森ビル株式会社が管理運営する「六本木ヒルズ」が、人工地盤を活用した緑化、および制震装置の役割も果たす屋上庭園の緑化が評価され、この度、第10回 屋上・壁面・特殊緑化技術コンクール「壁面・特殊緑化部門:都市緑化機構会長賞」(主催:財団法人都市緑化機構、後援:国土交通省、環境省ほか)を受賞いたしました。

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六本木ヒルズの特殊緑化施設の配置

「六本木ヒルズの人工地盤・制震装置等の緑化」
壁面・特殊緑化部門:都市緑化機構会長賞 受賞理由(審査講評)

都市と緑の共生をテーマとした六本木ヒルズ全体の緑化プランの下、緑量ある植栽により都心に憩いの緑化空間を実現。屋上庭園が制震装置として緑化空間の創出と耐震性向上に寄与している点や、都市のヒートアイランド現象の緩和及び真夏時の空調負荷の低減など環境改善の効果が認められている点が、大規模な再開発事業における都市緑地創出のモデルケースとして評価できる。

※「屋上・壁面・特殊緑化技術コンクール」
通常の方法では緑化が困難で高度な技術を要する空間においても、積極的に緑化に取り組み、優れた成果をあげている企業や団体を顕彰することで豊かな都市生活の実現に寄与することを目的として実施されているものです。
(主催:財団法人都市緑化機構、後援:国土交通省、環境省ほか)http://www.urbangreen.or.jp/

人工地盤面を活用した緑化:ペデストリアンデッキ「66プラザ」

道路上に設けられたペデストリアンデッキ「66プラザ」は、最大高さ1mの植栽マウンドの中に支柱を設置することで人工地盤上での緑化を可能にし、ケヤキ、クスなどの高木が多数育っています。緑化によって、従来のペデストリアンデッキ等にありがちだった殺伐として温熱的にも厳しい環境となることを避けることが可能となりました。夏期はドライミストの散布も行っており、高木が木陰を作っているため、路上などに比べて大変過ごしやすい空間となっています。

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屋上を緑化することで制震装置の役割も果たす「けやき坂コンプレックス屋上庭園」

映画館が入る「けやき坂コンプレックス」の屋上庭園は、面積約1300m²、地上約45mに位置する空中庭園。土壌や植栽で重くなった屋上庭園部分を、積層ゴムと制震ダンパーを組み込み制震装置の役割をもたせることで、本格的な屋上緑化と制震を実現しました。庭園では、ソメイヨシノ、イロハモミジなどの高木に加え、水田では稲を育て、また池などの水景も広い面積で設け「日本の農の風景」を再現。カエル、メダカなど多様な生き物の生息環境(ビオトープ)になっています。

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敷地の25%が緑に覆われている六本木ヒルズ

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六本木ヒルズの緑地エリア(公共用地分を含む)

森ビルは、「Vertical Garden City(立体庭園都市)」のコンセプトのもと、「環境と緑」を街づくりにおけるミッションの一つに掲げ、緑豊かで地球環境にやさしい好環境都市の形成に貢献しています。再開発を通じて生まれたオープンスペースや建物の屋上を積極的に緑化するなど、質の高い緑の実現を目指しています。
これら取り組みにより、六本木ヒルズは敷地の約25%が緑で覆われています。
生まれた緑はヒートアイランド現象の緩和に貢献し、都市環境を改善することはもちろん、屋上庭園にある水田・菜園を利用した農業体験や、植物をさまざまな視点から学ぶガーデニングクラブなど、コミュニティ形成の場としても機能しています。
 

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六本木ヒルズ周辺の航空写真とサーモ画像(撮影:スカイマップ株式会社)
大規模な緑地を確保することで、都心 におけるヒートアイランド現象の緩和に貢献。緑化された空間は周辺のアスファルト舗装の表面温度に比べ、日中で5℃~15℃低くなるといわれています。六 本木ヒルズ上空から撮影した熱画像からも、緑化エリアは周辺地域よりも明らかに温度が低くいこと示しており、緑化効果が現れていることが観測できます。

当社は、今後も地球環境に優しく魅力ある街づくりを積極的に推進するとともに、首都東京のさらなる魅力向上に貢献してまいります。