森ビル株式会社

巨人V9戦士が伝えたい、野球と人生の魅力(第1回)

2011年10月01日

今月のゲスト:野球解説者 柴田 勲さん

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今年、プロ野球に小さからぬ影響を与えた統一球の変更。一般的に「打球が飛びづらくなった」と言われる新しい統一球が、プロ野球界に変換期をもたらしたと語るのは、元プロ野球選手の柴田勲さんです。甲子園で二度優勝投手に輝き、その後入団した読売巨人軍では王貞治、長嶋茂雄らとV9の黄金時代を築いた名選手。「銀座の盗塁王」という異名を持つ柴田さんは、豪快なプライベートでも注目を集めました。
現役を引退してから野球解説者・名球会の会員として未来のプロ選手を育てる活動に力を注ぐ柴田さんに、野球の魅力、そして元気に過ごす秘訣を聞きました。

伝説の巨人OBが見た、今年の野球
今、野球は変換期にある

今シーズンから、公式のボールが変わったということで野球の変換期かなと思っています。去年までの打てるチーム、ホームランを打つチームがかなり苦戦している状態で、どちらかというと投手陣がしっかりしているチームが勝ち上がってきていますね。野球をよく知っていて足も速い1番バッター、送りバントもエンドランもできる2番バッター、そして3、4、5で帰すという、野球の原点のようなバランスの良いチームをこれからどこも目指していくんじゃないでしょうか。
ホームランばかりという野球から、1点1点をうまくとっていく、厳密な野球ですね。我が巨人軍は苦戦していますね。私は巨人軍一筋でずっとやってきた巨人のOBであり、巨人ファンなので、どうしても後輩たちには頑張ってほしいなという思いです。

改めて「巨人らしさ」を目指してほしい

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今の巨人軍は、巨人らしさがちょっとなくなっちゃっているんじゃないかなとも思うんです。僕らの時代が良いとか悪いとかじゃなくて、グラウンドに行ったり、ファンの人たちの話を聞いていても、そんな声が聞こえてくるんですよ。昔で言う、長嶋さんや王さんのような「どうしてもあの選手が見たい」という思いにさせる生え抜きのスターがいないんだよね。
残念ながら今年の巨人軍は、1点をとるのがあまりうまくないんでね。ファンの方からすれば、「物足りないなぁ」という感じが否めないと思いますね。もし今の巨人軍に自分がいたら、それなりの貢献はできるだろうと思いますけれど、野球も時も、流れていますから。

プロフール

1944年、神奈川県生まれ。元プロ野球選手。野球解説者。法政二高校時代、全国選抜高校野球大会でエースとして活躍し、1960年夏大会、1961年春大会と連続して優勝投手となる。特に浪商の尾崎との投げ合いで注目を浴びる。1962年、読売巨人軍に入団。打者に転向、快足を活かした切り込み隊長として盗塁王6回と大活躍、またバッティングもスイッチヒッターを試み、赤い手袋をトレードマークに優秀な成績を残した。1981年、現役を引退。その後、巨人軍のコーチなどを経て、現在は解説者として野球の魅力を広く伝えている。