森ビル株式会社が管理運営する「愛宕グリーンヒルズ」(東京都港区愛宕)が、この度、第31回「緑の都市賞」(※1)(主催:(財)都市緑化機構)において「緑の地域づくり部門 奨励賞」を受賞いたしました。
愛宕神社や青松寺など、江戸時代から続く寺社を有する愛宕山と一体となった「愛宕グリーンヒルズ」(2001年竣工)は、都市計画公園に指定された愛宕山の地形と樹木を保全した緑化計画のもと、周辺の街並みとの調和や、良好な都市景観を形成したことなどが評価されました。
※1「緑の都市賞 緑の地域づくり部門」は、都市部または都市近郊の地域や地区を対象に、線的あるいは面的な広がりのある緑化や緑の保全に取組み、その成果をあげている緑化活動団体、企業・公共団体等を表彰するものです。

111107_1.jpg

111107_2.jpg

再開発によって2001年に誕生した「愛宕グリーンヒルズ」は、都市計画上の風致地区に指定されている愛宕山の緑を保全し、江戸時代の植生を生かした緑化計画を実施しました。地形を変形させないよう土工事は最小限に抑え、愛宕山に続く斜面緑地を『植生保全ゾーン』と位置づけ、古くからの動植物を保全。敷地内には自然と一体感ある緑道を巡らすことで、通行者が斜面緑地を楽しめるようにするとともに、通行者の緑地への侵入を防ぎ、動植物への影響を最小限に抑えています。

当社が2011年に実施した『緑被率調査』では、愛宕グリーンヒルズの緑被率は49.34%(1.90ha)まで拡大し、緑は順調に生育しています。また、周辺地域の景観向上にも配慮し前面を通る都道に植樹した街路樹も、当社で維持管理を続け、10年が経過した現在では大きく葉を繁らせ、夏季には歩道に木陰をつくるまでに成長しました。

「愛宕グリーンヒルズ」環境の取り組み

111107_3.jpg

■愛宕山の伝統と緑を後世に伝える
愛宕グリーンヒルズのある地域は、江戸時代から寺社の集まる寺町で、再開発の地区内にも青松寺、清岸院(せいがんいん)、傳叟院(でんそういん)の3寺院が含まれています。再開発時にはこれらの特色を踏まえて、日本で古くから親しまれてきたモミジ、ツツジ、ツバキ等を多用し、寺院とよく調和するように外構や植栽配置を工夫しました。
また、愛宕山へ続く斜面緑地を『植生保全ゾーン』として、土工事を最小限に留めて既存の植物を保護。苗木が成長して後継樹となり世代交代することによって、地域の植物の遺伝子が後世へ伝えられていくことを意図して、実生していた樹木から苗を採取し圃場で苗木に育成し、敷地内に戻す試みも行いました。

■ヒートアイランド現象の緩和に貢献
愛宕グリーンヒルズの東側は、新橋・虎ノ門のオフィス街に、西側は神谷町のオフィス街に隣接しており、愛宕山一帯は、都心の貴重な緑地空間となっています。これらの緑は、都心のヒートアイランドの緩和に役立つと言われており、実際に愛宕山一帯の緑地部分が、周囲の道路などと比較して、表面温度が低くなっていることがご覧いただけます。

111107_4.jpg

■緑被率も順調に拡大

111107_5.jpg

森ビルでは、数年に一度、当社が手がける主要施設の緑被率調査を行っています。
愛宕グリーンヒルズの緑被率も、初めて調査した2006年から5年が経過し緑被率が49.3%に拡大、緑被面積も約2,000m²増加するなど、順調な緑の生育がうかがえます。

111107_6.jpg

参考:緑被率とは
その敷地がどれだけの緑で覆われているかを示す数値。地方自治体などが緑の量の変化を経年比較する場合などによく用いられています。
緑被率(%)={(緑被地の面積)/(単位区域面積)}×100
※当社の調査は、行政資料に倣い、東京都が発行した「緑被率標準調査マニュアル」に基づき行っています。

 

当社では、「Vertical Garden City-立体緑園都市」をコンセプトに、地球環境に優しく魅力ある街づくりを積極的に推進し、首都東京のさらなる魅力向上に貢献してまいります。
「愛宕グリーンヒルズ」は、2003年に「ULI Awards for Excellence」(主催:Urban Land Institute)を受賞。2010年には「生物多様性につながる企業のみどり100選」((財)都市緑化基金)にも選定されています。