森ビル株式会社は、「非化石価値取引市場」の活用により、六本木ヒルズ森タワーのオフィス入居テナントに対して、再生可能エネルギー電気(以下、再エネ電気)の供給を開始しました。オフィス賃貸事業者による、入居テナントへの再エネ電気の供給は国内初の取り組みであり、六本木ヒルズが独自のエネルギープラントと、これを運営する小売電気事業者である「六本木エネルギーサービス株式会社」を有していることから実現可能となったものです。

「非化石価値取引市場」とは、非化石エネルギー源で発電された電気が持つ「非化石価値」を取り出し、「非化石証書」として売買する市場のことです。この度の取り組みでは、トラッキング付きの非化石証書(※)を取得することで、申請した使用電力が再エネ電気であるとみなされ、事業運営に必要な電気を100%再生可能エネルギーで調達することを目標に掲げる国際イニシアチブ「RE100」にも準拠可能となります。
※太陽光、風力、水力、バイオマス、地熱などの電源種別や、発電所所在地などの付加情報が付与されたトラッキング情報付き非化石証書のこと。

100%再生可能エネルギー提供までの流れは、入居するオフィステナントからの要望に応じ、六本木エネルギーサービスが「非化石価値取引市場」より「非化石証書」を調達し、森ビルを介して、テナントに証書を提供します。非化石証書の購入は小売電気事業者のみが可能であり、六本木ヒルズ森タワーに小売電気事業者である「六本木エネルギーサービス株式会社」があることで実現した、国内初の取り組みです。

再エネ電気供給先の第1社目として、六本木ヒルズに入居し、「RE100」加盟企業でもあるゴールドマン・サックス社に対し、2019年8月より供給を開始いたしました。加えて、六本木ヒルズ内の当社オフィスにおいても、同様に再エネ電気の利用を開始しております。今後、虎ノ門ヒルズエリアにおいても、同様の取り組みを推進していく予定です。

ゴールドマン・サックス社コメント
ゴールドマン・サックスは、2020年までにグローバルで使用される電力を100%再生可能エネルギーで調達することを目標に掲げ、環境への負荷を最小限に抑える業務運営を目指しています。入居テナントに対し再エネの電力調達を可能とした今回の画期的な取組みは、より多くの企業に再エネ利用への道を拓くものであり、その普及に大きく寄与するものと心より歓迎しています。

森ビルは、「都市を創り、都市を育む」の理念のもと、"都市と自然の共生""都市の低炭素化"を推進し、未来へつながる持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

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六本木ヒルズ 全景