HILLS CAST
“東京をおもしろくするアイデア”を持ったゲストをお迎えしてお届けする「HILLS CAST」は、J-WAVEのラジオ番組「森ビル presents 東京コンシェルジュ」内で放送していた森ビルのラジオCMです。
※掲載内容は、取材・放送時点のものです。
東北が大好きなオラが、今できること(第1回)
2011年05月01日
今月のゲスト:山形弁研究家 ダニエル・カールさん

東北に惚れ込んだダニエル・カールさんが、山形弁研究家、マルチタレントとして日本のテレビで活躍するようになって十数年。東北関東大震災が起きてからは、個人で様々なかたちの被災地支援を行っているそうです。震災直後から続けているのはツイッタ―での情報発信。道路が復活してから個人で行っている物資支援。現地では地元の人々の声を聞いて物資のニーズを探り、日本に住んでいる外国人の友人の声を聞いては、正しい情報発信の大切さを実感していると言います。在日外国人として、東北を愛するものとして、今何ができるのか日々考えながら行動を続けるダニエル・カールさんにお話を聞きました。
第1回 被災地支援、一人ひとりができることから頑張っぺ
震災直後にしたこと、これから続けていくべきこと
震災の後はすぐにでも現地に向かいたいと思っていましたが、冷静に考えて、初めの2週間半から3週間くらいは、自分のいるところでできることを考えて行動してきました。しばらくして道路が復活して、やっと物資運びを始めることができたんです。それからは週2回くらいのペースで、東北に物資を運んでいます。行く度に地元の方々と話をして、現地で本当に必要とされているものを届けられるようにしています。
「何が不足しているんだ?」と聞いたら、「ダニエル、野菜が食いてえ」というようなお願いがありました。炭水化物はたくさん揃っているけれども、ビタミンや食物繊維を含むものが足りなくて、今一番必要とされているのは野菜だと思います。そのことに気付いたので、今度は野菜を2トントラックに乗せて、ツッタラパッタラ行ったり来たりするつもりでおります。
自分ができることから行動しているのは、オラだけじゃない

支援活動も、やったことがないからどうしたらいいかわからないことばかりで、1人で活動をしているのは中途半端なやり方と言われるかもしれません。でも、とにかく大変な状況にいる人のために、ほんの少しの助けになるかもしれねぇ、スズメの涙ほどのものなのかもしれねぇんだけれども、何とかせねばなんねぇと思って。そう思ってやっているのは、オラだけじゃないんですよ。
一生懸命に運転して被災地に向かっている他のボランティアの姿を見ていて、「ああ、みんなが頑張っているんだ」と、オラも心強くなります。本当に必要とされているのは何かというニーズを掴むのが一番大変なんですけれど、最近はネットワークも発達してやりやすくなってきている。お金を寄付したり、野菜を寄付したり、一人ひとりできることはたくさんあると思いますので、ぜひとも皆さん、頑張ってけらっしゃい。
プロフール
1960年、米国カリフォルニア州生まれ。山形弁研究家、マルチタレント。高校時代、交換留学生として奈良県智弁学園に1年間在日。大学生時代、大阪の関西外国語大学に4ヶ月学び、その後、京都の二尊院に2ヶ月ホームスティ、佐渡島で4ヶ月文弥人形づかいの弟子入りをした。大学卒業後、日本に戻り文部省英語指導主事助手として山形県に赴任し、3年間英語教育に従事。その後上京し、セールスマンを経て、翻訳・通訳会社を設立。十数年前からテレビ・ラジオ等の仕事を兼務して現在に至る。3年間の山形での生活で鍛えた山形弁を武器に、ドラマ出演、司会、年間100回を超える講演会活動などを続けている。