森ビル株式会社

天才美術家・会田誠、その天才たる所以を知る(第5回)

2012年12月28日

今月のゲスト:美術家 会田誠さん

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森美術館で、2012年11月17日〜2013年3月31日まで開催されている『会田誠展:天才でごめんなさい』。会田誠の個展が美術館で開催されるのは今回が初めて。その上、展示作品数は、過去の作品だけでなく新作も含め、100点を上回ります。「お化け屋敷を周るように、気楽に入って、ギョッとして帰ってほしい」と話す会田さん。実は現在展示中の新作は、会期が始まってもなお未完。美術館閉館後の徹夜での制作活動に奔走している最中だそうです。どのような思いを込められて新作が仕上げられていくのか、貴重な機会にお話しを伺うことができました。

大きなキャンパスに細い筆で描く
会期中は徹夜で絵を描き続ける

展覧会にはなるべくたくさんのお客さんに来てほしいので、今の自分にとっては欲張りすぎなぐらいキャンパスのサイズも大きめで、モチーフも多い新作を作ろうとしました。結果、自分の首を絞めてしまったわけですが(笑)。
新作が展覧会の初日まで間に合わず、現在は未完のものを見せているという状態になっています。だいたいの色や構図は決まっているので、写真でいうところの「少しピントがぼけた状態」ですね。これから会期が終わるまでの4か月、22時までやっている森美術館の閉館後に毎日通って、徹夜で絵を描き続けるということを続けさせてもらうことになっています。

制作活動中はまるでサウナに入っているよう

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《ジャンブル・オブ・100フラワーズ》制作風景
撮影:渡邉 修 Courtesy: Mizuma Art Gallery

僕が使っているキャンパスは、300号や400号、場合によっては1000号にもなる大きな特注品です。対して、僕が使っている絵筆は、00号という画材屋にあるもののなかで一番細い筆。
そんな細い筆でそんな大きな画面に絵を描いていると、我ながら「自分は何をやっているのだろう」とため息が出そうになることもあります。でも、サウナに入っている人の気持ちの近いところがあって、「今は苦しいけれど、扉を開けて水風呂に飛び込んだらきっと気持ちが良いはずだ」と、気持ち良い未来を信じてじっとり汗をかいているというのが制作中の心境です。もう、我慢大会ですね(笑)。

『会田誠展:天才でごめんなさい』

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《ピンクの部屋》2011年
撮影:渡邉 修 Courtesy: Mizuma Art Gallery

会期:2012年11月17日(土)〜2013年3月31日(日)
会場:森美術館(六本木ヒルズ森タワー53階)
主催:森美術館、企画:片岡真実(森美術館チーフ・キュレーター)
協力:ミヅマアートギャラリー、シャンパーニュ ニコラ・フィアット、ボンベイ・サファイア

プロフール

1965年新潟県生まれ。1991年東京藝術大学大学院美術研究科修了。美少女、戦争画、サラリーマンなど、社会や歴史、現代と近代以前、西洋と東洋の境界を自由に往来し、奇想天外な対比や痛烈な批評性を提示する作風で、幅広い世代から圧倒的な支持を得ている。国内外の展覧会に多数参加。
主な展覧会に「六本木クロッシング:日本美術の新しい展望2004」(森美術館、2004年)、「ビリーフ」(シンガポールビエンナーレ、2006年)、「アートで候 会田誠・山口晃展」(上野の森美術館、2007年)、「バイバイキティ!!! 天国と地獄の狭間で―日本現代アートの今―」(ジャパン・ソサエティ、ニューヨーク、2011年)、「ベスト・タイム、ワースト・タイム 現代美術の終末と再生」(第1回キエフ国際現代美術ビエンナーレ、ウクライナ、2012年)など。また昭和40年生まれのアーティストで結成された「昭和40年会」、美術家の妻・岡田裕子主宰のオルタナティブ人形劇団「劇団☆死期」、小説やマンガの執筆など活動は多岐にわたる。