慶應義塾(東京都港区、塾長(理事長兼学長):長谷山 彰)と森ビル株式会社(東京都港区、代表取締役社長:辻 慎吾)は、2023年に開業を予定する「虎ノ門・麻布台地区第一種市街地再開発事業(以下「虎ノ門・麻布台プロジェクト」)」において、慶應義塾大学病院予防医療センター(東京都新宿区)(以下「予防医療センター」)」の拡張移転および「ヒルズ未来予防医療・ウェルネス共同研究講座(以下「共同研究講座」)」の開講に関する基本協定を締結いたしました。

慶應義塾は、医学部・大学病院開設当初より、予防医療を慶應医学の原点とし、その必要性を説き、臨床・研究を積み重ねてきました。高齢化社会における「健康寿命の延伸」への期待がいっそう高まる中、慶應義塾は、すべての人々が生涯にわたって健康な生活を送ることのできる豊かな社会を目指して、常に予防医療の最新形を追求し続けています。
また、森ビルは、「Green」と「Wellness」を2つの柱として、2023年の開業に向けて推進中の「虎ノ門・麻布台プロジェクト」において、都市の低炭素化、生物多様性の保全、省エネルギー化などのさまざまな環境課題に対する1つの解を提案するとともに、この街に住み、働くことの全てが「真に豊かな健康」に繋がり、あらゆる世代の人々が心身ともに生き生きと暮らし続けられる街づくりを目指しています。

この度の基本協定締結により、予防医療センターを「虎ノ門・麻布台プロジェクト」に拡張移転し、慶應義塾と森ビルが緊密な連携のもと相互に協力することにより、高度な検査・診断技術に基づく従来の人間ドックに加え、個別化する受診者のニーズに応じた予防医療を展開します。さらに、予防医療センターで新たに展開される健診プログラムに加えて、スパやフィットネスクラブ、レストランやフードマーケットといったさまざまな施設のほか、広場や菜園などもメンバーシッププログラムやサービスで結び、この街で住み、働くことのすべてが「ウェルネス」に繋がる仕組みの構築を目指します。
また、2021年4月より、慶應義塾と森ビルによる共同研究講座を設置することで、森ビルが管理・運営する実際の「街(ヒルズ)」を場とした研究活動を開始し、予防医療センターとともに予防医療のさらなる発展に向けて、研究成果に基づく新たな予防医療・ウェルネスサービスの社会実装と、新しい形の産学協働の推進力となる人材の育成を目指します。

慶應義塾と森ビルは、50年先、100年先の健康長寿社会の未来を見据え、すべての人々が健康で生き生きと暮らせる社会の実現に向けて、共に取り組んでまいります。

慶應義塾大学塾長 長谷山 彰コメント

慶應義塾は、全ての人々が健康的に生き生きと暮らせる「豊かな長寿社会の実現」を社会に対する大学のミッションとして掲げ、研究、教育、人材育成を行ってきました。この度、森ビル株式会社と連携して、大学で蓄積してきた学術的成果を社会実装し、予防医療のさらなる発展を目指す取り組みがはじまります。ひとつの「街(ヒルズ)」における様々な健康課題をウェルネス・ウェルビーイングにつなげ、予防医療の未来が示されることを期待します。

森ビル株式会社代表取締役社長 辻 慎吾コメント

「虎ノ門・麻布台プロジェクト」のコンセプトに掲げた「ウェルネス」は、コロナ禍を経て、ますます重要視されている世界的なテーマです。予防医学のトップランナーとして、臨床と研究の両面から予防医学の最新形を追求し続けてきた慶應義塾と手を組むことで、「都市という単位でウェルネスによる豊かさを実現していく」という、これまでにない試みに挑戦し、国際都市・東京の磁力向上に貢献いたします。

慶應義塾大学病院予防医療センターの拡張移転

「慶應義塾大学病院予防医療センター」(東京都新宿区)は、2012年の開設以来、高度な検査・診断技術に基づく人間ドックや、各診療科と連携したアフターケアの提供を通じて、受診者(年間約6,000名強)の病気の早期発見・治療に貢献してまいりました。この度「虎ノ門・麻布台プロジェクト」へ拡張移転することにより、検査機器の更新を行い、個別化する受診者ニーズに対応すると共に、混雑状況を緩和して、より多くの方々に受診いただける環境を整備します。また、「健康寿命の延伸」への更なる貢献を目的に、これまでの人間ドックの実績を基に、受診者一人ひとりのニーズやリスクに応じた最適な健診プログラムを提供する予定です。
さらには、共同研究講座との連携により、常に新しい診断・検査方法を追求し、未来の予防医療を創造していくと同時に、街の核となる医療施設として、街の施設やサービスと連携した新たな予防医療・ウェルネスサービスへの貢献も目指します。

  • 所在:虎ノ門・麻布台地区A街区 5階・6階
  • 施設面積:約3,600m²(約1,100坪)

予防医療とウェルネスをテーマにした共同研究講座の開設

あらゆる人たちが生涯にわたって、ウェルネス・ウェルビーイングを実現できる社会を目指して、慶應義塾と森ビルの共同研究講座を2021年4月に開設します。
共同研究講座は、森ビルが管理・運営する実際の「街(ヒルズ)」で、多様なライフステージにおける人々の健康課題を把握し、予防医療センターと連携して、ウェルネス・ウェルビーイングに関する研究成果の社会還元に取り組むことにより、予防医療のさらなる学際的な発展を目指します。
また、志を共有する共同研究パートナーを募ることで、新たな産学協働による教育研究拠点の創出も目指します。

  • 共同研究講座名称:ヒルズ未来予防医療・ウェルネス共同研究講座
  • 研究課題名:「新しいアーバンライフのモデル創出に資するウェルネス・ウェルビーイング研究」
  • 講座主任:慶應義塾大学医学部長 天谷雅行
  • 研究期間:2021年4月1日~2026年3月31日(5年間)
  • 講座設置目的:「未来予防医療」「ウェルネス・ウェルビーイングにつながる働き方」「ダイバーシティ・ヘルス」をキーワードに、慶應義塾大学病院予防医療センターと協働し、(1)個別化予防医療を実現するための健康診断・健康支援に関する研究、(2)ウェルネス・ウェルビーイングを実現する働き方、経営ならびにオフィス・街区の環境に関する研究、(3)これらを実現するデジタルプラットフォームとデータ技術に関する研究を、統合的に推進する。
    共同研究講座の設置目的に基づき、幅広い分野からなる学際的で実践的な教育を、産学連携により行う。また、共同研究講座の研究、教育活動を通し、新しい形の産学協働の推進力となる人材の育成を推進する。