MAMコレクション008:会田 誠とChim↑Pomのカラス
カラスは、吉兆を示す鳥あるいは太陽の象徴として世界中の多くの神話に登場する一方、腐肉食や黒い羽毛が死を連想させることから、悪や不吉の象徴としても繰り返し描かれてきました。独自の視点、手法を用いて社会的、政治的な問題に切り込んでゆくことで知られる会田誠、Chim↑Pomの両アーティストが、この極端な両義性を持つカラスという鳥をモチーフに、現代社会の多様な側面を映し出します。

MAMスクリーン009:シュウ・ジャウェイ(許家維)
シュウ・ジャウェイ(許家維、1983年、台中生まれ)は、各地の政治的、社会的な歴史を多角的にリサーチし、歴史と記憶、過去と現在などの狭間にある無意識を視覚化してきました。本展では、東アジア地域の政治の狭間で翻弄された男の個人史や、台湾における日本統治時代の歴史に光を当てることで、正史とされる歴史からは読み取ることのできない、この地域の歴史のダイナミズムを浮き彫りにします。ヒューゴ・ボス・アジア・アート賞ファイナリスト(2013年)。第15回台新芸術賞グランプリ受賞(2017年)。

MAMリサーチ006:クロニクル京都1990s―ダイアモンズ・アー・フォーエバー、アートスケープ、そして私は誰かと踊る
1990年代の京都では、ダムタイプなど京都市立芸術大学出身者の周辺で、現代美術、ドラァグクィーン・パーティ、エイズ予防やLGBTの啓発活動まで、さまざまな表現と活動が重なり合うように活発化していました。それは京都の、主に左京区において、コミュニティーの中から内発的に生まれたユートピア志向の実験でした。さまざまな人権が重要視されるようになった現代において、本展は、社会の閉塞感を突破するヒントとなるでしょう。

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