森ビル株式会社

巨人V9戦士が伝えたい、野球と人生の魅力(第4回)

2011年10月21日

今月のゲスト:野球解説者 柴田 勲さん

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今年、プロ野球に小さからぬ影響を与えた統一球の変更。一般的に「打球が飛びづらくなった」と言われる新しい統一球が、プロ野球界に変換期をもたらしたと語るのは、元プロ野球選手の柴田勲さんです。甲子園で二度優勝投手に輝き、その後入団した読売巨人軍では王貞治、長嶋茂雄らとV9の黄金時代を築いた名選手。「銀座の盗塁王」という異名を持つ柴田さんは、豪快なプライベートでも注目を集めました。
現役を引退してから野球解説者・名球会の会員として未来のプロ選手を育てる活動に力を注ぐ柴田さんに、野球の魅力、そして元気に過ごす秘訣を聞きました。

第4回 長年、野球を見つめてきて今思うこと
野球選手を目指すならば、基本を早く忠実に

野球は、基本を早く忠実に体に身に着けた人が良い選手になります。ピッチングは良い投げ方をすれば、良い球がいきます。バッティングでもやはり優しい球を基本通りに打てばヒットになる確率は高いわけですよ。
相手が良いピッチャーであれどうであれ、自分が打てる球をしっかり打つ。打てない球は降らない。真っ直ぐ、カーブ、スライダー、ホークだけじゃなくて、シンカーを投げたり、色々なムービングボールもあるけれども、ピッチャーの基本はコントロールです。バッターからしてみれば、ピッチャーの一番良い球を打とうと思っても、ボール球を打ったらヒットになる確率は少ないわけです。やっぱり失当、甘い球をしっかり打つというのが基本です。

プロ野球選手は、プレーでお客さんを楽しませる

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今後のプロ野球界がどうなってほしいかということに関しては、本当に色々ありますけれど、何よりもやはりお客さんに喜んでもらうようなプレーをしていってほしいですね。お金をとって見てもらうのがプロですから。
「自分のこういうところを見てほしい」ということをしっかり前面に出してアピールをして、お客さんがグラウンドに足を運んでくれるように、プロの面白さ・楽しさという魅力をどんどん出していってほしいなと思っています。

プロフール

1944年、神奈川県生まれ。元プロ野球選手。野球解説者。法政二高校時代、全国選抜高校野球大会でエースとして活躍し、1960年夏大会、1961年春大会と連続して優勝投手となる。特に浪商の尾崎との投げ合いで注目を浴びる。1962年、読売巨人軍に入団。打者に転向、快足を活かした切り込み隊長として盗塁王6回と大活躍、またバッティングもスイッチヒッターを試み、赤い手袋をトレードマークに優秀な成績を残した。1981年、現役を引退。その後、巨人軍のコーチなどを経て、現在は解説者として野球の魅力を広く伝えている。