森ビル株式会社

デザインで世界中の人を驚かせるために(第1回)

2012年06月01日

今月のゲスト:デザイナー 森田恭通さん

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壁一面に広がる陶器の本棚や、本を積み重ねてできたライト。アート作品のようなインテリアが360度の眺望と相まって非日常の空間を生み出す<マドラウンジ>。4月20日(金)~12月25日(日)クリスマスまでスカイデッキで開催されている、ウォルト・ディズニー生誕110周年記念「スカイ・ドリーム・ショップ&デッキ」では、ミラーボールとディズニー・キャラクターのオブジェがキラキラと輝きます。訪れた人を魅了するこれらの空間をデザインしているのは、デザイナーの森田恭通さん。森田さんは、デザインをするときには「ハッピーなサプライズ」を大切にしていると言います。「ハッピーなサプライズ」はどのようにしてできあがるのか、これから挑戦したいことについて、お話を伺いました。

デザインの原点は大阪にある
世界と戦える自信がつくまで

僕がデザイナーとして独立したのは、13、4年程前。当時は仕事も多くなく、「このまま日本で戦って、やっていけるのだろうか」という不安がありました。香港の仕事をやってみたり、日本人の知り合いがいないロンドンで個展を開いたりと、「こういう人間が日本にいるんだ」ということを世界にアピールをしていた時代ですね。その時に声をかけていただいたメディアの方たちが徐々に活動の場を広げてくださって、今の僕があると思っています。
インタビューでは「原点はどこか」とよく聞かれるのですが、軸には“大阪の精神”があるのではないでしょうか。「海外でそんなに仕事をしていて、怖くない?」と聞かれれば、「僕はずっと大阪のおばちゃんを相手にしてきました。それ以上怖いことはないから、どこに国に行っても大丈夫ですよ」とよく冗談を言っています(笑)。

一度はペンを置いて考える

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スカイ・ドリーム・デッキ

ものづくりをする過程で僕が必ず通るのが、「ペンを持たずに考える」ということです。最終的にはペンを持ってスケッチを書いたりするのですが、始めからペンを持ってしまうと、どうしても格好良いものやきれいなものに仕上げてしまいがち。
だから、一度ペンを置いて考えてみる。「こういう形がいいかな」「こういう明るさがいいかな」「こういう匂いがいいかな」と妄想していくんです。格好良いことが、いつも良いとは限らない。例えばお好み焼き屋さんも、格好良すぎる店だと入りづらいですよね。オカンが出てきそうな店の方が、美味しく感じる時もあるんです。
その“外し方”というのも、ひたすらペンを持っていては思いつかないと思っています。

ウォルト・ディズニー生誕110周年記念「スカイ・ドリーム・ショップ&デッキ」

会期:4月20日~12月25日
会場:六本木ヒルズ展望台 東京シティビュー(森タワー52Fおよび屋上)
営業時間:11:00~22:00(最終入場21:30)※スカイ・ドリーム・ショップは10:00〜22:00
料金:一般 2000円 高校・大学生 1500円 4歳~中学生 800円(展望台入館料含む)
※スカイ・ドリーム・ショップは展望台入館料のみでお楽しみいただけます
※会期中無休。ただし雨天や強風などの荒天時はクローズする場合があります(スカイ・ドリーム・ショップは営業)

プロフール

1967年大阪生まれ。2001年の香港プロジェクトを皮切りに、ニューヨーク、ロンドン、上海など海外へも活躍の場を広げ、インテリアに限らず、グラフィックやプロダクトといった幅広い創作活動を行なっている。2011年にはプロダクトデザイン会社「code」も設立。The International Hotel and Property Awards 2011、China Best Design Hotels Award Best Popular Designer、THE LONDON LIFESTYLE AWARDS 2010 (aqua LONDON)、The Andrew Martin Interior Designers of the Year Awardsなど、受賞歴多数。