森ビル株式会社

伝説のボクサーが、今子供達に伝えたいこと(第3回)

2011年07月15日

今月のゲスト:ファイティング原田ジム会長/日本プロボクシング協会終身名誉会長 ファイティング原田さん

1107_img.jpg

「最も偉大な日本人ボクサー」として、ボクシングの歴史に名を刻むファイティング原田さん。日本人初の2階級制覇を達成し、アメリカのボクシング殿堂に選ばれた唯一の日本人です。現在は、自らの名前を冠した「ファイティング原田ジム」を主宰し、後進の指導に当たっています。
四半世紀、ボクシング一筋。自身の現役時代からは、練習の方法も選手のモチベーションも変わりました。それでも変わらないボクシングの素晴らしさに魅せられて、日々子供達と向き合う原田さんにお話を伺いました。

第3回 ボクシング一筋のこれからの夢
3階級制覇を達成してほしい

僕のこれからの夢は、3階級制覇を達成する選手を育てることです。僕は世界チャンピオンにはなれたけれど、3階級制覇までは幻で終わった。だから、僕は自分の手で3階級の優れた選手を育てあげるまで頑張りますよ。
優れた選手を育てるには、夢や希望、そして感動を与えていかなければいけないと思っています。そういうイメージが持てると全然違いますよ。「名選手は名コーチになれない」という言葉も聞いたことはありますが、コーチに情熱があれば選手はついてくると信じています。だから、その情熱はいつまでも持ち続けていなければいけないですね。

歳を取るほどに体を動かして

1107_3_1.jpg

僕も70歳近くなって、体も前のようには動かなくなってきています。それでも、歳を取るほどに若い人以上に動く意識を持っていなければいけないと思っています。もう亡くなってしまったのですが、僕が行っていた笹崎ジムの会長は選手に対してすごく一生懸命な人でした。
いくつになってもジムに出てきて引っ張っていってくれるから、教わる方も「つらいけれど、ついて行こうかな」という気になる。その会長を見習って、練習に出ていくようにしているんです。ジムに出るとなれば、ひげもそらなくてはいけないし、目方が増えすぎてもいけないから、老けている暇はありませんよ。

プロフール

1943年、東京都生まれ。1960年、笹崎ジムからプロデビュー。1962年、史上最年少(19歳)で世界フライ級王者となる。1965年、世界バンダム級王者となり、日本史上初の2階級制覇を達成。以後4度防衛する。1989年、全日本プロボクシング協会会長に就任。翌年平成2年には、日本人で初めて米国殿堂入りを果たした。1970年1月、ファメションとの再戦にKO負けした試合を最後に引退。62戦55勝(23KO)7敗。日本人には一度も負けていない。現ファイティング原田ジム会長ならびに日本プロボクシング協会終身名誉会長。