森ビル株式会社

「背広のプレーヤー」が野球を通して見つめた都市と人(第3回)

2011年03月18日

今月のゲスト:野球評論家 中畑 清さん

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読売ジャイアンツで13年間プレーし、「絶好調」のフレーズでファンの心を鷲掴みにした中畑清さん。現役を引退してからは自らを「背広のプレーヤー」と名付け、野球評論家として野球の現場から、現役選手だった頃の経験を活かした熱い言葉を送っています。
「絶好調」誕生の秘密、現在の野球界や自身の次の目標についてといった中畑さんのお話には、野球界に限らず社会全体に通じる人間関係や都市のあり方のメッセージが込められていました。

第3回 「背広のプレーヤー」として野球に関わる
野球評論家として解説の仕事の大切さ

ユニフォームを脱いでから、自分に「背広のプレーヤー」というキャッチフレーズをつけています。野球評論家として外から見ていても、プレーをしているような気持ちでいるんです。選手がどうしてミスを犯してしまったかという心理も手に取るようにわかる。
解説する者として視聴者の方々にその心理を代弁できたらいいなと思っています。「選手がどういう意識で、このミスを犯したか」が伝わったり、「打つ前にこれだけ良い準備ができたから、良い結果が出た」という補足的な解説によって、観戦はもっと面白くなるし、野球ファンが増えることに繋がると思っています。

2011年、野球界で楽しみなことは

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1年間戦うチームの戦力を分析するために、キャンプのシーズンには、1カ月の間に12球団をなるべく多く回るようにしています。でも全ては回りきれないので、自分がその年に気になった球団を主体にしてキャンプ巡りをしていますね。
今年注目しているのは、星野監督の楽天イーグルス。「セ・リーグとパ・リーグは違うのか」とよく言われていますが、やはり違う部分はあるんです。あとは、与えられた戦力で戦うわけですから、自分のイメージ通りの野球をするには、その戦力を本当に自分のものとしてチームを作り上げなければなりません。セ・リーグで星野野球が花開くのか、それはとても楽しみです。

プロフール

1954年福島県生まれ。駒澤大学卒業後、ドラフト3位で東京読売巨人軍入団。日本シリーズ第3戦(対西武)サヨナラ安打。大舞台に燃えて“絶好調”が代名詞となる。労働組合プロ野球選手会初代委員長を務める。プロ野球解説者、スポーツニッポン新聞社の専属評論家として活躍。東京読売巨人軍打撃コーチに就任。長嶋監督の下、念願のリーグ優勝と日本シリーズ優勝を果たして勇退。アテネオリンピック全日本野球ヘッドコーチとして参加。銅メダル獲得。現在野球評論家として活躍中。