森ビル株式会社は、先月竣工した「アークヒルズ 仙石山森タワー」を日本鳥類保護連盟主催「バードピア」に登録いたしました。昨年12月に登録した六本木ヒルズ、アークヒルズ、愛宕グリーンヒルズ、元麻布ヒルズに続き、5つ目の登録となります。

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枯れ木も活用 生物多様性に配慮した質の高い緑地

アークヒルズ 仙石山森タワーは、生物多様性に配慮した質の高い緑地を整備しています。現況調査、文献調査をもとに設定したこの場所の在来種や潜在自然植生に配慮することで地域の自然を再生、また、枯れ木・樹洞・枯れ葉といった特殊な環境要素により、こげらなどの野鳥をはじめとする野生生物が戻ってくる森づくりを目指しています。09年11月にはJHEP認証日本初の最高ランク(AAA)を取得しています。

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当社は、「Vertical Garden City-立体緑園都市」というコンセプトのもと、建物を高層化することによって生まれたオープンスペースや建物の屋上を可能な限り緑化することで、緑豊かで地球環境にも優しい都市環境の創造に努めております。今後も、緑を増やす街づくりを進め、新たに生まれた緑地と皇居などの既存緑地を緑でつなぐ「エコロジカル・ネットワーク」を創出し、東京が鳥などの生き物にとっても住みやすい環境を作ってまいります。

バードピアとは
バード(野鳥)とユートピア(楽園)を組み合わせた造語で、主として都市域など人の生活、生産などの活動に供されている様々な場所を、その本来の目的に支障のない範囲で有効活用し、配慮、工夫しながら鳥たちが棲みよい環境をつくり管理していく場所を指します。2011年1月、日本鳥類保護連盟(総裁 常陸宮正仁親王)が、日本全国に登録箇所を広める活動を始め、2012年9月3日時点で、一般、民間あわせ計199箇所が登録されています。

 

アークヒルズ 仙石山森タワー(2012年8月竣工):
生物多様性に配慮した質の高い緑地空間で日本初のJHEP認証最高ランク(AAA)取得

当プロジェクトでは、かつての樹木地を再生して、こげらをはじめとする様々な野生生物が戻ってくる森づくりを目指し、「生き物環境」の向上を試みており、以下の点において生物多様性の保全や回復に貢献しています。

1.在来種・潜在自然植生をベースとした緑地:計画地の地域植生を再生する
 (主な在来種:スダジイ、タブノキ、アラカシ、エゴノキ、ヤマボウシ ほか)
2.まとまりのある緑地:緑化効果を高め周囲と結ぶ
3.緑被ボリュームの高い立体的な緑地:生きものの住みやすさに貢献する
4.特殊な環境要素:枯れ木・樹洞・落ち葉といった環境要素への配慮

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JHEP認証
JHEPは、1980年代に米国内務省により開発された、ハビタット(野生生物の生息地)の観点から自然環境を定量的に評価する手法、ハビタット評価認証 (HEP:Habitat Evaluation Procedure)の環境評価手法をもとに、日本生態系協会が日本において企業等の取り組みを評価できるよう改良を加えて新たに構築したものです。生物 多様性の保全や回復に資する取り組みを客観的に定量評価し、ランク付けした認証を行うことで、効果的な取り組みを普及させることを目的としています。

 

■これまで「バードピア」に登録した4つのヒルズ

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■森ビル主要プロジェクトの緑被率
森ビルでは、主要施設の緑被率調査を行っています。緑被率とは、その敷地がどれだけの緑で覆われているかを示す数値で、地方自治体などが緑の量の変化を経年比較する場合などによく用いられています。当社の調査も行政資料に倣い、東京都が発行した「緑被率標準調査マニュアル」に基づき実施しています。
[緑被率(%)={(緑被地の面積)/(単位区域面積)}×100]

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