森ビル株式会社

東北が大好きなオラが、今できること(第3回)

2011年05月13日

今月のゲスト:山形弁研究家 ダニエル・カールさん

1105_img.jpg

東北に惚れ込んだダニエル・カールさんが、山形弁研究家、マルチタレントとして日本のテレビで活躍するようになって十数年。東北関東大震災が起きてからは、個人で様々なかたちの被災地支援を行っているそうです。震災直後から続けているのはツイッタ―での情報発信。道路が復活してから個人で行っている物資支援。現地では地元の人々の声を聞いて物資のニーズを探り、日本に住んでいる外国人の友人の声を聞いては、正しい情報発信の大切さを実感していると言います。在日外国人として、東北を愛するものとして、今何ができるのか日々考えながら行動を続けるダニエル・カールさんにお話を聞きました。

第3回 これからも、誤報・過剰報道とのバトルは続く
自分自身のメッセージを、ユーチューブで発信

震災が起きてから、在日外国人の友達からの電話が鳴りやみませんでした。興奮状態で「ダニエル、逃げた方が良いと思う?」と言われて、「えっ、何のこっちゃ?」と驚きましたよ。よく話を聞いてみると、その友人達は海外メディアを見て、原発のことなどを心配していたんです。日本のメディアとのギャップを感じる海外メディアの過剰な報道に「これはパニックが起きるぞ」と不安を覚えて、自分自身で、ユーチューブを使って発信することにしました。
「海外メディアの皆さん、ヒステリックな報道をやめてください。過剰な報道、誤報によって、在日外国人がパニックを起こしそうな状態にあります」というメッセージを含んだユーチューブを配信したら、ハリウッドの有名な方も何人かリツイートしてくれて、どんどん拡散されて大ブレークしたんです。これからも、過剰な報道、誤報は続くと思うので、バトルしていきたいと思っています。

発言自由には賛成。無責任な自由には反対

1105_3_1.jpg

ユーチューブでメッセージを配信してからは、原子力に反対する過激派の人達から、「何を言ってるんだ、原発は危ないじゃないか」と反論をもらったんですが、僕が出したメッセージは原子力に賛成するでも反対するでもなく、「誤報をやめてください」というもの。国内でも、誤報やデマを流す人がいます。
発言自由というのはもちろん大賛成ですが、発言自由の裏側には自己責任ということも十分認識されるべきだと思っています。無責任な自由には反対。「オラは自由だけれど、オラはあなたの自由に邪魔になるようなことはしちゃあいけねぇ」ということを、皆が考えないといけないですよね。

プロフール

1960年、米国カリフォルニア州生まれ。山形弁研究家、マルチタレント。高校時代、交換留学生として奈良県智弁学園に1年間在日。大学生時代、大阪の関西外国語大学に4ヶ月学び、その後、京都の二尊院に2ヶ月ホームスティ、佐渡島で4ヶ月文弥人形づかいの弟子入りをした。大学卒業後、日本に戻り文部省英語指導主事助手として山形県に赴任し、3年間英語教育に従事。その後上京し、セールスマンを経て、翻訳・通訳会社を設立。十数年前からテレビ・ラジオ等の仕事を兼務して現在に至る。3年間の山形での生活で鍛えた山形弁を武器に、ドラマ出演、司会、年間100回を超える講演会活動などを続けている。