このたび、森美術館キュレーター荒木夏実は、昨年5月から今年6月まで森美術館ほかで開催した、荒木の企画による展覧会「ゴー・ビトゥイーンズ展:こどもを通して見る世界」において、第10回西洋美術振興財団賞学術賞を受賞しました。昨年11月、同じく「ゴー・ビトゥイーンズ展」企画における第26回倫雅美術奨励賞に続く、栄えある受賞となります。
西洋美術振興財団賞は、公益財団法人西洋美術振興財団が、過去2年間に国内の美術館で開催された西洋美術に関する展覧会等の中から、日本における西洋美術の理解と文化交流の促進、西洋美術研究発展のため、顕著な業績があると認められる個人(学術賞)、ならびに団体(文化振興賞)を顕彰するものです。
【授賞理由】 ※同賞選考審査委員長大髙保二郎氏総合選評から抜粋
本展は、子供の視点を“媒介者”(すなわち、Go-BetweeNs)として世界各地の現代社会がかかえる諸問題を鋭く照射した意欲的な試みである。子供でしか想像できない無垢で柔軟な思考を多彩な現代美術のメディアに重ねての、極めて挑発的な問題提起を行っており、それは荒木氏の学芸員としての日常の経験と蓄積、さらに豊かな感性と未来志向の姿勢とが相まって実現が可能となったものである。希少な、しかも深く省察をせまる展覧会として、十分に顕彰に値する。