森ビル株式会社

伝説のボクサーが、今子供達に伝えたいこと(第1回)

2011年07月01日

今月のゲスト:ファイティング原田ジム会長/日本プロボクシング協会終身名誉会長
 ファイティング原田さん

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「最も偉大な日本人ボクサー」として、ボクシングの歴史に名を刻むファイティング原田さん。日本人初の2階級制覇を達成し、アメリカのボクシング殿堂に選ばれた唯一の日本人です。現在は、自らの名前を冠した「ファイティング原田ジム」を主宰し、後進の指導に当たっています。
四半世紀、ボクシング一筋。自身の現役時代からは、練習の方法も選手のモチベーションも変わりました。それでも変わらないボクシングの素晴らしさに魅せられて、日々子供達と向き合う原田さんにお話を伺いました。

第1回 「ファイティング原田ジム」で後進の指導にあたって
まずは、挨拶から始まる

今は自分が主宰する「ファイティング原田ジム」で、後進の指導を行っています。スポーツは礼に始まり礼に終わる、それを子供達にも徹底して教えています。誰でもはじめは照れくさいので、ジムの扉を開けて大勢人がいるとその中にコソコソっと入っていこうとしてしまう。でも、トレーナーや先輩から、「おう」と声をかけられてしまいますから、そのうち大きな声で「おはようございます!」と挨拶ができるようになります。
ジムでの挨拶に慣れていけば、外で人に会った時にも「こんにちは」と挨拶ができるようになる。普段うるさく言われているだけあって、それが他の子供達と全然違います。「運動をしていた子は違うね~」と言われてほしいから、子供達にもそれを目指してほしいと思っています。

自ら積極的に苦労をした方が良い

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ジムでの練習風景

強い選手を育てるためには、厳しさがないといけません。でも、ただ厳しくするだけではついてこられない。僕が必死で練習していた頃は、水も飲ませてもらえないような、ひたすら厳しい練習を課せられる時代でした。その時と同じことをやっていると「原田さん、そのやり方は古いですよ」と言われてしまいます。だから、本当に難しいですね。
今の時代は頭脳派のチャンピオンも多いけれど、やっぱり体も動いていないとだめ。自分で苦労した人は強くなると思います。

プロフール

1943年、東京都生まれ。1960年、笹崎ジムからプロデビュー。1962年、史上最年少(19歳)で世界フライ級王者となる。1965年、世界バンダム級王者となり、日本史上初の2階級制覇を達成。以後4度防衛する。1989年、全日本プロボクシング協会会長に就任。翌年平成2年には、日本人で初めて米国殿堂入りを果たした。1970年1月、ファメションとの再戦にKO負けした試合を最後に引退。62戦55勝(23KO)7敗。日本人には一度も負けていない。現ファイティング原田ジム会長ならびに日本プロボクシング協会終身名誉会長。