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巨人V9戦士が伝えたい、野球と人生の魅力(第2回)

2011年10月07日

今月のゲスト:野球解説者 柴田 勲さん

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今年、プロ野球に小さからぬ影響を与えた統一球の変更。一般的に「打球が飛びづらくなった」と言われる新しい統一球が、プロ野球界に変換期をもたらしたと語るのは、元プロ野球選手の柴田勲さんです。甲子園で二度優勝投手に輝き、その後入団した読売巨人軍では王貞治、長嶋茂雄らとV9の黄金時代を築いた名選手。「銀座の盗塁王」という異名を持つ柴田さんは、豪快なプライベートでも注目を集めました。
現役を引退してから野球解説者・名球会の会員として未来のプロ選手を育てる活動に力を注ぐ柴田さんに、野球の魅力、そして元気に過ごす秘訣を聞きました。

第2回 基本をしっかりと押さえることが何より大切
王貞治のノーワインドアップが全ての始まり

僕の野球の原点は、高校野球です。テレビで王さんのノーワインドアップを見て、「将来、甲子園に出たいな」って思ったんです。神奈川県出身なので、神奈川県のどこの高校に入るのが甲子園の近道かと考えて、その時に強かった法政二高に入りました。そこで、本当にラッキーなことに、35年の夏の甲子園と36年の春の甲子園で優勝することができたんです。
そうしてプロ入りして、王さんや長嶋さんと一緒に巨人軍の黄金時代でV9を経験させてもらったというものは、野球人生の誇りです。あの時の王さんのノーワインドアップがなかったら、僕の人生はこうなっていなかったと思います。

巨人軍の黄金時代も基本の延長にあった

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僕にとっては、巨人軍でのV9も高校野球の延長にあったもの。高校野球で自分がやってきたものが全ての原点だと思っているんです。
野球は複雑ですから、難しく考えると難しいスポーツになってしまいます。でも、「打ちたい」「うまく投げたい」「押さえなくちゃいけない」という基本で一番大切な部分は、小学校の少年野球から同じなんですよね。
今の選手は、我々の時代の現役選手と比べても体格的・体力的には恵まれているんじゃないかと思います。だから、もっと基本に戻って、打てる球をしっかり打つということを大切にしてもらいたいですね。

プロフール

1944年、神奈川県生まれ。元プロ野球選手。野球解説者。法政二高校時代、全国選抜高校野球大会でエースとして活躍し、1960年夏大会、1961年春大会と連続して優勝投手となる。特に浪商の尾崎との投げ合いで注目を浴びる。1962年、読売巨人軍に入団。打者に転向、快足を活かした切り込み隊長として盗塁王6回と大活躍、またバッティングもスイッチヒッターを試み、赤い手袋をトレードマークに優秀な成績を残した。1981年、現役を引退。その後、巨人軍のコーチなどを経て、現在は解説者として野球の魅力を広く伝えている。