森ビル株式会社

東北が大好きなオラが、今できること(第4回)

2011年05月20日

今月のゲスト:山形弁研究家 ダニエル・カールさん

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東北に惚れ込んだダニエル・カールさんが、山形弁研究家、マルチタレントとして日本のテレビで活躍するようになって十数年。東北関東大震災が起きてからは、個人で様々なかたちの被災地支援を行っているそうです。震災直後から続けているのはツイッタ―での情報発信。道路が復活してから個人で行っている物資支援。現地では地元の人々の声を聞いて物資のニーズを探り、日本に住んでいる外国人の友人の声を聞いては、正しい情報発信の大切さを実感していると言います。在日外国人として、東北を愛するものとして、今何ができるのか日々考えながら行動を続けるダニエル・カールさんにお話を聞きました。

第4回 オラが大好きな東北に恩返しをしたい
東北文化のバラエティの豊富さに惹かれて

東北の良いところを聞かれて、最初に思い浮かぶのは大自然ですね。東北が日本の他の地方と違うのは、まず人口密度が低いところ。山が多くて平地が少ないので、同じ土地の広さがあるところと比べても農業ができるところは少ない地域だと言えるでしょう。雪も多くて環境も厳しい。そういった理由から、方言や食文化、お祭りなどを見ても、日本のなかでも独特な文化を持っています。
そんな東北文化のバラエティの豊富さに気付いて、勉強すればするほど、面白くなっていったんです。とはいえ、初めに気に行ったのは食文化。東北のお味が、オラのベロに合っているということから、何でもかんでも好きになりました。

被災地への支援はこれからも続く

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オラは、東北が好きで好きでたまらないんです。東北の人には、これまでに何十万人と会っていますが、どこへ行っても皆さんとても親切にしてくれました。お土産はくれるしごちそうも出してくれる世話好きな人が多いし、とにかく笑かしてくれる。だから、僕が震災が起きてから行動していることも、今までお世話になってきた分のお返しをしているつもりです。
疲れすぎた時はトラックを止めて昼寝をして、体を壊さないようにだけ気を付けていれば、あとは苦労なんて感じません。ただひとつ、東北のことを心配してくだすってる皆さんには、「今だけじゃない」ということは忘れねぇでいただきてぇんだな。
これから、東北の食べ物を探して買って下さい。あとは自分の専門分野でいいので、東北に何ができるかをじっくり考えていただきてぇな。

プロフール

1960年、米国カリフォルニア州生まれ。山形弁研究家、マルチタレント。高校時代、交換留学生として奈良県智弁学園に1年間在日。大学生時代、大阪の関西外国語大学に4ヶ月学び、その後、京都の二尊院に2ヶ月ホームスティ、佐渡島で4ヶ月文弥人形づかいの弟子入りをした。大学卒業後、日本に戻り文部省英語指導主事助手として山形県に赴任し、3年間英語教育に従事。その後上京し、セールスマンを経て、翻訳・通訳会社を設立。十数年前からテレビ・ラジオ等の仕事を兼務して現在に至る。3年間の山形での生活で鍛えた山形弁を武器に、ドラマ出演、司会、年間100回を超える講演会活動などを続けている。