学校法人慶應義塾(東京都港区、塾長:伊藤公平)と森ビル株式会社(東京都港区、代表取締役社長:辻 慎吾)は、2021年4月に開設した「慶應義塾大学医学部ヒルズ未来予防医療・ウェルネス共同研究講座(特任教授:岸本泰士郎)」の一環として、「働く人の心身の健康やウェルビーイングに資するデータベース構築」(以下「本研究」)を開始しました。
我が国の働く人々の健康課題は、人口減少・少子高齢化に伴う労働者人口構成の変化や、デジタル化による産業構造、個人の価値観、ライフスタイル等の変化により、複雑化・多様化しています。このような環境下において、本研究では、慶應義塾と森ビルの緊密な連携のもと、麻布台ヒルズを始め、都心で働くオフィスワーカーを対象に、心理的・身体的な健康情報や、生活習慣や働き方等に関する情報を長期にわたって収集。それらの情報をデータベース化し、健康づくりに関する社会的な提言につなげるとともに、新たなヘルスケアサービスの創出にも活用するものです。
予防医療とウェルネスをテーマに慶應義塾と森ビルが協働
慶應義塾と森ビルは、あらゆる人たちが生涯にわたり、ウェルビーイングを実現できる社会を目指して、2021年4月に「慶應義塾大学医学部ヒルズ未来予防医療・ウェルネス共同研究講座」を開設しました。本共同研究講座は、麻布台ヒルズ内の慶應義塾大学予防医療センターと連携し、先進的な予防医療に関連する研究開発を行うとともに、その研究成果を社会に還元することを目指しており、本研究はその研究活動の一環として実施します。
テナント企業の健康経営促進や新たなヘルスケアサービスの創出に貢献
本研究では、調査で構築するデータベースを用い、都心で働くオフィスワーカーの健康課題を把握し、働く世代の健康づくりに関する社会的な提言や、ヘルスケアテクノロジーの開発に活用します。
本年度、麻布台ヒルズの入居企業を中心とした24社の協力のもと調査を開始しました。次年度以降は調査規模を拡大し、最終的には都心で働くオフィスワーカー約1万人を対象とすることを目指します。研究協力者は、年に1回、社会経済的因子、ワーク・エンゲージメントやウェルビーイングの指標、心理的・身体的な健康情報に関するウェブアンケート調査に回答するとともに、定期健康診断の結果(データ)を提供します。さらに、一部の協力者からは、最新のウェアラブルデバイスを用いた活動、睡眠、血糖、血圧などのデータも収集し、様々なデータが紐づけられたデータベースを構築します。
こうした研究活動を通じ、慶應義塾と森ビルは、麻布台ヒルズを健康づくりのモデル地区と位置づけ、構築したデータベースの活用を通じてテナント企業の健康経営促進や、健康づくりに関する社会的提言、産学連携による新たなヘルスケアサービスの創出を行い、社会課題の解決に役立てます。
慶應義塾と森ビルは、50年先、100年先の健康長寿社会の未来を見据え、すべての人々が健康で生き生きと暮らせる社会の実現に向けて、共に取り組んでまいります。