森ビル株式会社が特定建築者として建設中の「環状第二号線新橋・虎ノ門地区第二種市街地再開発事業III街区(施行者:東京都)」が上棟いたしました。本日、上棟式を執り行うとともに、環二地区再開発協議会 虎ノ門街区部会(※)より、III街区名称を「虎ノ門ヒルズ」に決定したことが発表されました。
※再開発事業の権利者、東京都、港区、及び特定建築者(森ビル)で構成する協議会のうち、虎ノ門街区(III街区)に関する部会

新たなシンボルストリートとともに誕生する東京のランドマーク

当プロジェクトが立地する新橋・虎ノ門エリアは、東京都が、アジア地域の業務統括拠点や研究開発拠点のより一層の集積を目指し、新たな外国企業誘致プロジェクトを実施する国際戦略総合特別区域「アジアヘッドクォーター特区」に位置します。
「虎ノ門ヒルズ」は、当エリアの国際競争力向上において枢要な役割を担うべく、道路整備と街づくり(再開発)を一体的に進める画期的な手法である立体道路制度の活用により、東京の新たなシンボルストリートとなる環状二号線とともに2014年に誕生します。
地上52階建て、高さ247mの超高層複合タワーは、最高スペックを備えたオフィス、眺望抜群の高規格住宅、国際水準のカンファレンス、多様な都市活動を最大限サポートする店舗、そして日本初進出となる革新的ホテル「アンダーズ 東京」等で構成され、世界を代表する企業が集積し、グローバルな人々が集う街を目指す当エリアの飛躍的な発展に寄与します。

新「ヒルズ」を中核に国際新都心形成へ
今回決定された名称に冠する「ヒルズ」は、当社が手がけた大規模複合再開発事業である「アークヒルズ」や「六本木ヒルズ」等に代表されるように、当社が地元の方々と長い歳月をかけて創り上げ、育んできた“街”の世界ブランドです。
当社は、東京再生の起爆剤として誕生する新たな「虎ノ門ヒルズ」とともに、新橋・虎ノ門エリア全体の価値を高めるべく、地元の方々やテナント企業が共に発展するエリアマネジメント事業も積極的に展開し、「ヒルズ」を世界に誇る街ブランドとしてさらに進化させながら、国際新都心の形成を強力に推進してまいります。

130301_1.jpg

当事業のポイント

(1)国際戦略総合特区「アジアヘッドクォーター特区」の中心である新橋・虎ノ門エリアの飛躍的発展に寄与
東京都の推進する国際戦略総合特区に位置する虎ノ門ヒルズと、環状二号線を軸に南北に広がる虎ノ門・新橋エリアは、国際色豊かな赤坂・六本木と、先進企業が集積する汐留の結節点であり、環状二号線の開通によって、人や情報の飛躍的な交流促進が期待されます。多機能複合の虎ノ門ヒルズは、国際ビジネスセンターの一翼を担うとともに、当エリアの魅力を飛躍的に高めるものとして、また周辺の都市開発の起爆剤となり、東京の国際新都心形成に寄与します。

(2)官民連携による推進体制
都施行再開発で初めて「事業協力者方式」が導入され、当社は、都市開発ディベロッパーとしての経験とノウハウを活かし、施行者(東京都)と権利者とのパートナーとして、2002年から再開発ビルの計画について助言、提案等にかかわり、2009年からは「特定建築者」として、再開発ビルの建設と保留床の取得および運営を推進しています。なお、先般、環二地区再開発協議会虎ノ門部会より、管理者予定者および管理会社予定者に選任され、完成後の管理運営段階においても責任を持って取り組んでまいります。

(3)立体道路制度を活用した東京都心の新しい都市開発モデル
当事業は、立体道路制度の利用により、道路事業と再開発事業が一体的に推進されています。環状第二号線の本線部を地下化し、道路の上下空間を建築可能区域として再開発ビルを建設することで、土地の有効利用を図っています。この都市開発事業は、都市計画道路が今後の都市再生のインセンティブになるということを示す画期的な手法であるとともに、貴重な都心の土地を最有効活用し、都心部の多機能かつ高度な立体的都市づくりを可能にする、新しい都市開発のモデルケースです。

