森ビル株式会社は、この度、「新しいワークスペース」の提案を目的として、実際に使用しているオフィスを実験場に改装して効果を検証する「MORI WORKING LAB」を開設いたしました。
現代のオフィスには、ワーカーの働きやすさ、企業の業務効率ならびに生産性の向上、そしてエネルギーコストの削減や環境対策など、様々な要素が求められています。
この度、当社では、ディベロッパーとして「オフィスのあるべき姿」を追求するべく、実際の自社オフィスの一部(建物環境開発事業部(人員:約110名、面積:約300坪))を改装し、「MORI WORKING LAB」を開設いたしました。当社は、この場を実験場として位置づけ、自らその効果を検証し、これからの知識情報化社会にふさわしいオフィスのあり方を提案してまいります。
「MORI WORKING LAB」の主な概要
(1)事前の業務分析調査:多様化するオフィスワーカーの業務パターン・ニーズを解明
(2)自由にワークスタイルを選べる「フリースタイル アドレス」の提案
(3)コミュニケーションを活性化させるレイアウトプラン
(4)レイアウト変更および書類削減によりオフィスの省スペースを実現
(5)調音システム、昇降デスク、照明器具など先端のオフィス建材を開発・採用
(6)基準照度調整などによる省エネ対策と「消費エネルギーの見える化」システムの導入
事前の業務分析調査:多様化するオフィスワーカーの業務パターンとニーズを解明
「MORI WORKING LAB」を開設するにあたり、事前に建物環境開発事業部(人員:約110名)所属員全員の業務パターンを分析しました。
その結果、部署全体の在席率は最大でも71%(図1参照)、また、自席にて行なう1回あたりの業務時間は2時間以内(図2参照)、という業務パターンを解明しました。
また、今のオフィスについての改善要望を聞いたところ、オフィスレイアウト、デスク周り、働く環境の自由度、リラクゼーション、コミュニケーションなど、オフィスワーカーのニーズは多様化、複雑化、専門化していることが分かりました。(図3参照)
新しい働き方:自由にワークスタイルを選べる「フリースタイル アドレス」の提案
これらの業務パターンを踏まえ、多様化するオフィスワーカーのニーズに応えるべく、業務の内容により、働く場所や環境を自由に選択(2時間毎の予約制)できる「フリースタイルアドレス」を提案、これにより業務の計画性および、効率性の向上に繋がると考えています。

個人作業用の集中デスク

ミーティングやチーム作業に最適なベンチシート
打ち合わせのスタイルも、目的に応じて選択できます。音環境、光のシーン等を調整し、下記の3タイプの会議室を備えます。
(1)発表に適した音環境、室形状を実現した「プレゼンテーション用」
(2)光の色温度を調整、吸湿性のある壁材を使用した、活発な議論に最適な「ブレスト用」
(3)調音パネルにより響きを抑え、落ち着いたミーティングが可能な「報告・意思決定用」
さらに、「フリースタイル アドレス」をサポートするシステムとして、在席管理システムを導入。このシステムにより、2時間毎に働く場所を簡易に予約でき、行先表示(確認)も可能です。このシステムにより、在席状況の把握から業務管理などの分析に活用していく予定です。
コミュニケーションを活性化させるレイアウトプラン
レイアウト変更および書類削減によりオフィスの省スペースを実現
レイアウト変更やオフィス什器の見直し、書類削減によりオフィスの省スペース化が実現しています。レイアウト変更前との比較では、執務エリアの席数を確保しつつ、面積を28%減とする一方で、コミュニケーションエリアは面積が80%増加し、席数も32席→77席と大幅に増えました。また、使わない書類の廃棄や書類の共有化・データ化により、書類量も56%削減し、省スペース・環境対策にも寄与していることが分かります。
調音システム、昇降デスク、照明器具など先端のオフィス建材を開発・採用
当社は、ユーザーに最も近い運営管理者としてのノウハウを生かして、オフィスワーカーをサポートする様々なオフィス建材を提案・開発しています。例えば、会話を打ち消す特殊音を流し、会議室から漏れてくる会話を遮断し環境演出する「サウンドマスキングシステム」、気分や体調に合わせて姿勢を変えて業務をすることが可能な「フリースタイルデスク」など、これらの先端機器が快適なオフィス環境を創り出します。