森ビル株式会社

「人に伝えること」に挑戦するアーティストが仕掛ける一夜(第1回)

2013年01月04日

今月のゲスト:アーティスト 日比野克彦さん

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一晩中、アートにまつわる様々な催しが行われ、多数のアーティストや一般市民が参加する日本最大級のアートの饗宴「六本木アートナイト」。開催5回目を迎える今年、アーティスティックディレクターに日比野克彦さんが就任しました。80年代から領域横断的な活動が注目を浴びてきた日比野さんが、今回のイベントにかける意気込みとは。アートを通して「人に伝えること」に挑戦し続けてきた日比野さんならではの思いに、「六本木アートナイト2013」への期待が一層高まります。

六本木のイメージが変わっていった

「六本木アートナイト2013」のアーティスティックディレクターに就任しました。六本木はここ10年くらいで、一気に街の風景が変わりましたよね。
六本木ヒルズができて、森美術館できて、ミッドタウンができて、国立新美術館がやってきて、それまでのイメージに変化があったんです。そこで、六本木のブランディングをし直そう、イメージを新たにしていこうと2009年に始まったのが、「六本木アートナイト」です。

アーティストの「出会いの場」として

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「六本木アートナイト2009」の様子
平野治朗「《GINGA》@六本木」

僕も「六本木アートナイト」には第一回目の開催時から参加しています。「六本木アートナイト」は、年に1回、アーティストにたくさん会える年中行事のようなもの。互いに媒体で情報を見ていたり、長期のアーティストレジデンスのようなところやオープニングでは数人と会えたりするのですが、アーティスト同士が出会う機会というのはなかなかないものです。
でも、その日の六本木では、アーティスト同士が「だれかいないかな」「六本木に来ているはずだから、どこかで会うだろう」と思っているような面白さがありますね。音楽だったらフェスティバルもたくさんありますよね。規模の大きな野外フェスが音楽の世界にあるように、アートの世界でもアーティスト達が六本木に集まって現在の作風を表現していくという出会いの「六本木アートナイト」にしたいなと思っています。アーティストとしての視点で、まずはそんなことを考えました。

『六本木アートナイト2013』

日時:2013年3月23日(土)10:00 ~ 24日(日)18:00
コアタイム:日没(17:55)から日の出(5:39)まで
場所:六本木ヒルズ、森美術館、東京ミッドタウン、サントリー美術館、21_21 DESIGN SIGHT、国立新美術館、六本木商店街、その他六本木地区の協力施設や公共スペース

プロフール

アーティスト。1958年、岐阜市生まれ。東京藝術大学大学院修了。1980年代に領域横断的、時代を映す作風で注目される。作品制作の他、身体を媒体に表現し、自己の可能性を追求し続ける。各地域の参加者と共同制作を行い社会で芸術が機能する仕組みを創出。ぎふ清流国体•ぎふ清流大会総合プロデューサーを務める。日本サッカー協会理事。東京藝術大学美術学部先端藝術表現科教授。