森ビル株式会社

東京だけが持つ、軽さと便利さ(第1回)

2012年04月01日

今月のゲスト:音楽プロデューサー 藤原ヒロシさん

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音楽活動やデザインを通して、東京のストリートカルチャーを牽引してきた藤原ヒロシさん。10代で単身渡英以降、東京に居を構えつつ、国内外を多忙に行き来する藤原さんが、「世界中で東京が一番好きだ」と話してくれました。その確かな審美眼で、手がけた様々のクリエイションが高く評価されている目利き。
彼が「好きだ」というのは東京のどんな部分なのか。1年程前から積極的に行っている自身のライブ活動や、日々の生活で見えている東京の姿について、藤原さんの言葉で語っていただきました。

世界中で、居心地が良いと思う場所
軽さとホスピタリティーは東京独特のもの

海外に行けば行くほど、東京の良さ、便利さがわかりますね。他の都市で住んでもいいかなと思うのは、ロンドンでしょうか。でも、東京がダントツですよ。
東京の良いところは、ある意味歴史がないところ。ヨーロッパのように、歴史があって良いエリアはたくさんあるのですが、歴史がなくて良いエリアっていうのが東京の特徴だと思っています。例えば、パリのような歴史のある街は、景観をすごく重要視して自由にできないところがあるじゃないですか。でも、東京はそれこそ森ビルのように、街ぐるみで作り変えたり、自由にできる。それはすごく都市っぽいと思うんですね。
あとは、日本人独特のホスピタリティ。それが他の国ではちょっと欠けているので住みづらいだろうと思っていまいます。どこでも絶対歩いて行けるところにコンビニがあるし、タクシーはいっぱいいるし、東京ほど便利なところはないですね。

逃げ場のある、狭間が心地好い

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六本木ヒルズ

僕が居心地が良いと思うのは、何かの狭間。メジャーとマイナーの狭間といったように、逃げ場がちゃんとあるということが良いですね。今はできるだけ常に居心地の良いところにいようと努力をしています。
普段は、六本木ヒルズのまわりや、原宿にいることが多いですね。原宿には今、表参道ヒルズもあれば、シャネルやルイ・ヴィトンもなんでもありますけれど、いまだにどこか村っぽいところがあるんですよね。それが良いところじゃないでしょうか。あまり高いビルがなくて低層で、古い家が残っていて、昔から住んでらっしゃる方も大勢いる。だから、あったかい感じがしているんだと思いますね。

プロフール

1964年、三重県伊勢市生まれ。音楽プロデューサー、fragment design主宰。10代の頃に単身渡英し、帰国後DJとして活動を開始。以後、音楽、ファッションを中心としたクリエイションを展開し、ストリートカルチャーのパイオニアとして評価を得る。現在は、真心ブラザーズのYO-KINGとのユニットAOEQからソロまで幅広い音楽活動を展開しながら、様々な分野にデザインを提供している。