本年8月に竣工した「アークヒルズ 仙石山森タワー」が、この度、生物多様性の保全や回復に資する取組みを定量評価する認証である「JHEP認証」(竣工時)※において、日本初となる最高ランク(AAA)を取得し、11月29日、公益財団法人 日本生態系協会 池谷奉文会長より認証が授与されました。

認証式の様子(左:森ビル 取締役副社長執行役員 山本和彦
右:公益財団法人日本生態系協会 池谷奉文会長)

森ビル 取締役副社長執行役員 山本和彦コメント
当社は「ヴァーティカルガーデンシティー(立体緑園都市)」のコンセプトのもと、環境、特に緑に配慮した街づくりを展開してまいりました。仙石山森タワーにおいて実施した生物多様性に配慮した外構計画は、当社にとっても初めての試みであり、設計者・監理者・施工者と協働し、試行錯誤のうえ、工事を進めてまいりました。結果、生物多様性に配慮した本物の緑を初めて誕生させることができ、竣工後に改めてAAA評価を取得することができました。
本当の意味での生物多様性に配慮した街づくりはこれからです。当社のエリアマネジメントを通じて周辺地域とも協力しながら、人と自然が共生する緑のネットワークを築くべく今後も尽力してまいります。
なお、当社が関わる「21・25森ビル建替計画((仮)アークヒルズサウスタワー)」(2013年竣工予定)においても、生物多様性に配慮した緑化計画を推進いたします。当社がこれまで手掛けてきたアークヒルズ、六本木ヒルズをはじめ、今後も人と自然とが共生できる緑を積極的に広げていきます。
※JHEP認証
JHEPは、1980年代に米国内務省により開発された、ハビタット(野生生物の生息地)の観点から自然環境を定量的に評価する手法、ハビタット評価認証(HEP:Habitat Evaluation Procedure)の環境評価手法をもとに、日本生態系協会が日本において企業等の取り組みを評価できるよう改良を加えて新たに構築したものです。生物多様性の保全や回復に資する取り組みを客観的に定量評価し、ランク付けした認証を行うことで、効果的な取り組みを普及させることを目的としています。
アークヒルズ 仙石山森タワーは、計画時に日本初の「JHEP認証」AAAを取得しておりますが、竣工後、実際に完成した緑化環境に対して改めて評価を受け、竣工後の物件としても日本で初めてAAAの認証を取得いたしました。
アークヒルズ 仙石山森タワー:生物多様性に配慮した緑
アークヒルズ 仙石山森タワーでは、地域の環境をより良いものにするため、生態系のあり方も検討したうえで緑の計画を行い、小鳥や昆虫などの生きものがやってくる街を目指しています。
計画の実現には日本生態系協会の助言を受け、地域の自然に本来見られる在来の植物を多く植え、キツツキの仲間であるコゲラなどの生きもののすみかとなる枯れ木を設置し、工事前からこの場所にあった土壌を生かし敷地内各所の植栽基盤として利用するなどの試みを行っています。
■生物多様性の取組み
1.在来種・潜在自然植生をベースとした緑地:計画地の地域植生を再生する
(主な在来種:スダジイ、タブノキ、アラカシ、エゴノキ、ヤマボウシ ほか)
2.まとまりのある緑地:緑化効果を高め周囲と結ぶ
3.緑被ボリュームの高い立体的な緑地:生きものの住みやすさに貢献する
4.特殊な環境要素:枯れ木・樹洞・落ち葉といった環境要素への配慮
