森ビル株式会社(東京都港区 代表取締役社長 森稔)は、今年1月よりエレベーターメーカー等と共同で研究・開発を進めてまいりました「長周期地震動検知システム」を、六本木ヒルズ森タワー(東京都港区 地上54階建)において10月3日より稼動いたしました。

昨年10月の新潟中越地震の際、東京都内の超高層ビルにおいてエレベーターの非常停止が発生しましたが、六本木ヒルズ森タワーでも、一部のエレベーターで運行を制御するロープが長周期地震動に合わせて大きく共振したことにより、一部部材の損傷などの故障が発生し運行停止状態となりました。このとき、東京での揺れは、既往(P波、S波)のエレベーター地震管制システムが作動しないような小さな(震度3程度)ものでした。

長周期地震動の問題は2003年十勝沖地震から研究が始まり、現在も研究が続いている新しい問題で、対策・対応も今まさに始まった分野です。当社は、新潟中越地震での被害を受けて、エレベーターロープの振れ止め対策をメーカー各社に依頼しハード的な対策を完了(2004年12月)。さらに、前回被害の発生した、既往の地震管制システムが反応しないほど揺れが小さく、かつ長周期成分を含む地震においても、エレベーターの安全停止、閉じ込め防止や早期復旧を果たすべく、エレベーターの感震器とは別に当社が設置する地震計を活用した独自の長周期地震動検知・管制運転システムの構築にメーカー数社とともに取組んでまいりました。このたび、システム開発が完了し10月3日より稼動開始いたしました。

当社といたしましては、お客様に快適にご利用いただけるよう、今後も引き続き、より一層安全で魅力的な街づくりに取組んでまいります。

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ペンデュラム方式