MAMコレクション010:フェイクニュース?

企画:近藤健一(森美術館キュレーター)

米国大統領ドナルド・トランプの口癖にもなっている「フェイクニュース」。インターネット上に流れるデマをはじめ、今日、何が事実なのかますます見えにくくなっています。本展では、作家本人が総理大臣に扮し、鎖国の重要さなど独自の外交論を日本語訛りの英語で演説する会田誠の作品や、2014年台湾の学生や市民が国会を占拠したひまわり運動の一場面を記録したユェン・グァンミン(袁廣鳴)の《占領第561時間目》(2014年)などの作品を通じて、マスメディアにおける情報生産の本質について考察します。

MAMスクリーン011:高田冬彦

企画:椿 玲子(森美術館キュレーター)

高田冬彦(1987年広島生まれ)は、宗教、神話、おとぎ話、ジェンダー、トラウマ、性、BL(ボーイズ・
ラブ)といった多様なテーマを扱いつつも、ポップでユーモアのある、時折エロティックな映像作品を制作してきました。自宅スタジオから、大学、野外まで、撮影場所はさまざまで、手作り感あふれるセットも魅力です。一見、荒唐無稽なストーリーのようでありながら、社会に対する批評的な一面をもつ高田の作品群を、約1時間のプログラムで紹介します。

MAMリサーチ007:走泥社―現代陶芸のはじまりに

企画:德山拓一(森美術館アソシエイト・キュレーター)
中村裕太(アーティスト、京都精華大学芸術学部特任講師)

走泥社は、1948年に八木一夫、山田光、鈴木治など京都の若手陶芸作家を中心に結成されました。その成り立ちの背景には京焼の歴史があり、また、具体美術協会やパンリアル美術協会、墨人会や池坊など、同時期に京阪神でみられた前衛的な表現活動との関係がありました。本展では、結成から1960年代までの活動を中心に、伝統と革新の狭間で新しい表現を追い求めた戦後の陶芸家達の活動を振り返り、現代陶芸としての意義を考察します。