130301_2.jpg

環状第二号線新橋・虎ノ門地区第二種市街地再開発事業 概要

環状二号線:いよいよ平成26年春に交通開放
環状第二号線の道路計画は、昭和21年に新橋から神田佐久間町までの約9.2kmの区間で都市計画決定されましたが、新橋・虎ノ門区間は、実現を見ないまま長い期間が経過していました。平成元年の立体道路制度の創設により、道路整備に併せて再開発ビルを整備することが可能となったことで、当区間の事業実施に向けた合意形成が進み、現在は平成26年春の交通開放を目指し工事が進められています。

130301_3.jpg

新橋・虎ノ門地区:東京のシンボルストリートに
車道本線を地下トンネル化することで、地上部は、地区内交通が主となる車線とゆとりある歩行者空間が確保され、表参道を超える広幅員となる幅40mの道路が整備されます。この広い道路空間と街路樹の整備により、風の道となることが想定され、都心部のヒートアイランド対策にも寄与する東京のシンボルストリートが誕生します。また、交通ネットワークにおいても、都心部の渋滞緩和のみならず、将来臨海部とも接続した際には、湾岸道路によって国際化が進む羽田空港ともつながり、都心と空港とのアクセスが飛躍的に向上します。

130301_4.jpg

虎ノ門ヒルズ 施設概要

国際ビジネスセンターの一翼を担う多機能複合の超高層タワー
虎ノ門ヒルズは、高さ247m、延床面積244,360m²で、高さ・規模ともに国内トップクラスのプロジェクトです。超高層複合棟には、インターナショナルホテルや最高スペックを備えたオフィス、国際会議に対応するカンファレンス、眺望抜群の高規格レジデンス、多様な都市活動を最大限サポートする店舗を擁し、地上には、広大な芝生広場など約6,000m²のオープンスペースが広がります。多様な施設を高度に複合させた虎ノ門ヒルズは、東京を代表する新たなシンボルストリートに建つランドマークとなります。森ビルが六本木ヒルズ等で培ったノウハウをつぎ込み、世界を代表する企業が集積し、グローバルな人々が行き交う国際ビジネスセンターを目指します。

事業名称:環状第二号線新橋・虎ノ門地区第二種市街地再開発事業Ⅲ街区
所在地 :東京都港区虎ノ門一丁目26番他
敷地面積:17,069m²
建築面積:9,391m²
延床面積:244,360m²
階 数 :地下5階、地上52階、塔屋1階
用 途 :事務所、住宅、ホテル、店舗、カンファレンス、駐車場
建物高さ:地上247m(最高高さ255.5m)
構 造 :S造(一部SRC造、RC造)
事業施行者:東京都
特定建築者:森ビル株式会社
設計者 :株式会社日本設計
工事施工者:株式会社大林組
竣 工 :2014年(予定)

130301_5.jpg

 

【オフィス:6~35階】
■企業の事業継続性にも配慮した、最高グレードのオフィス環境
30フロアを占めるオフィスの基準階の貸室は、約1,000坪、天井高2.8mの無柱空間を実現したフレキシビリティの高い快適な執務空間です。6駅11路線が利用可能な立地は、羽田空港にもアクセスが良く、グローバルなビジネス拠点として最適です。建物の共用部や外構にはWiFiの整備を予定し、オフィスワーカーの豊かな働き方をサポートします。
3種類の制振装置による高い耐震性能や、非常時に専用部に対しても電源供給を可能とする非常用発電機を備えるなど、事業継続性にも配慮。また、Low-Eペアガラスの採用や、専用部及び共用部へのLED照明の導入など、環境にも配慮し、環境性能評価「CASBEE」で最高ランク「S」を取得しています。

130301_6.jpg

■BCP実現を可能にする非常用発電機を設置
虎ノ門ヒルズは、通常の東京電力からの受電に加え、バックアップとしてガス発電、重油を用意し、一般的なハイグレードビルを上回る、極めて信頼性の高い電源供給システムとなっています。
東京電力からの受電が何らかの事故で供給されなくなった場合を想定し、保安用のほかに、オフィスシェア用(オプション)にデュアル燃料型ガスタービン発電機を非常用電源として設置しています。これにより主燃料の都市ガス(中圧ガス)にて連続15日間の給電が可能です。都市ガスの供給が停止した場合でも重油にて連続63時間の給電を可能にします。さらに入居テナントが独自に設置、使用できる発電機設置スペースも用意し、各社が独自に持つBCPガイドラインにも対応します。

