森 ビル株式会社(本社:港区赤坂/代表取締役社長:森 稔)の100%子会社であるフォレストオーバーシーズ株式会社をはじめ、日本を代表する銀行、保険、 商社などは2003年2月13日、中国上海市浦東新区陸家嘴金融貿易区で101階建て、高さ492mで世界最高となる超高層複合ビル『上海環球金融中心 (Shanghai World Financial Center)』の新方案設計披露のセレモニーを行い、プロジェクトを再始動します。

当プロジェクトは、地上101階、延床面積約377,300m2、高さ492mで、完成するとマレーシアのペトロナスツインタワー(452m)を抜いて世界一の超高層ビルになります。
設計には超高層建築で世界的に評価の高いニューヨークの設計事務所コーン・ペダーセン・フォックスアソシエイツ(KPF)を起用し、斬新でシンボリックなデザインを採用しました。

用 途はオフィスを中心に、6ッ星級のホテル、店舗、美術館、シティクラブ、展望施設、駐車場などで構成されています。ビルの構造や防災計画については、構造 体の安全性を高めるためのメガストラクチャーの採用、避難フロアーの充実等々数々の対策を採用しており、非常に快適で安全性の高い超高層ビルとなります。

事 業主体は、現地法人『上海環球金融中心有限公司』で、同公司はフォレストオーバーシーズ株式会社を中核として、日本を代表する銀行、保険、商社など34企 業が設立した日本法人『上海環球金融中心投資株式会社』が全額出資し、今後新たな投資家からも資本参加を受けて、更に国際的な事業として推進していく予定 です。

建設地は、上海市浦東新区の中でも、アジアの国際金融センターと目されている陸家嘴金融貿易中心区に位置し世界で三番目の高さの金茂大厦に隣接する街区30,000m2で、同地区の中心を走る基幹道路である幅100mの世紀大道に面し、100,000m2の中央緑地公園を望む最高の立地です。

同 地域では、すでに多くの超高層ビルが立ち並び、国内外の主要銀行をはじめ証券取引所、各種商品取引所、商社などが集積したビジネスエリアとして日に日に整 備が進んでいます。またホテル、高級住宅の他アメニティ施設も次々と建築され、魅力的な街へと確実に変貌しつつあります。
また浦東地区の交通イン フラも急速に整備が進んでいます。国際的なハブ空港である浦東国際空港が順調にスタートし、空港と都心部を結ぶ今話題のリニアモーターカーも試運転段階に 入っており、年末にかけて商業運転に入る予定になっています。また浦西地区との交通アクセスを強化するため復興東路トンネルや大連路トンネルの工事が進ん でおり2年以内に完成し、盧浦大橋も本年度竣工予定です。また環状鉄道である明珠線も2005年には浦東の陸家嘴地区を通って通勤の足の改善に大きく寄与 するものと思われます。

このビル建設は、中国政府が国家プロジェクトとして開発を進めている上海市浦東新区の発展をより確実なものとするもので、上海市政府のご支援を得て進めてきたものです。
こ のビルは、世界の企業に最先端のビジネス空間を提供することができ、上海市が国際都市としての地位を確立する上で、大いに貢献するものと考えております。 建設にあたり、フォレストオーバーシーズでは、森ビルが日本で培ったビル事業のノウハウを活かし、良質なオフィススペースと運営管理まで含めた質の高い サービスの提供によって、企業の経済活動を支援すると共に、中国におけるオフィスビルのモデルにしたいと考えています。

今後は、拡大初歩設計作業を進め、順調に進捗した場合には今年の夏に終了する予定で、その後許可を得て、山留掘削工事、地下工事へと工事を進めてまいります。
なお、この工事に先立ちまして、関係ご当局の許可を得て低層部形状変更に伴う鋼管杭追加工事を2月末から行う予定です。
本プロジェクトの竣工は2007年半ばを予定しております。

なお、中国におけるフォレストオーバーシーズの事業は以下の2棟であり、今回の上海環球金融中心は3棟目になります。

1.「森茂大厦」
大連市にて1996年10月に完成したオフィスビル
地上24階建、延床面積46,400m2

2.「HSBCタワー」(旧)「上海森茂国際大厦」
上海市にて1998年4月に完成したオフィスビル
地上46階建、延床面積116,800m2

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上海環球金融中心完成イメージパース

<各施設紹介>

■事務所(7階~77階) ~最先端のスペックを備えたインテリジェントオフィス~
建物全体面積の約6割を占め地上7階から77階までに位置するオフィスは、天井高2.8m~3.0m、OAフロアー15cm~30cmを備え、超高速のネットワーク、徹底したセキュリティなどを備えた世界的にも最新鋭のオフィスビルです。

■ホテル(79階~87階)~世界最高の場所で世界最高のサービスの提案を~
21世紀の世界の金融都市上海、陸家嘴金融貿易区に相応しく世界のトップエグゼクティブが利用するホテルとなります。
天井高、部屋のサイズといったハード面はもとより、世界最高水準のサービスを提供し、豊かで潤いのある時間創出の手助けをします。

■商業施設 (地下2階~地下1階、2階~3階、スカイロビー階)
在館者および世界最高峰のタワー展望台への来訪者の飲食需要が相当予想されるため飲食店舗主体の構成とする予定です。
(こ だわりのレストラン、オープンカフェ、ヘルシーなテーマカフェ&レストラン、忙しい都市生活者がクイックに食事を楽しめるよう、バラエティ豊かなテイクア ウト対応を兼ね備えたフードゾーン等々)店舗の詳細等は未定ですが陸家嘴地区の他の施設との調和も配慮しつつ平日週末を問わず賑わいがあり、かつ親しみの 持てる空間構成を演出していく予定です。
またスカイロビー階の店舗はキャッシュディスペンサー、クーリエサービス、郵便局、DPE、メディカルモール、美容・理容室、リペアショップ軽飲食等々の事務所へのサービス施設主体とする予定です。

■展望施設 (90~97階):
地上405mの世界最高峰から上海を一望できる展望台で日々ダイナミックに変化する上海を実感できる空間です。また大きく開いた円形の開口部にはオープンエア形式のブリッジが設置され大パノラマを楽しむとともに上空を流れる風や空気を肌で感じることができます。
この展望台はその象徴性、特異性のために上海の観光スポットの一つとなり、上海、特に浦東を訪れる観光客を大幅に増やし地元経済へも大きく寄与できるものと考えています。

■美術館(3階~5階)
上海環球金融中心をより品格のあるビルとしまた同地域で働き、居住する人々の文化的欲求に応えるためにも低層部分に美術館を予定しています。
この美術館の性格についてはまだ検討段階ですが、国際的に著名な美術館との提携・東京六本木ヒルズの森美術館との提携ネットワークにより、上海市民の方々だけでなく世界各地からこの地を訪れる方々に対し世界の現代美術を堪能できる空間を目指したいと考えています。

■クラブ(階数未定):
政 治、外交、ビジネス、教育、医療、芸術、建築、デザイン、メディア、スポーツ、エンターテイメントなどの幅広いジャンルで活躍している人々が集う、メン バーシップクラブ。レストランやバー、個室ダイニングなど多様なバリエーションをもつクラブは、新しい文化と出会いコミュニティが生まれる拠点として機能 します。

■多目的ホール ~パフォーマンスアートなど文化的イベントを開催~
様々なイベントを通じ情報発信基地として、幅広くお使い頂けます。