大のインド…。
インドの現代美術を扱う展覧会としては国内最大規模の「チャロー!インディア」展は、インド国内に暮らす27組のアーティストが、日常の生活から題材を取り上げて制作した作品約100点を展示します。彼らの作品を通して、インドの現代美術や現代社会、それらの未来に思いを馳せていただく絶好のチャンスです。
インドの現代美術は、昨今世界的な注目を集めており、本展に続いて、12月にはロンドンのサーペンタインギャラリーで展覧会がはじまる他、パリのポンドゥーセンターでも展覧会が企画されています。

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写真撮影:渡邉修

 

森美術館で展示する作品は、絵画や彫刻の他に、インドならではの最新技術を駆使したメディアアートや映像作品、経済成長などを研究した結果を元に作り上げ たインスタレーションなどが並び、その表現の多様性は目を引きます。また、彼らが捉えた主題には、急激な都市化や経済格差、紛争、インドのジェンダー問 題、若者の文化や憧れなど、日本に住んでいる私たちには、頭で理解はできても実感しにくい事象が多く含まれています。

会場を入るとまず目に入るのが、等身大の巨象。
バールティ・ケールという女性アーティストの「その皮膚は己の言語ではない言葉を語る」(2006年)という作品です。立ち上がるところなのか、或いは横 たわったところなのか、急速な経済成長を続けてきたインドを表すようにも見えるこの横臥する巨象の皮膚には、ビンディがびっしりと貼り付けられています。

“チャロー”はヒンディー語で“行こう”を表す言葉。チャロー!インディアを合言葉に、皆さんもインド現代美術の新たな創造性と活力に出会う旅へ出かけてください。

「チャロー!インディア:インド美術の新時代」開催概要
開催期間: 2008年11月22日(土)~2009年3月15日(日)
開館時間:月・水-日10:00-22:00|火10:00-17:00
 ※12/23(火)、12/30(火)は22:00まで いずれも入館は閉館時間の30分前まで
 ※会期中無休

森美術館:http://www.mori.art.museum/