森ビル株式会社

個人の突破力、行動力が未来を作る(第3回)

2012年03月16日

今月のゲスト:ビジネスプロデューサー・日本元気塾講師 藤巻幸大さん

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六本木ヒルズ森タワーの49階、「創造」「交流」「発信」の場となっているアカデミーヒルズで、ビジネスパーソンに必要なスキルを学ぶことができる「Roppongi BIZ/六本木スクール」。一橋大学イノベーション研究センター長・教授である米倉誠一郎さんを塾長に、4人の講師が私塾を持つ形で行われている「日本元気塾」の第三期が、2012年5月からスタートします。
伊勢丹のカリスマバイヤーとして知られ、現在はビジネスプロデューサーとして様々な企業の相談役を担う藤巻幸大さんも講師のひとり。藤巻さんが「日本元気塾」で伝えていきたいこと、それは今後の日本において重要な「個人の突破力・行動力」「現場での力」だと言います。「日本元気塾」で若者に伝えることの根底にある熱い想いをお伺いしました。

若い世代に伝えたい「創造と破壊」
スティーブ・ジョブスの死に思ったこと

今はルールが多すぎると思います。僕は、ルールは壊すものだと思っていて、経営者でも色々な方が言われていますけれど、「創造と破壊」ですね。やはり何か壊さないと新しいものは生まれない。これからの日本は、少なくとも40年前とは変わっているわけだから、団塊の世代からあるルールを壊していくっていう姿勢が若い人にないといけないと思いますね。「若い子たちの元気がない」、「草食系が増えている」というのは、我々の責任でもありますから、僕は一番の問題だと思っています。アップルのスティーブ・ジョブスが亡くなった時に、アップルストアにたくさんの花が献花されたでしょう。私の身近な人でも泣いている人がいましたよ。それで僕はすごくショックだった。「今、日本の経営者で、亡くなったときにこんなに花束をもらう人がどこかにいるだろうか」と。人が行動している姿は、他の人の心を打ちます。そういう基本的な情熱が日本には不足しているのではないでしょうか。成功することの安全策しか考えない大人が増えていると思います。だから、「サラリーマンの根性叩き直したい」と思っているのです。

縛られず、楽しいことをエネルギーに変えて

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日本が伸びている時には、「大きいことは良いこと」でも良かったのでしょうけれど、私は今、もう一度個人の力を見直す時に来ているのではないかと思っています。サラリーマンがみんな同じような黒いスーツを着て、黒いバッグを持って、同じような表情。声を出してはいけないというような風潮がどこかにある気がします。
縛られているというか、管理されているというか、そこから解き放って、個人の突破力や行動力を磨いてもらいたい。数年前、ビートたけしさんに会って、かわいがってもらったことがありました。その時に、たけしさんが「人間は、生きてるだけで立派なんだ」とおっしゃったことがあります。生まれるっていうことはそもそも大変なことです。それを背中に背負って人生生きていかなければいけないのですから、いかに楽しくするか。楽しければ、エネルギーは出てきます。

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プロフール

1960年東京生まれ。上智大学卒業後、伊勢丹に入社。「解放区」「リ・スタイル」「BPQC」など数々の売り場をプロデュース。2000年に独立し、アパレル会社、バッグ会社の役員を経て2003年福助株式会社の社長を務め1年半で再建を果たす。現在、株式会社シカタ代表取締役プロデューサー、株式会社テトラスター代表取締役社長などを兼任。最近の著書に「ビジネスパ-ソンの街歩き学入門」(ヴィレッジブックス)、「大改訂図解チームリーダーの教科書」(ダイヤモンド社)などがある。