130301_7.jpg

【住宅:37~46階】  
■ホテル「アンダーズ 東京」と連携、新しい東京のライフスタイルを提案
37階~46階に位置する総戸数172戸の住宅は、東京タワーやレインボーブリッジ、スカイツリーや皇居の緑など、全ての住戸から東京都心の魅力的な眺望をお楽しみ頂けます。
また、上層階のホテル「アンダーズ 東京」と連携する当住宅では、エントランスやラウンジなど共用部のインテリアデザインを、ニューヨークを拠点に活動している世界的に有名なデザイナー トニー・チー氏が手掛けるほか、様々なホテルサービスもご利用頂けます。
森ビルが提案する住宅を核としたライフスタイルのブランド「MORI LIVING」の新しいラインナップとして、「アンダーズ 東京」のサービスを加え、さらに進化した東京のライフスタイルを提案します。

130301_8.jpg

【ホテル(アンダーズ 東京):47~52階】  
■都市の文化や個性を反映させる、日本初進出のラグジュアリーブティックホテル
ヒンディー語で“パーソナル スタイル(Personal Style)”を意味するアンダーズ(Andaz)は、各都市の文化や個性を反映させた特徴あるデザインと居心地の良い空間、お客様のスタイルに合わせた“柔軟かつフレンドリー”なサービス、創造性を刺激する活気に満ちた社交スペースをコンセプトに、固定観念にとらわれず自由な発想を持ち、好奇心旺盛で、自分のライフスタイルを確立している高感度な人々をターゲットに、ニューヨークやロンドン、上海などの世界主要都市とリゾート地で展開しているハイアットのラグジュアリーブティックホテルブランドです。
47~50階に機能性と快適性を追求した164の客室、51階にご宿泊のお客様が寛いでチェックインできる「アンダーズ ラウンジ」とオールデイダイニングを揃えるほか、最上階52階には、日本の高層ホテルとしては初めてのオープンエアスペース付きのペントハウスバー、アウトドアテラスのあるイベントスペース「アンダーズ スタジオ」、独立型チャペルの3施設を設けます。
インテリアデザインは、世界的に有名なホテル・レストランデザイナーのトニー・チー氏と、日本の文化や風習をはじめ和の神髄を知り尽くす緒方慎一郎氏とのコラボレーション。
さらに、世界各地のアンダーズ同様、様々な分野で才能を発揮する地元のクリエイターやオピニオンリーダーを招聘し、ライブパフォーマンスやコンサート、展覧会や講演会等、ホテルゲストや地域コミュニティの創造性と独創性を刺激するソーシャルイベント「アンダーズ サロン」を定期的に開催します。

130301_9.jpg

【カンファレンス施設:4~5階】  
■国際会議から展示会まで幅広く対応:「六本木アカデミーヒルズ」のノウハウを生かしたエリア最大規模の“スマート・カンファレンスセンター”
貸室面積合計2,200m²、新橋・虎ノ門エリア最大級となる当施設は、10年に亘る「六本木アカデミーヒルズ」での施設運営のノウハウを活かした、使いやすい機能性とホテルライクなホスピタリティーを兼ね備える“スマート・カンファレンスセンター”をキーワードに、新橋・虎ノ門エリアにおける“交流力”のハブ施設を目指します。
590m²のスペースに、電動バトン・調整室や専用クロークを備え、抜群のイベント対応力とグレード感を併せ持つ「メインホール」は、天井高7.2mを確保。320インチの大型スクリーンにも対応可能です。
全長50mのガラスカーテンウォールから自然光が入り込む、明るく開放感のある「ホールA」は、755m²の規模を活かした商品展示や商談会、パーティーに適しています。
380m²の専用ホワイエを備えた434m²の「ホールB」は、ロビーのゲートを閉じればお客様の貸し切り空間となります。特徴を持たせた3つのホールは、全て分割対応となっており、多様なパターンの会場構成が可能となります。さらに4つの会議室と4つの控室を用意し、多様な会議やイベントへの対応力を高めています。
運営面では、様々な会議やイベントでの豊富な知識と経験を持つスタッフがイベント・コーディネートを担当、お客様のご要望にお応えできるプランをご提案します。本番当日は、ホスピタリティー・マインドのあるキャプテンがアテンド、チェックインからチェックアウトまでご一緒します。併せて、常駐するテクニカル・ディレクターが、技術面から、会議やイベントの成功のお手伝いをいたします。
国際会議・学会・シンポジウムから、新商品発表会・展示会・プライベートショー等のイベントまで、幅広い対応力と運営力を備えた施設です。

