この度の東北地方太平洋沖地震にて亡くなられた方々のご冥福をお祈りすると共に、被災者の方々、また被害や影響を蒙られた皆様に心よりお見舞い申し上げます。

さて、森美術館は、延期しておりました「フレンチ・ウィンドウ展:デュシャン賞にみるフランス現代美術の最前線」及び「MAMプロジェクト014:田口行弘」展を、3月26日(土)に開幕する運びとなりました。
美術館の使命は、この状況の中でも、多くの方々を勇気づけ、心を豊かにする場を提供することでもある考え、このたびの開館にいたりました。なお、開幕時には一部展示できない作品もございますが、いつもながらの平静な空間でゆっくり鑑賞していただきたいと思います。未陳作品に関しては状況に応じて、追加公開する予定です。
皆様方におかれては、何卒こうした事情をご理解いただき、本展をゆっくりご鑑賞くださいますようお願い申し上げます。

森美術館館長 南條史生

 

《開幕》フレンチ・ウィンドウ展:デュシャン賞にみるフランス現代美術の最前線

2011年3月26日(土)〜8月28日(日) 森美術館(六本木ヒルズ森タワー53階)

「コレクターの視点を通して眺望するフランスの現代アートシーンの10年」
森美術館は、2011年3月26日(土)から8月28日(日)まで、フランスのコレクター団体ADIAF が主催するマルセル・デュシャン賞の設立10周年を記念して、「フレンチ・ウィンドウ展:デュシャン賞にみるフランス現代美術の最前線」を開催します。

【本展のみどころ】
1.マルセル・デュシャンの作品10点以上を展示
2.グランプリ受賞作家10名を含む27名の作品を紹介
3.パリのコレクターの作品を飾ったアパルトマンを美術館内に再現
4.全長9m の作品が美術館を飛び出して六本木ヒルズのパブリックスペースに登場

会場では、同賞のグランプリ受賞作家に加え、一部最終選考作家とデュシャン本人を含む28名のアーティストを一挙に紹介し、展示は、デュシャンの代表作「フレッシュ・ウィドウ(fresh widow)」=(俗にフランス窓(French Window) と呼ばれる)」に着想を得て、「デュシャンの窓」「窓からの眺め」「時空の窓」「精こころ神の窓」「窓の内側」という5部で構成されます。
第1部では、デュシャンの主要なレディ・メイドを展示、続く3つの部では、世代や文化背景の異なる作家たちの絵画、彫刻、写真、インスタレーション、ビデオ等により、近年活気を増し国際的にも注目されるフランス現代美術のエッセンスを紹介します。そして最後の部では、作品を飾ったコレクターたちのアパルトマンを再現します。
本展は、日常生活や時間、都市の心象風景を独創的に捉えた多様な表現を通じ「フランス現代アートの今」を体感し、背景にある歴史や社会、文化への関心を喚起させられる機会を提供するとともに、「コレクターの時代」、「共存の時代」といわれる今、日本における公立美術館や公的機関と、民間の美術館、画廊やコレクター等との「協働の可能性」をも探ります。

屋外展示《四輪馬車》が六本木ヒルズを駆け抜ける

ベルサイユ宮殿での個展(2009 年)で話題を呼んだ《大きな四輪馬車》と同シリーズ、全長9mの作品が美術館を飛び出し、六本木ヒルズのパブリックスペースに登場します。

※開幕時には、サーダン・アフィフの作品《どくろ》、カデル・アッティアとクロード・レヴェックの作品が展示されません。状況に応じて展示する予定ですので、展示時期に関しては直接お問い合わせください。