森美術館はこのたび、ショートムービープラットフォーム「TikTok(ティックトック)」とパートナーシップ契約を締結しました。

森美術館では2021年4月にTikTokのアカウントを立ち上げ、運用を開始。コロナ禍で臨時休館中の同年5月18日には、TikTokが「国際博物館の日」を記念して実施した、世界12か国、23の美術館・博物館を繋ぐライブ配信リレー「#MuseumMoment」に日本の美術館としては唯一参加。世界のアートファンに向け、「アナザーエナジー展」のTikTok Live ツアーを実施し、合計視聴回数は86,085回を数えました。

また、直近の「Chim↑Pom展」では、TikTokクリエイターたちを招き、閉館後の空っぽの展示室で撮影を行うイベント「#emptymoriartmuseum」(以下#empty)を実施しました。この時クリエイターたちが撮影した投稿がきっかけとなり、一般来館者のTikTok投稿も急増、イベントの実施前後で来館者動向に顕著な変化が見られました。

来館者へのアンケートによれば、#emptyの実施後、来館のきっかけとなった情報源を「スマホ」と回答した人のうち46%が「TikTokの投稿動画を見て」と回答しています。また、年齢属性では実施前はTikTokユーザー層である10代、20代があわせて52%であったのに対し、実施後は70%を超える状況となりました。さらに、森美術館に初めて来館した人は、実施前は33.3%、実施後は59.5%と倍増しました。

220623_1.jpg

森美術館とTikTokは今後、パ―トナーシップを通じて、ギャラリーツアー等のTikTok LIVE、TikTokクリエイターの撮影会(#empty)を各展覧会で定期的に実施し、相互に協力して美術館や展覧会の魅力をTikTokにて発信します。今回のパートナーシップ締結にあたり、館長の片岡は次のように語っています。

「美術館の持続可能性を考えるとき、未来を担う若い世代へいかにアプローチしていくかがひとつの鍵となるでしょう。これまで現代アートに馴染みのなかった方たちが、TikTokの投稿をきっかけに気軽に美術館に訪れていただけるようになると嬉しいです。現代アートは世界を映し出す縮図です。アートをとおして多様な価値観や思想、アイデンティティに出会い、豊かな人生を、そしてより良い未来を築いていきましょう」

なお、パートナーシップの最初の取り組みとして「地球がまわる音を聴く:パンデミック以降のウェルビーイング」展(会期:2022年6月29日~11月6日)の閉館後の展示室内で、以下のイベントを実施します。森美術館とTikTokの今後の取り組みに是非ご注目ください。

TikTok LIVE with 修一朗@森美術館「地球がまわる音を聴く」

配信日:2022年7月中旬予定
フォロワー190万人のクリエイター、修一朗氏を招き、本展キュレーターと共に展覧会のライブツアーを実施します。

#emptymoriartmuseum for TikTok creators

実施日:2022年7月12日(火)
TikTokクリエイターたちを招き、撮影会を実施します。