森ビル株式会社(代表取締役社長:辻慎吾)が運営する森美術館(理事長:森佳子、館長:南條史生)は、2013年10月18日に開館10周年を迎えました。文化都心六本木ヒルズの象徴としてオープンした森美術館は、開館以来、「現代性」と「国際性」を理念に活動を続け、この10年間で1,200万人が入館しました。

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森美術館 センターアトリウム

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森美術館理事長 森佳子

森佳子(森ビル取締役、森美術館理事長)コメント
創設者である森稔と私がまだおぼろげな森美術館構想を携え、世界の美術館巡りを始めたのは四半世紀前のことです。森は「六本木ヒルズを世界の人々が訪れる文化都心にしたい」と強く願っていました。世界都市の中心には必ず素晴らしい美術館があります。
「東京もそうありたい、東京を代表する美術館を創ろう」という夢は、次第に使命感に変わっていきました。森美術館は誕生する前から世界を意識し、東京の磁力になることを目指していました。
世界の美術館を巡る旅で、私たちは美と文化を愛する多くの素晴らしい友人を得ました。「アジアに誕生する新しいコンセプトの超高層都市、その中核ビルの53階に巨大な現代美術館を創る」という奇想天外な構想に、彼らは驚き、興奮し、その実現に惜しみない援助と助言をくださいました。
誕生から10年、森美術館は「現代美術を身近なものに」という使命を着実に果たしてきました。「現代美術では人は来ない」という予想を覆し、10年間に開催した40の企画展に、延べ1,200万人が足を運びました。また、森美術館が企画したいくつかの展覧会が、世界の有名美術館を巡回するまでに成長しました。
さらに、予想を遥かに超えた美とのつながりと広がりが東京・六本木で実現しました。森美術館誕生の4年後、近隣に国立新美術館とサントリー美術館が開館し、多くのギャラリーも集積して、六本木は「アートの街」に変貌しています。六本木の街を舞台にした「六本木アートナイト」も今年で4回目を迎え、一夜で83万人を動員しました。
森美術館の挑戦はこれからも続きます。今、世界の美術館はアジアに注目しています。私たちはアジアを代表する美術館の自負を持って前進するとともに、アジアの才能の発掘に努め、また、アジアの他の美術館や機関と共働し、ともに発展していきたいと考えています。現代美術が時代への挑戦であるように、森美術館や六本木ヒルズも、創設者の森稔の人生も挑戦の連続でした。その意志を受け継ぎ、私は現代美術の持つ刺激や興奮をどのように楽しく伝えるかを考え続けたいと思います。ご期待ください。

「アートの街」に変貌した六本木

六本木エリアは、2003年の森美術館開館を皮切りに、国立新美術館、サントリー美術館、21_21 Design Sight(いずれも2007年開館)をはじめとする美術館や文化施設、また個展から現代美術まで多様なギャラリーが相次いでオープン、この10年で大きく変化し、一躍「アートの街」として認識されるようになりました。
この間、2006年には森美術館、国立新美術館、サントリー美術館の3館が連携した「六本木アート・トライアングル」を結成、2009年にスタートした一夜限りのオールナイトのアートイベント「六本木アートナイト」は、一晩で83万人(2013年実績)を集めるイベントに成長しました。
2012年度、森美術館には約181万人が入館、六本木アート・トライアングル3館で約450万人の観客が集まりました。またこの10年で、六本木のイメージを「文化的な街」と捉えている人は5倍以上に、「先進的な街」と捉えている人も3倍以上になりました。

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東京の文化・交流面の強化に貢献

世界の都市間競争が激化する中、「世界の都市総合力ランキング2013」によると、東京はロンドン、ニューヨーク、パリに続いて4位に位置づけられていますが、特に文化・交流面では他の3都市に大きく差をつけられており、東京の国際的な競争力を高めるためには、文化・交流面の強化が重要であると指摘されています。

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世界に向けて文化・情報を発信

森ビルは、「文化都心」を標榜する六本木ヒルズを舞台に、森美術館を中心とするアート、六本木ヒルズアリーナや映画館でのイベント、エンタテイメントによる文化の発信に注力してきました。森美術館は10年間で40の企画展を開催し、1,200万人の観客が入館。この10月には、六本木ヒルズの10周年を記念した都市とライフスタイルの未来を議論する国際会議「イノベーティブ・シティ・フォーラム」(10月16日~18日)や、アジアを代表する映画祭として定着している「東京国際映画祭」(10月17日~25日)なども開かれました。森ビルは、これからも六本木ヒルズから世界に向けて文化・情報を発信し続け、東京の文化・芸術面の強化に貢献して参ります。

森美術館、10年間の活動のポイント
・独自の企画展ー40の企画展、うち6展は国際巡回へ
・若手アーティストの支援ー「MAMプロジェクト」シリーズ
・新しいライフスタイルの提案ー平日の夜でも美術館に
・外国人に開かれた美術館へーバイリンガルによるサービス
・現代アートを寄り身近にー展望台共通チケット、パブリックアート
・六本木をアートの街にー六本木アート・トライアングル、六本木アートナイト
・鑑賞者にさらなる楽しみをー館内写真撮影、個人サポーターによるクラウンドファンディング