森ビル株式会社

「人に伝えること」に挑戦するアーティストが仕掛ける一夜(第3回)

2013年01月18日

今月のゲスト:アーティスト 日比野克彦さん

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一晩中、アートにまつわる様々な催しが行われ、多数のアーティストや一般市民が参加する日本最大級のアートの饗宴「六本木アートナイト」。開催5回目を迎える今年、アーティスティックディレクターに日比野克彦さんが就任しました。80年代から領域横断的な活動が注目を浴びてきた日比野さんが、今回のイベントにかける意気込みとは。アートを通して「人に伝えること」に挑戦し続けてきた日比野さんならではの思いに、「六本木アートナイト2013」への期待が一層高まります。

アーティストたちの船が行き交う一夜
トリップ感、移動がキーワード

「六本木アートナイト2013」のテーマは、『今日が明日になるのを目撃せよ。』。夜という時間の不思議なトリップ感から考えたものです。
人間は色々な乗り物に乗って地球上を移動しますよね。極端な話、旅をしてきたから進化できたし、僕が個人的に色々な価値観を掲載していくのも、物理的に知らない土地に移動して、知らない人や知らない文化に出会ってきたからです。やはり「移動する」というのは、とても大事なことだと思うんです。そこで、僕は移動する手段として「船」を、自分の作品のモチーフとして良く使っています。

12の「アート船」が誘うアートナイト

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今回は、参加するアーティストたちに船という一つの発表の場を用意して、それぞれがその船を装飾するとか、その船をステージにしてパフォーマンスをするといったことをやってもらいます。全部で12くらいの「アート船」を出す予定で、3つの拠点を作って「アート船」を停泊させます。そこを行き交う案内人や船に、誘われながら皆が動いていく。
あとは六本木の商店街にも、アーティストたちが自分の土産話をしている場所を設えようと思っているんですよ。一晩の回遊ルートをこちらできちんと案内して、アーティストと出会ってパフォーマンスを見て、お店も見て行けるようなプログラムを考えています。

『六本木アートナイト2013』

日時:2013年3月23日(土)10:00 ~ 24日(日)18:00
コアタイム:日没(17:55)から日の出(5:39)まで
場所:六本木ヒルズ、森美術館、東京ミッドタウン、サントリー美術館、21_21 DESIGN SIGHT、国立新美術館、六本木商店街、その他六本木地区の協力施設や公共スペース

プロフール

アーティスト。1958年、岐阜市生まれ。東京藝術大学大学院修了。1980年代に領域横断的、時代を映す作風で注目される。作品制作の他、身体を媒体に表現し、自己の可能性を追求し続ける。各地域の参加者と共同制作を行い社会で芸術が機能する仕組みを創出。ぎふ清流国体•ぎふ清流大会総合プロデューサーを務める。日本サッカー協会理事。東京藝術大学美術学部先端藝術表現科教授。