【商業施設:1~4階】
■多様な都市生活を最大限にサポートし、エリアのコミュニケーションのハブに
虎ノ門ヒルズの商業施設は、新しいワークスタイルでボーダレスに活動するビジネスマンを中心に、ホテルやカンファレンスのゲスト、さらに近隣の方も含め、様々な人々が行き交い、新たなコミュニケーションが生まれるハブとなります。
3層吹き抜けのアトリウムに面する飲食店舗は、隣接するガーデンに続く開放感あふれる空間で、街の新たなシンボルスポットに。昼は自然光、夜は柔らかな光のライトアップに包まれ、一日を通して人々がリラックスできる空間です。また、館内の飲食店舗は、国内外のお客様のニーズに応える多彩なラインナップで、外国人のゲストにも対応するダイニングやカフェ等が揃います。
3階にはオフィスワーカーをサポートする新たなサードプレイスが誕生。約170坪のゾーンには、コンビニエンスストアとカフェが一体的に融合し、ビジネスミーティングや一人で仕事もできるサードプレイスカフェにもなります。その他にも、パーソナルなニーズを満たすフラワーショップ、ヘアサロン、シューズリペアが集積し、忙しいビジネスマンのワークスタイルを幅広くサポートします。

130301_10.jpg

環境や安全・安心の取り組みで周辺地域へも貢献

【環境】
■6,000m²のオープンスペースとグリーンネットワーク
立体道路制度を活用して生まれた人工地盤上には、約6000m²のオープンスペースが広がります。都心のオアシスとして機能する広大な芝生広場をはじめ、心地よい小川のせせらぎ、季節の風情を楽しめる緑が随所に施されます。さらに、環状二号線地上部道路とつながることで、人が集まり憩うことができる豊かな都市空間を形成します(東西の環境軸)。また、虎ノ門ヒルズは、皇居や日比谷公園と、愛宕山が形成する緑の中間点にも位置しており(南北の環境軸)、都心のグリーンネットワークをつなぐことも、当プロジェクトの果たすべき役割のひとつです。

■国土交通省 平成22年度「省CO2先導事業」に認定
LED照明、超高効率熱源システムなどの導入により建物の省エネルギー性を高めるのみならず、クラウド型コンピューティングサービスを用いて周辺街区に省CO2対策を促す取り組みを計画しております。地域全体の省CO2を実現しようとする試みに先導性があるとして、他の大型プロジェクトの波及につながる点が評価され、平成22年度「省CO2先導事業」に認定されました。

130301_11.jpg

【安全・安心】
■事業継続性を確保する3種類、1,218基の制震装置
オイルダンパー(516基)、ブレーキダンパー(620基)、アンボンドブレース(82基)の3種類の制振装置を採用。阪神大震災や東日本大震災クラスの極めてまれに起きる大地震が発生しても構造に大きな損傷を与えず、事業継続を実現する高い耐震性能を有します。また中小地震や風揺れによる不快感を低減し、オフィス環境の快適性を向上するほか、超高層ビルへの影響が懸念される長周期地震動にも制振効果を発揮します。

■地域の防災拠点として数千人の帰宅困難者受け入れが可能
非常時に数千人規模の帰宅困難者の一時滞在スペースとして活用できるよう、低層部を整備し、地域全体の防災機能の向上に貢献します。
(1)照明や衛生、通信機能など、帰宅困難者が滞在するために必要となる箇所へ非常用電源を供給します。
(2)震災井戸、備蓄倉庫の設置や、水や備蓄食糧、災害時に必要となる資機材等の備蓄を行います。これにより「逃げ出す街」から「逃げ込める街」へと街の機能を深化させ、災害時には街全体が防災シェルターの役割を担います。

130301_12.jpg